皆さんこんにちは、Tomです。長い被災生活も本日で最終日となり、明日から出勤です。早く仕事がしたいと思っておりました。良かったです。やはり人間、仕事をしないと張り合いが出ませんね。明日から頑張ります!

さて、本日の記事は、オーディオタイマーの修理です。このタイマーは私が20歳の頃に購入したSONYのタイマーです。このタイマーはコンセプトが非常に良く、使い勝手を追求した優秀なタイマーだと今でも思っております。使用開始から30年経ちますが、今でも使用可能です。

このタイマーの良い所は、下記の5つです。
1) 電源部(リレー部)と操作部が分離して、長いケーブルで接続されていること。
   (操作部がかさばらず、どこにでもおける)
2) 電源の系統は2系統で、予約が4つ。
   電源の系統はA とBの2系統あり、予約は2つずつ合計4通りの予約が可能。
3) タイマーの時計セットや予約時間のセットは、プラスマイナスがあり、時間が行き過ぎた場合バックできること。(これがいい!)
4) 時計の照明は、2通りあり、夜寝るときは暗くできる。
こんなところかな。兎に角使いやすいのです。

5) 操作部の角度を変えられる。

今の人は、『オーディオタイマーってなんで必要なの?』と思うでしょうね。今の機器は殆どに時計が内蔵されていて、ビデオの録画なんかは番組表でポンポンとセットするだけでOKですから。
しかし、昔はエアチェック(FMの番組をカセットデッキに録音)する時は、その時間にタイマーセットし、チューナー、アンプ、カセットデッキをONにする必要があったのです。そのために必要でした。

さて、次の疑問として、それなら『なぜ今更オーディオタイマーが必要なのか?』それはですね、アンプのレイアウトを変えた為なんです。
Tomは、以前よりパワーアンプをスピーカーのそばに置き、アンプとスピーカーを最短にして、レスポンスを良くしたいと思っておりました。今回、ターンテーブルをラックの真ん中に持ってくるに当たり、パワーアンプをラックから出さざるを得ない状況になってしまい、今回急遽パワーアンプの移動を決意しました。パワーアンプを遠くに持ってゆくと、不便なのが電源のON/OFFです。そこで、このタイマーを使って、遠くのアンプをON/OFFすることにしたのです。このタイマーは、電源リレー部と操作部を4mくらい離して、タイマーの操作部がコンパクトなので、机においてもかさばりません。しかもここからマニュアルでリレーをON/OFFが出来るのです。素晴らしい!

しかし、難点がありました。長年の経年劣化で、操作部のキースイッチの接触が悪い部分がいくつかあります。その一つが、マニュアルで電源をON/OFFするキースイッチです。今回の修理は、そのキースイッチの接点不良を解消し、パワーアンプのON/OFFを快適にする事が目的です。

1.先ずは、バラシ。
 修理の原点は、まずバラス事です。リアプレートのネジを取り外せば簡単に取り外せるのですが・・・・・・うっ!ネジが硬い。流石に30年間の歴史が物語っています。ここでネジを馬鹿にしては、手間がかかるので、潤滑剤を塗布し、なんとかネジをはずす。

2.カバーが外れたが・・・・・・あれ?スイッチの部分が取れない!
 カバーははずれが、スイッチ部分はブロックになっていて基板に熱溶着されている。つまりネジで固定されていないのである。これは参った。

3.熱溶着部を溶かす。
溶着部分を溶かさないと前に進めないので、半田ごてを使用して、熱溶着部分を10箇所ほど溶かし、スイッチブロックをはずす。

4.スイッチが見えてきた・・・・・なんと錆びていた。
ブロックをはずすと、スイッチが見えてきた。スイッチは、丸いバネ板を押下することでONにするもの。銅メッキが施されていたが、これがなんと錆びていた。これでは、このスイッチを分解しなければ、接点を回復できない。これと同じスイッチが手に入ればいいが、30年前の部品なので、可能性は殆どない。何かいい方法が無い物か?いろいろと考えてみた。

5.ナイスなアイディアが!
いろいろと考えた所、いい方法が見つかった。それは、このタイマーの特徴の一つであった予約の操作部が4系統ある所だ。今欲しい機能は、マニュアルでON/OFFすることであって、タイマー予約をする事ではないこと。そして、予約の操作部が4つあるので、たとえ予約があっても、予約2の所は殆ど使わないこと。そして、予約2の部分は、あまり使用していない為か接点は良好である事。それぞれの理由から、マニュアルの電源ON/OFFのスイッチと予約2のスイッチを交換する事に。その他時刻設定のスイッチで接点不良の所も予約2のスイッチと交換した。
1)まず、テスターを使用し、接点の良好なスイッチを見つける。

2)スイッチを取り外す。

3)スイッチの足の接点を磨き別の場所に取り付ける。

6.熱溶着を戻す
先ほど、熱溶着を溶かしたブロックにホットメルトを注入し、最溶着する。

7.動作確認
カバーを取り付ける前に、必ず動作確認を実施する。スイッチのON/OFFは良好!

7.完成!
今、TomのパワーアンプのON/OFFは手元で確実に出来る様になった。