MUSES01を使ったMCヘッドアンプの製作

Tomです。おはようございます。昨日は、炊飯ジャーが復活したので、非常に充実した日を送ることが出来ました。そして、もうひとつ。昨日は充実していたんです。夕方部品が来るまで、実はMCヘッドアンプの製作をしておりました。以前YAMAHAのC2aというプリアンプの修理の記事を載せていたと思いますが、このMCヘッドアンプ部は、修理を重ねているにもかかわらず、全く直る気配がありません。最近は、ヘッドアンプそのものではなくその周辺がおかしいと思うようになりました。そこで、面倒なので、オペアンプを使用して、ヘッドアンプ製作することにしました。昨日は、その製作を実施していたのです。
それでは、その様子を報告しましょう。

1.部品集め
MCヘッドアンプと言っても、市販品は1万円〜100万円位するものもあります。今回は、その辺の部品ですが、オペアンプだけは高級品を使うことにしました。そのオペアンプは、JRCの『MUSEs01』です。MUSEs01?どこかで聞いた事が...。そうです、以前プリアンプを製作した時に究極のOPアンプとして、3,500円も出して買ったものです。OPアンプと言えば一個50円〜100円。少し良くても、一個400円程度です。それが10倍〜70倍の値段なんだから、ただ事ではありません。でも、プリアンプは回路上『MUSEs02』の方が良かったので、MUSEs01は補欠選手に・・・。ちょっと勿体無いですね。そこで今回MUSEs01は、FET入力なのでMCヘッドアンプには最適なのでは?と考え今回製作に踏み切った次第です。それから、もうひとつ。私はYAMAHAのC2aを使用していますが、あまりYAMAHAの音は好きではありません。YAMAHAと言うメーカーは面白くて、全ての商品は音のトーンが統一されています。それはオーディオアンプに限らず、ギター(エレキも含む)、ピアノ(エレピも含む)、ギターアンプ、アコースティック、電子楽器全てです。オーディオメーカーもそんな傾向はありますが、このC2aもそうでした。Tomはこの音色から脱したいのです。
それから、最終的に目指すのは、イコライザアンプまで製作し、アンプに組み込むと言う事。30年前のヘッドアンプと比較し、現在の最新高級オペアンプで聞くレコードの音は、どんな感じなんだろう?ということを体験したいのです。さて、部品は揃った。製作に取り掛かります。

2.回路
回路はごく一般的な反転増幅器で、22倍の利得を持たせています。たったそれだけなんです。ですから、OPアンプの教科書の通りに回路を書けばそれで終了。ただ、入力と出力に一応カップリングコンデンサは入れています。

3.ユニバーサル基板
今回、Tomは画期的なユニバーサル基板を発見しました。これまでは、単に穴が開いている蛇の目基板を使用していました。しかし、配線が面倒でしかもかっこ悪い、音にも多少影響するかも。そこでなんか良いのは無いのかな?と探してみたら、写真の様なOPアンプに最適な基板を見つけました。
これは、単なる蛇の目ではなく、ICの足から2個までパターンが繋がっている。電源ラインが合計4本通っている。パスコンのパターンがある。そして、脇には単なる蛇の目。そしてもう片方には、三端子レギュレータを想定したパターンがすでに完成されている。
OPアンプを使用するものにととってはこれほど便利なものはないと言うほど、便利です。しかも、値段が200円くらいで非常にリーズナブル。最初に製作したプリアップもこの基板で作り直そうかなと思いたくなる基板です。今後オペアンプで何かを作る時は、絶対にこれを使います。それだけ便利なんです。

4.基板の完了
そんな訳で便利な基板に対し、頭の中で最適な部品の配置を考え、部品を半田付け。配線は数えるほどしかありません。あっという間に完成。基板の動作チェックをする為に、電源スイッチやLED、入出力端子を仮に取り付けます。

5.基板単体でのチェック
基板単体(裸で)回路のチェックを行います。テストでは、安いオペアンプを使用します。なぜなら、最初からMUSEを入れて、高価なオペアンプを壊したくないですからね。
そして、入力信号は自作のファンクションジェネレータを使います。中身は、秋月電子のファンクションジェネレータキットですが、これは結構重宝します。チェックの結果、OKでした。

6.ケースの加工
さて、中身の製作は終了。今度はケースの加工です。ケースは、タカチのいつものケース。このケースは、そこそこ格好がよく、アルミも薄くて加工しやすいし、値段もリーズナブル。そして、ケースはちゃんとラッピングして有りますので、最初のけがきは、その上にマジックで直接かけるのが大きなポイントです。
1)穴あけのけがき

2)穴あけ加工

7.コネクタ類の取り付け
コネクタ類を取り付ける前に、穴のバリをきちんと削除しましょう!さて、コネクタ、スイッチの取り付けです。取り付けには、小さなモンキースパナ(以前パーツショップで見つけた)を使用します。ラジオペンチでも十分ですが・・・・。


9.半完成です。

8.基板を取り付け、電池のお部屋作り
今回の電源は、006P(9Vの四角い電池)を2個使用し、±9Vにしています。理由は、音質を考慮し、出来るだけ電圧は高くとりたいと言う事、そして、まずは手軽に作りたい。そして、MCヘッドアンプは毎日は使用しないからです。
1)隙間テープを使用し、電池の部屋を作る。

2)ウレタン板をケースの天板に貼り、電池が動かない様にする。

10.信号チェック
基板単体でもチェックをしていますが、最終的にケースに入れた状態でチェックをします。途中の配線などで、ショートしている可能性もありますからね。

11.完成しました
ついに完成!こんな感じです。

12.いよいよ音出しチェック
音出しは、いつものプレイヤーからMCヘッドアンプにいれその出力をC2aのフォノ入力に。(当然C2aのMCヘッドアンプは通していません)
結構いい感じで鳴っています。この時点でのオペアンプは、2114です。

13.MUSEs01の登場
いよいよ最終仕上げで、MUSE01への差し替えです。さて、どんな音が出るのやら・・・。
結果は、ウーン少しケバケバしていて艶が無い感じ。以前と傾向は同じですね。今後は、少しエージングしてみます。そして、手持ちのオペアンプを色々と差し替えて実験して見ます。


14.今後の方向性
今回オペアンプを使用したMCヘッドアンプを作りましたが、大成功でした。最終目的は、イコライザアンプまで製作することです。基板のスペースはまだありますので、そのうちイコライザも作って、自作プリアンプに直に繋ぐか、それともプリアンプ内に設置しようと思います。これが最終形ですね。
また楽しみが増えました。