CA-600の修理 −その7−

皆さんこんにちは、Tomです。本日より、9日間の夏休みの開始です。と言う事で今日は朝早くからCA-600の修理を開始しました。
結論から申し上げますと、本日の出来栄えは下記の通りで、後は、ファイナルを入れて調整すればOKという所まで漕ぎ着けました。少し嬉しいです。
<本日の成果>
 1)パワーアンプ基板の完成。
 2)パワーアンプ基板の修理。これで音が出るようになった。
 3)プリアンプの右チャンネルが歪んでいたので、パワーのアンプの前段を修理。
 4)イコライザアンプの確認。問題無し。

それでは、今日の修理の内容をご紹介しましょう!

1.昨日から取り掛かっているRチャンネルパワーアンプ基板を仕上げる。

 昨日の朝、Rチャンネルのパワーアンプの製作(もう修理じゃないね)を行っていましたが、昨日は抵抗とコンデンサの取り付けで時間切れ。本日はそれにトランジスタ、セメント抵抗、電解コンデンサ等の背高い部品を取り付けて、完成です。
下記の写真が、出来上がった2枚の基板です。

そして、この写真は、取り外した部品。殆ど交換しました。なんか最近のビフォア&アフターみたい。

2.2枚のパワーアンプ基板を取り付け、音声を確認。
 さあ、2枚のパワーアンプ基板を取り付け、ファイナル前段までの状況を確認します。
SA-910の経験では、ヘッドフォンでモニタするレベルでは、ファイナル前段までの確認は可能です。それでうまく音が出れば、OKだと思います。
 1)2枚の基板を取り付ける 

 2)電源を入れる。


  電源を入れてみると、最初数秒後にプロテクションが解除され、音が出てきますが、その数秒後にまたプロテクションがかかるようです。
まだミドルポイントの調整をしていないので無理もないか・・・。


 3)ミドルポイント(0ポイント)のバランス調整VRを真ん中にする。

  そこで、両チャンネルの0バランスVRを真ん中にセット。今度は、プロテクションがかからず、継続して音声が出る様になりました。でも、Rチャンネルの音がめちゃくちゃ歪んでいます。プリアウトの信号ではそのような事はありませんので、間違いなくRチャンネルのパワーアンプの不具合です。

3.パワーアンプの基板を観察する。
 急いで半田付けしているので、どこか半田ショートでもしているかもしれません。そこで、ルーペを使用して、Rチャンネルのパワーアンプを端から端まで目を皿のようにして観察します。
すると、げげーっつ!パターンが焼け焦げて切れている部分を発見!

拡大写真(これを撮るのが結構難しいのだ!)

回路図でいうと、下記の部分のパターンが切れている様です。

4.パターンをリード線で繋ぐ

 1)パターンが切れている部分のレジストを精密ドライバで削る。

 2)リード線で繋ぐ

4.音を確認
 再度、基板をアンプに取り付け、音を確認します。
 すると、今度は、左右から歪みの無い音楽が聞こえる様になりました。これで、パワー段のファイナル前段までの回路は、正常に動いていると思われます。

しかし、ここでまた課題発生。歪みは無くなったのですが、ボリュームを上げてゆくとLチャンネルの音量がうまく上がりません。今度はプリアンプの様です。

5.1ブロックずつメンテする。
下記のブロック図をベースに、メイン基板に至るブロックを1ブロックずつメンテします。

6.まずは、ボリューム基板から
 まず怪しいのは、ボリューム基板からメンテします。ボリューム基板をシャーシーから外す。

この基板は、メインボリューム、バランスボリューム、そしてラウドネスコンロトール回路があります。このラウドネス10段階のロータリースイッチでラウドネスの深さを切り替える様になっています。今では考えられませんね。

1)ボリューム基板の半田を全て吸い取り、再半田する。

2)ボリュームとロータリースイッチの接点を復活させる。
 いつもの様に、エレクトロニッククリーナーでボリュームの接点と、ロータリースイッチの接点を磨きます。

3)音声の確認
 1ブロックごとに元に戻し、音声を確認します。すると、この段階で、Lチャンネルの音量が上がらない不具合は無くなり、左右から均等に音が聞こえるようになりました。


7.TONE基板ブロックのメンテナンス
 すでに不具合はなくなりましたが、せっかくなので、他のブロックもメンテしましょう。まずはTONE回路のブロックです。

 1)TONE回路の再半田
  TONE回路の基板全てのハンダを吸い取り、再半田します。
 

 2)ロータリースイッチとレバースイッチの接点を復活させる。
  ボリューム基板と同じ様に、TONE基板のスイッチ類も全てエレクトロニッククリーナーで接点を磨きます。

8.フィルター基板の接点の復活
 アンプを引っくり返し、フィルター基板のスイッチ類も接点復活させます。

9.イコライザの確認
 イコライザはあまり使いませんので、一応音が出るのかどうかを確認します。なんとイコライザは問題ないようです。

今日は、ここまでです。今日は結構進みました。
あと、やる事はファイナルを入れて動作を確認し、調整をするだけですね。