DENON DCD-3300を復活させました。

皆さんこんばんは、Tomです。さて今週は、Canonの複合プリンタMP-950の修理を実施していましたが、部品取りジャンクも含めて、見事に撃沈!・・・・まあ、修理をしているとこんな事もあるんですね。
さて、気落ちを入れ替えて、本日はCDのトレイが開かず、ラックで眠っているDENONのCDプレイヤー:DCD-3300をメンテします。


1.DCD-3300との出会い
このCDプレイヤー(以降CDPと省略)は、Tomがまだ26歳の頃(今から25年前)、初めて買った物です。当時は、まだCDの普及率も低く、CDPが高価だった時代で、それでもやっと49,800円レベルのCDプレイヤーが出て来た頃でした。『よし!ここまで価格が下がったんだったら、自分にも夏のボーナスで買える。』と決心をしました。いよいよ夏のボーナスを頂き、CDPを買いに行こうと思いましたが、考えて見ればTomはCDを持っていません。そこで、気に入っていたKenny GのDuoTonesのレコードと同じCDを1枚購入し、そしてYAMAHAのヘッドフォンを持参して大きな電気屋さんに行きました。そして、ずらりと並んだCDPに持参したCDとヘッドフォンを挿入して、片っ端から聴きまくりました。
最初は、『CDPは、レコードと違ってデジタルなんだから、皆んな音は同じさ。5〜6万円台が狙い目かな?』などどと若かったTomは思っていました。
ところが、実際に聴いてみると、なんと1台1台全部違いますし、それであっても音の味付けは各メーカーの色にほぼ統一されていました。
20〜30台のCDプレイヤーの試聴をしているうち、その中でたった1台のプレイヤーの前で釘付けになってしまいました。それがDCD-3300でした。このCDPは、他の物とは異なり、音が楽しそうに踊っているんです。このCDPだけデジタル特有のカーテンのようにさえぎるものが無く、音の細部まで聴こえ、まるでミュージシャンが目の前で楽しそうに演奏している感じです。そうまさに『音楽』です。それ以降、他の機種を聴いても必ずこのCDPに戻ってきました。運命的な出会いでした。もうこうなると、買うしかありません。でも価格は20万円、若いTomには高嶺の花です。何とか値切り倒し、12万円で購入しました。おそらく、こんな出会いで購入したオーディオは、おそらく後にも先にもこの1台しかないと思います。(あとは殆ど中古ばかりを買っていましたので・・・)

2.DCD-3300の衰退
そんな出会いがあったCDPなので、その後は、とても大事に使用して現在に至っています。でも、20年ほど経過するとピックアップも劣化し、CD-Rがうまく読めないばかりか、ピックアップのキャリッジの黒い部品もぼろぼろに劣化してきており、交換部品もない状態となり、3年前にヤフオクでDCD-1650ARを2万円で購入。
その後も、併用して聴いていたのですが、もともとトレイ開閉がスムーズじゃないDCD-3300が経年劣化でやっと動いている状態になったので、駆動ギアにシリコンオイルを塗ってしまったのです。これが大きな過ちでした。シリコンオイルは、すべりがいいのですが、少し使っているとモーターのプーリーと伝達先のプーリーにオイルが回ってしまい、ベルトがすべるだけでなく、ゴムが膨潤して更にスリップ。ついにはトレイが開かなくなりました。一度、プーリーを中性洗剤で洗い、アルコールで洗浄し、ベルトも交換しましたが、数ヶ月使用していると、またオイルが回り、トレイが開かなくなりました。
そして、数ヶ月前からアンプの修理で忙しくなり、ベルトは保有しているものの、修理できない状態になってしまい、DCD-3300は引退し、ラックの端に保管という事に・・・・・。

3.DCD-3300のメンテ再開
 さて、前置きが長くなりましたが、長かったアンプとプリンター修理も終わり、今日は何もする事がなくなったので、いよいよDCD-3300のトレイの修理に踏み切りました。

4.まずは、TOPカバーを開ける。
DCD-3300の本体は、分厚いアルミダイカストでしっかり作ってあり、CDPとしてはとても重量があり堅牢感があります。でも、パネルが黒く他の安いCDPと比較するとあまり違いがないのです。(おそらくそれもあって、その後のDCD-3500では、GOLDを採用したのだと思います。)
TOPカバーを固定しているのも、通常のM3の鍋子ネジではなく、六角レンチのネジを6使用しています。堅牢感がありますね〜。

そして、そのネジ6本をはずしても簡単にTOPカバーが取れません。かなり力を入れて引っぺがさないといけないのです。力を込めて『えいっ!・・・・』やっと剥がれました。

5.CDドライヴユニットを取り外す。
次にCDドライヴを固定しているネジ5本を取り除くと、CDドライブが簡単に外れます。

ドライヴを取り出すときには、トレイの前面パネルを取り外した方がスムーズですね。でもこのCDPは、取り外さなくとも取り外せます。

6.トレイ開閉のモーターAssyを取り外す
 そして、ユニットを引っくり返し、トレイ開閉モーターAssyを取り外します。ネジ2本で簡単に取り外せますが、ギアがぼろぼろと取れてくるので、要注意。

7.プーリーの脱脂
 シリコンオイルが回ってしまったプーリーの脱脂を行います。以前は、中性洗剤とアルコールで実施しましたが、今回は、エレクトロニッククリーナーを使用。これ、脱脂にもいいですよ。

 1)モーター側のプーリーの脱脂
   モーターの軸受けの方にスプレーをかけない様に、注意してちょろちょろと出してくださいね。

 2)伝達側のプリーも脱脂
  こちらは思い切って吹きかけましょう。

 3)歯ブラシで念入りに
  シリコンオイルはとてもしつこいので、スプレー後、しっかりと歯ブラシでシリコンオイルを落とします。

8.ベルト交換
 最後にベルトを交換。前回ベルトを交換したときに、2本余分に買っておきました。このベルト、1本200円もするんですよ。

 今回は、念には念を入れて、ベルトを2本構成にしました。
 これなら多少膨潤しても面で摩擦を発生させる事が出来るかもしれません。

9.組み立て、開閉テスト
 モーターAssyを組み立て、ユニットを基の位置に戻し、そしてネジ止めする前に開閉テストを実施します。今度はスムーズに開閉するようになりました。

10.現役復帰
先日より、CDD-1650ARの音がおかしいので、試しにDCD-3300で聴いてみると、結構いい状態なので、今日から、ラックのメイン位置に設置し、現役復帰となりました。

やはり、『いい物はいい!。』これからも末永く使用させてもらいます。