PAM-6の修理 シーズンⅡ −その3−

おはようございます、Tomです。さて、昨日から本格的に修理が始まった、BOSEのPAM-6ですが、回路図が無いと本当に苦労しますね。今日は電源部の構成を少しずつ解析しました。

1.Power Suppy Unit(以降PSUと呼びます。)の概観
  このPSU、非常にコンパクト、トランスなども小さいので、見るからにスイッチング電源ですね。(後で違う事がわかったのですが・・・)

2.スイッチング電源とは?
 スイッチング電源については、概念としては理解しておりますが、まじめに勉強した事がありませんでした。そこで回路構成を知るためにも、スイッチング電源の基礎についてネットで検索し、資料をダウンロードしました。

  https://www.nipron.co.jp/pdf/cyclopedia/chapter1/1-3.pdf
  http://www.tdk.co.jp/techmag/power/200807/index.htm



要は、2次側の付加に応じて、1次側のAC電源をスイッチしますがその幅は電圧に応じてスイッチの時間を変化させる事で、電圧を一定にする事ですね。
(転載させていただきました。)

3.回路図の作成
 さてさて、スイッチング電源の動作原理がわかった所で、回路図を作成しましょう。
 AC INからの信号は、FUSEを通ってまずはブリッジに行くはずですが、実際は・・・・おっと、いきなりトランスに入っています。どうしてなのか??
 次にダイオードコンデンサを通りいきなりコントロール基板の5V電源へ。

 おそらくこれは、電源リレーを駆動するための電源であり、スリープ状態から起こすものでしょう。納得。電圧波形は多少汚くとも、リレーを駆動するには十分です。

 1)トランス直後の波形(5V/div)

 2)ダイオード通過後の波形(5V/div)

4.本電源は?
 それでは本電源回路はいったい何処にあるのか?
 まず、リレーの先をみると、一方はAC電源、もう一方は、コネクタ(2P)と言う事は、AC電源の隣にあるコネクタに出ているって事です。

気になるブリッジと『でっかいコンデンサ』(電解コンデンサ)が存在感をかもし出しておりますが、ここのブリッジを見ると、なんか3Pのコネクタに繋がっており、その手前がコネクタで止まっています。

5.2P、3Pのコネクタは何??
この接続されていないコネクタはいったい何?そしてこのコネクタが繋がらないとメイン電源は供給されない様に思えます。



6.昔の写真を再度確認
 こんな時はばらす時に撮影した写真を再度確認するのが一番です。昨日もこれで助けられました。そこで昔の写真を見ると・・・・・
 なんと、写真では、電源コネクタが取り外されている写真となっておりました。残念。
ん?PSU基板の隣に移っている大きな四角い物体は何??おおーっつ!これはトランスではないか!そういえばトランスは重いので外して別のところへしまっていました。3ヶ月以上も前のことなので、失念していました。人間はこんなものだと思います。



7.電源の全体把握
これで、電源の全体がわかりました。このリレーの先はトランスに繋がっていて、トランスから三本の線(交流、中点GND)が基板に入り、その後は、ブリッジ、そして平滑コンデンサという、普通の電源であり、スイッチング電源ではありませんでした。
大変お騒がせ致しました。