SA-910の修理 −その16−

Tomです。おはようございます。この修理の記事も始めてから約1ヶ月が過ぎ、8月を迎えてしまいました。『早く何とかしなくては・・・・・・。』と思いつつも、前回のファイナルの前段の発信が止まらない症状から、約1週間混沌としておりました。
しかし、今朝、ついに発信が止まり、左右から均等に音が聞こえるようになりましたので、レポートします。レポートに関しては、これまでの1週間の混沌とした部分も含めて行います。

1.半固定抵抗は大丈夫だろうか?
 経時変化で劣化する3大部品(なんか成人病の3大疾病みたい(笑))は、電解コンデンサ、半田、そして半固定VRです。これまでは、主要な電解コンデンサトランジスタそして半田の除去と再半田は実施しております。そこで、バイアス電流を決定する半固定抵抗を疑ってみました。
 1)半固定抵抗を取り出してみる。  
 半固定抵抗を取り出してみると、フラックスで足が真っ黒に腐食していた。これはいけそう!だね。


 2)足を磨きテスターで抵抗値を計測 
  腐食した足をヤスリで削り、テスターで抵抗値を確認しました。すると、抵抗値はきちんと出ています。

 3)結果
  やはり、残念ながら発信は止まりませんし、L側の音声は小さいままです。

2.トランジスタの発信止めのコンデンサをチェックする 
 1)発信に関する調査を開始

発信に関して、なかなか前に進みませんので、会社の先輩に聞いてみました。その方は回路図を見て、ここのトランジスタのB-C間に入っているセラミックコンデンサは発信止め用のコンデンサなので、そこをチェックするといいよ。とアドバイスを頂きました。


 2)部品チェックと再半田 

コンデンサを取り出しチェック。セラミックコンデンサなので、経時変化に対し強いはず。基板との接触も大丈夫の様である。再度部品を取り付け再半田する。

 3)結果
  結果は、やはり同じ状況です。

3.再度先輩に聞いてみる。
  再度、会社の先輩に聞いてみると・・・。『私の経験上では、入力の電解コンデンサが原因だった事も有ったよ。』というアドバイス。これはとても有益なアドバイス。今回のパワーアンプ部の電解コンデンサの交換は、手持ちの部品を使用していたため、入力の電解コンデンサは、0.22μF、0.47μFとあまりに容量が小さく部品が無い為交換していなかった。故障の状況は発信だけでなく、音声も低い事から、入力のカップリングコンデンサが容量抜けを起こしていれば、大いに可能性はあると思い、今朝ついにその確認をするに至った。

 1)図面上でコンデンサを確認
  図面上では、下記に示すC1,C2の電解コンデンサがそれに当たる。

 2)コンデンサは積層セラミックで代替
  現在、そんな小さな電解コンデンサは手持ちしていない。この容量だと、通常はフィルムコンデンサを使うはず。現在、積層セラミックは少し保有してあるが、セラミックコンデンサは音が歪むため、今回は故障箇所の確認の目的で使用する事にした。

 3)コンデンサを交換し、電源ON!
  コンデンサを交換し、電源をON。無音状態で・・・・・・発信が綺麗に止まりました。これは、いけそう!。


次にCDプレイヤーから音声を入れると・・・・。綺麗に左右から音声が聞こえるようになりました。


ついに、発信と音声が低い原因が掴めました。先輩、ありがとうございます。
これで、また一歩前進です。
今回の反省:
やはり、交換すべき部品は怠らずにきちんと交換すべきでした。ここに費やした悩みの時間が非常に勿体無い。