PAM-6の修理 シーズンⅡ −その5−

おはようございます、Tomです。最近、お彼岸が過ぎたとたん、朝晩が急激に冷えるようになりました。昨日の朝は、なんと10℃を切ったようです。そんな訳で、最近は4時きっかりに起きるのもままなりません。まあ、少しずつ進めて行きたいと思います。
さて、昨日は、パワーアンプが故障の原因である事が判りました。(ほぼ予想通りですが・・・。)本日は、最大の難関である、パワーアンプ基板の取り出しです。これは以前からの大きな課題で、まだ解決の糸口が見えていない状況です。
下記の写真の様に、パワーアンプはスピーカーハウジングの奥にあり、ハウジングは接着剤でがっちり固定してあります。スクレーパで接着剤の剥がしをしましたが、底辺部はリブが立っていてどうしようもありません。

仕方なく、以前こんなものまで用意しておりました。これはミニルータの先端に取り付ける切断砥石です。これでハウジングの底辺部を切削してしまおうと思っておりました。

さて、今日はパワーアンプの取り出しです。どうなる事やら・・・・・。

1.周囲をよく観察する。
問題解決の糸口は、十分に観察をして情報を整理する事です。また、客観的に物事を捉えるという事が必要ではないかと思います。
前回の解決方法はSPハウジングの底辺部を切断するという方法でした。しかし、この方法でハウジングを取り除いてもパワーアンプを取り出せるかどうかはまだ判りません。なぜなら、上記の写真を見ていただく判りますが、パワーアンプは外側のホーンのカバーに固定されています。

2.見方を変える
そこで、見方を変えこのホーン部を分解する事を考えました。これはこれまでに無い発想です。ホーン部を引っ張ると先端は少し開くようです。これなら壊しても、修復が簡単です。

3.一気に分解
手で引っ張り出すと、『パキッツ』と音がして途中まで外れました。しかし、その後が難しい様です。そこで今度はマイナスドライバを差し込みてこの原理で一気に『バキッ、バキッツ』と剥がしました。大成功です。

こんなに簡単に、しかも大きな傷を残さずに分解できるとは思いませんでした。今までの考え方はなんと浅はかであったか・・・・反省です。

4.パワーアンプユニットを取り出す
なんか、このPAM-6は、非常に複雑な構造をしております。ここまで来るとすぐに基板が取り出せるかと思いきや、基板はホーンのハウジングにしっかりと固定されています。放熱板も半端ではありません。

 1)ユニットを固定しているビスを外す。
  まずは以前取り除けなかった、基板の内側のビスを外します。これで放熱板ごと取り出せるでしょう。
 

 2)ユニットをスライドする
  ユニットをスライドすると、シリコングリスから開放されユニットを取り出す事が出来ました。

5.放熱板を取り外す
 放熱板は、基板の上に覆われていますので、放熱板を取り外さないと基板を見る事は出来ません。
そこで、放熱板にトランジスタを固定しているビスを全て取り除きます。

 

6.やっと基板単体に・・・・
 これでやっと基板単体になりました。
 

7.概観の観察
問題解決の糸口は、まず基板をよく観察する事ですね。特に電解コンデンサ周りや発熱しやすい抵抗周りがビューポイントです。すると、下記のような発見がありました。

 1)コンデンサの液漏れの後
 2)抵抗が焼けている(メインLRアンプのみ)

 3)基板の裏側が焼けている(LRアンプ、ウーファーアンプ)
  ①メインLRアンプ基板の裏側
  
   拡大
  

  ②ウーファーアンプ基板の裏側
  
  拡大
  

8.トランジスタ、抵抗のチェック  それぞれの基板のトランジスタ、酸金抵抗をチェックした所、上記の抵抗が焼けてオープンになっている以外は、今のところ問題なさそうです。

9.原因の分析
おそらく今回の原因は、電解コンデンサ(220μF、35V)の液漏れによる容量抜けがトリガーとなり、バランスが崩れ、トランジスタがひきっぱな無しになってしまった。(SPアウトから推測すると、+24Vのみ)。でもプロテクションがかるためトランジスタの破壊は免れるが、プロテクションは切断するので、長めに電源を入れておくとリレーが何度も切断されているうち抵抗が焼けてしまったというような感じです。