AMECO Pri-AMP PT-3の修理 −Final−

おはようございます。Tomです。さて、昨日から始まったAMECO製 HF帯プリアンプ PT-3の修理ですが、本日は、1μFの電解コンデンサを交換し清掃して終了するつもりでした。とこが、様々なハプニングに見舞われました。最終的には修理できましたので、十分にメンテは完了したと思います。

それでは、本日の修理の記事をご覧下さい。

1.昨日のおさらい
 まず、このプリアンプの故障の症状は、電源が入らないと言う事でした。昨日は、電源ラインに入っている電解コンデンサ220μFのコンデンサを交換したところ、電源が入るようになりました。そこで今日は、1μFの電解コンデンサも交換するところから始まります。

2.電解コンデンサを交換したら・・・・・あれ?
 電解コンデンサを交換し、いつもの様に基板の裏側をエレクトロニッククリーナーと歯ブラシで清掃。

十分に乾いてから電源を入れて確認・・・・・・おや?電源が入らなくなりました。ちょっと背筋に寒気が走りました。さっきまで動いていたのに・・・・。
オシロスコープで電圧を見てみると、昨日の様に電源SWをONすると、電圧が0Vに落ちてしまいます。でも、電源ラインをテスターで見ても、ショートしているわけではありません。トランジスタダイオードがNGなのか?


3.トランジスタダイオードを点検

トランジスタダイオードを点検したところ、MPS6057という小信号トランジスタがNGでした。

でも、こんなトランジスタ見たこと無いし聴いた事もない。そこでWebで検索してみると、ありました。NPNのトランジスタの様です。
http://www.datasheetcatalog.org/datasheet/on_semiconductor/MPS6507-D.PDF

4.トランジスタを交換
スペックシートを見る限り、2SC1815の方が高性能であるようですので、ストックしてある2SC1815に交換しました。(ピンアサインは全く異なりますので、注意してね)
そして、電源ON!・・・・・・それでもダメです。

5.半田のショート確認と、再半田
まず半田ショートをルーペで確認。その後、基板の裏側を端から再半田処理を行いました。
どこが悪いのかを、突き止めるためにも、1ブロックごと再半田し、電源の確認を行います。

6.問題の箇所を発見!
 リレーの周りを再半田をした時、なんと電源が入るようになりました。『ここかーっ!』やれやれ、ホッと胸を撫で下ろしました。ところが、プリアンプを手に持って、テーブルにおいた途端、電源がまた入らなくなりました。これは基板ではないようですね。

どうもACアダプタのコネクタが臭そう。これを少し回転させると、電源が入るようになりました。『実はここだったんだ・・・・。』このコネクタの接触不良でした。

接点復活剤を塗布し、何度もコネクタを回転したり、抜き差しをして接点を復活させたところ、電源はちゃんと毎回入るようになりました。

7.スイッチ、VRなどの接点をメンテナンス
ロータリースイッチがかなり渋くなっていますので、そこに接点復活剤を塗布。このロータリーSWは密閉式なので、ボール部に塗布し、スムーズに動くようにするために使用。

そしてボリュームには、エレクトロニッククリーナを塗布し、接点のガリを解消。

8.最後に基板を清掃・・・・ゲッ!
 ロータリースイッチに接点復活剤を慎重に少量塗布しましたが、少し基板に飛びましたので、エレクロトニッククリーナを塗布し、基板の上を脱脂、そしてそれをふき取る時、R12の抵抗が真っ二つに割れました。(正確には2:8かな?)


9.抵抗値をマイクロスコープで確認
ここも壊れていたのか?さあ困りました。
抵抗が小さくてよく読めません。そうかその為にマイクロスコープを買ったんだ。


抵抗値は、100Ωでした。

10.抵抗を交換して修理完了。
ストックしてある抵抗を交換して、終了です。

11.最後に清掃をして、実機確認。
最後にもう一度清掃をして、HF機に繋げ、アンプが増幅してくれるかを確認します。
確認結果、ちゃんと増幅してくれているようです。

あとがき
やはり、部品がストックしてあるのは非常に心強いです。
そして、部品を整理してあると、すぐに取り出せとても助かります。
ちなみに、壊れた抵抗をテスターで測ったら、やはり約20Ωと約80Ωの比率でした。(笑)
でも本当です。