YAMAHA プリメインアンプ AX-900の修理 プロローグ&エピローグ 

おはようございます。Tomです。先日から1週間、バラバラになったプリンタ(MP-950)が机の上を占領し、ストレスが溜まりっぱなしでした。そこで、昨日は気分を変えるため
に、YAMAHA AX-900のアンプの修理を実施しました。(今日はちょっと長いので心して読んでね。)

<背景>
先日、CA-600を完璧に修理をして、ゴルフの先生の所に設置したら、プロテクトが解除されず、音が出ませんでした。一度持ち帰り確認すると、家では問題無し。また納品すると同じ症状で音が出ません。これは、おそらく、電圧が低いためプロテクトが解除出来ないのでしょう。(練習場は離れにあり、そこまで家から電源を引いている為と思われます。)どうやら、このアンプでは対処できないと思い、CA-600は諦めました。
そこで、どうしようかと思っていたら、会社のお友達から近場のリサイクルショップにYAMAHAのアンプのジャンクが1,980円で売ってるよと教えていただきました。そこで、先週の三連休の時に、リサイクルショップに行き、そのアンプを1,980円でGETしてまいりました。アンプの但し書きを見ると、左の音が出ませんと言う状況。これなら、電源は入るし左側の接触不良か、最悪左チャンネルファイナル交換レベルかな?
さて、まずは状況を把握しましょう!

1.状況把握結果・・・・まあまあかな?
 電源が入ると言う事なので、いつもの様に、CDの音声を入力してヘッドホフォンでモニタして見ました。まずは電源ON!・・・・・大丈夫ですね。でもLEDが点灯しません。徐々にボリュームを上げてゆくと・・・・確かに左の音が少ししか出ません。でも、ボリュームにガタがあり、そのガタに連動して、音が出たり出なかったりしている様です。これはイケる!清掃も含めて1時間コースかな?(と、最初は安易な考えだった・・・・・・・。)

2.開封・・・・・・・ギョエー−−−−こんなの見たこと無い!
 さて、ルンルン気分でカバーを開封します。アンプはプリンタと違ってカバーの開封は簡単でいいですね〜。さあ、オープン・・・・・・・・・ギョエーーーーーなんじゃこりゃぁ〜!
概観はまあまあだったが、中は埃とサビで物凄い事になっていた。どの様な保管をするとこんな状態になるのでしょうか?アンプが可愛そう。殆ど雨ざらし状態に近いんじゃないのかな?それとも長年部屋で埃を被ったあと、外の物置(湿気が多い)で長年放置されていたのでしょうか?それにしても、良くこの状態で音が出たものだとつくづく感心。それじゃ、清掃からはじめますか・・・。やれやれさっきの安易な気持ちはなえてしまいました。

3.全てをバラシて清掃する事に。
 こんな状態では、発火の恐れもあるし、まずもって、メンテするにしても気持ちが悪いので、全てバラして清掃する事にしました。まずは手の届くトランスと電解コンデンサから、得意のマジックリンと歯ブラシできれいにして行きましょう。

4.イコライザとセレクタ基板のカバーを外す。
 次に、埃と湿気でがっちり錆びているイコライザとセレクタと思われるシールドカバーを取り外します。これは取り外して、サビ取りして、再塗装が必要ですね。ところが、一ヶ所サビでビスが回りません。潤滑剤を回しても回らずついにネジをバカにしてしまいました。でも、Tomは焦りません。こんな時は、ドリル君の出動です。しかし、このドリルは高校1年の時に購入した当時では貴重なマキタの無段変速のドリルです。あれから35年、良く持っていますね。

カバーが外れました。カバーの内側もサビだらけです。基板は大丈夫かな?

5.フロントパネルを外す。
次はフロントパネルをはずして、メイン基板へのアクセスが出来るようにします。まずはボリュームツマミから・・・・このツマミの裏もこんな感じ。前のユーザーはどんな人だったんだろう?

6.内側のフロントパネルを外す。
ボリュームやその他のつまみを全て外し、化粧版を外すと今度は本当に部品を取り付けている、フロントパネルが出てきます。こちらもサビの斑点模様が・・・・。これも塗装しなければならないでしょうね。久しぶりにミニモンキースパナの登場です。

7.メイン基板の清掃
フロントカバーがはずれ、やっとメイン基板にアクセスが可能となりました。基板は埃だらけです。

基板の清掃に当たっては、基板の半田面はエレクトロニッククリーナーと歯ブラシで清掃が可能なのですが、部品面は長めのブラシでなければ、清掃が難しい様です。長めのブラシを探しましたが、なかなか見つかりませんでしたので、エレクトロニッククリーナーと綿棒で表面を清掃しました。

8.基板の下も清掃
 基板とヒートシンクは一体になっていますので、そのまま外して基板の下をマジックリンと歯ブラシで清掃します。それにしても本当に電解コンデンサ、でっかいコンデンサですね。(笑)

9.シールドカバーの錆び落としと塗装。
 さて、次はガッチリ錆びているシールドカバーと程々に錆びているフロントサブパネルの錆び落としと再塗装です。
通常は、紙やすりで磨いたらそのまま塗装しますが、今回はえのしまさんに教えて頂いたラストリムーバを試してみたいと思います。でもこの説明書にはアルミ製品使用しないで下さいと書いてありますが、まあダメもとで使用してみました。

紙やすりとラストリムーバで錆を落としたら、次は塗装です。本来なら、黒つや消しで塗装したい所ですが、今回はカバーの内側ですし、錆びもありますので、手持ちのシャシーブラックで塗装しました。

10.接点の復活劇
塗装を乾かしている間に、今度は、セレクタとコントロールアンプ部の接点をエレクトロニッククリーナーで復活させます。

 1)セレクタの接点復活

 2)各種ボリュームの接点復活

11.接点は復活したか?
さて、塗装も乾きましたので、基板をパネルに取り付け、接点が復活したかどうかを確認します。
 結果、メインボリュームの方は、バッチリ直りましたが、BASSのボリュームを回すとガリがあり、その上左チャンネルの音が出たり出なかったりします。十分にガリを取ったつもりですが、ダメですねぇ〜。また、やり直しです。このように、組み上げる前に中間でチェックする事が大事なんですね〜。

12.ボリュームを分解して接点を磨く。
何度か接点の復活をさせて確認という面倒な作業を繰り返しましたが、いくらやっても直らないので、ついにボリュームを基板から取り外し、ボリュームを分解して接点を磨く事にしました。

 1)BASSのボリュームを基板から外す。

 2)ボリュームをバラして、接点を磨く。

13.せっかくなので電解コンデンサも交換
そういえば、あまりに汚いので、清掃作業が集中して、肝心の電解コンデンサの交換を忘れていました。コントロール基板のコンデンサを調べてみると、殆ど手持ちの電解コンデンサで対処できました。やはり電解コンデンサのストックは大事ですね。今度ストックを増やしておきましょう。

交換した電解コンデンサ。なぜかこんな所にブラックゲートのコンデンサが・・・。

14.最終組上げ
最後は、フロントパネルとつまみを清掃して、最終組上げをします。

15.どうです?
これが最終的な姿です。どうですか?最初に見たときとは全然違うでしょう?気になるBASSのガリはだいぶ改善されましたが、多少残っています。このボリュームは、基板じか付けの特注品なので、一般では手に入りませんので、ここまでやって直らないのは仕方が無いので目をつぶる事にしました。実用上は問題ないでしょう。

<Before>
<After>

そしてFinal。一日で終了です。