クリスキットの基板を使ったパワーアンプの製作 −その10−

おはようございます、Tomです。さて、今回製作しているクリスキットの基板を使用したパワーアンプは、調整も終わり、配線もキチンと整理しました。こうやって見ると仕上がりは、下記の通りで、結構かっこいいでしょう?

さて、問題の音出しです。どんな音が出るんだろう?

1.入力とスピーカーの接続
  入力は、DCD-3300からの音声を、いったん自作プリアンプを通し、音量が調整出来る様にしてから、本アンプに接続します。
  スピーカーは、いきなり飛ばすといけないので、壊れてもいい昔のラジカセのスピーカーを使用します。このどうでも良いスピーカーは1個しかないので、型チャンネルずつ確認して行きます。

2.音の確認 

 1)右チャンネルの音声確認  
  さあいよいよ音出しの開始です。スピーカーを右側に接続し、プリアンプの電源を入れ、次にパワーアンプの電源ON!
  瞬間『ポン!』というPOPノイズが出ます。このアンプにはプロテクション回路を入れていないので、この音は想定内です。
  ボリュームを徐々に上げてゆきます。すると元気の良いマライア・キャリーの歌声が聴こえて来ました。どうでも良いスピーカーなので、低音も出ず、それなりなのですが、結構スッキリした音のように聞こえます。

 2)左チャンネルの音声の確認・・・・・・・?   
  いったん電源を切り、今度は左チャンネルにスピーカーを繋ぎ、再び電源ON!
  POPノイズがして、その後、徐々にボリュームを上げてゆきます・・・・・あれ?
  音が出ません。おかしい!

 3)入出力信号の切り替え  
  入力信号を入れ替えても、音が出ませんので、それ以降の問題です。今度は、一度電源を切り、再び右チャンネルにスピーカーを接続しました。
  電源ON!そしてボリュームを上げて行きました・・・・・が今度は右側も音が出なくなりました。おかしい・・・・?


3.スピーカーフューズの確認
 先ほどまで音が出ていたのに急に出なくなったので、いったん電源を切り、スピーカーのフューズを確認した所、左右どちらのフューズも切れていました。これが音が出ない原因です。でも、なぜ?

4.自分なりの解析
 自分なりに解析してみると、−30Vの電解コンデンサの放電が遅いために、下記のロジックでフューズが飛んだと思われます。

 ① 最初の電源ONは問題なし。(電解コンデンサに充電されていない為)
 ② 右チャンネルの音声確認。OK→電源OFF
 ③ 左チャンネルにスピーカーを付け、電源ON。
   この時に、まだ-30Vの放電がしっかりしていないため、+30V側と電圧がアンバランスになっている状態で電源がONされた為、フューズが飛んだ。
 ④ 今度は、スピーカを右チャンネルに接続し、また電源をON。この時も③同様アンバランスの状態で電源が入ったため、フューズが飛んだ。

【原因】
何故、マイナス電源が放電しないのか?原因を考えてみる。

1.基板のトランジスタが働いていないのか?
 予測としては、基板だとは思えない。なぜなら、基板だとしたら、2枚中2枚の回路の トランジスタが働かないとは思えない。また、少なくとも上記①ではちゃんと音声が出 ている。

2.電源ルートのどこかのGNDがうまく落ちていない?
 おそらく、これだと思う。
 ①GNDは、ハムノイズが出たら徐々に強化しようと思い、一点アースにしていた。
 ②もし、GNDの浮きが原因なら、マイナス電源が放電しないのも理解できる。
  また、基板が悪くないという事にも説明がつく。

【対応策】
原因が明確ならば、対応策も早い。

対策は、下記の2つ。

 1. GNDの再点検と、強化(多点アース)を実施する。

 2. オプションとして、あまり入れたくはないが、スピーカー保護として、
   プロテクション回路を入れる。または、放電回路を入れる。

今後は、これを実施しましょう!
音が聴けるまでちょっとお預けですが、我慢しましょう!