IC756の修理 ―その2―

おはようございます、Tomです。昨日は、春一番のような強い風が吹き荒れました。そろそろ東北にも春の到来が感じさせられますね。

さて、昨日、IC756の修理の記事を掲載しました。結果、この修理は、なんとか周波数が読めるくらいまで液晶の表示が回復しましたが、どうも修理が中途半端です。Tomとしては、もう少し深く突っ込んで、それでもダメなら諦めたい。そんな気分でした。そこで、今回はもう少し、トライをする事にしました。

1.フロントパネルのバラシ
  今回は、操作パネルの液晶部分をもっと掘り下げなければなりません。そこで、まずはフロントパネルからバラシを行います。

 1)つまみのノブを取り除く
  パネルを取り除く場合は、たいていボリューム類の摘みの取り除きからスタートするのが基本です。
 

 2)VFOのつまみを取り除く
  次は、一番大きいいVFOの摘みを取り除きます。通常六角ボルトの穴があるのですが、このつまみにはありません。そこでつまみ自体を引っ張ってみたら、ゴムが外れ、その下に六角ボルトの穴がありました。

 3)マイクコネクタの取り外し
  そしてマイクコネクタの取り外し。これも定番です。しかし、このコネクタの丸型ナットは何とかならないものでしょうか?これに合うレンチがないんですよね。ましてや、これだけのために特殊レンチを買う気もありませんし....。何とか、細いラジペン(100円ショップ品)で対処しました。

 4)フロントパネルが外れました
  部品を取り除き、そしてカバーのラッチを外すと、フロントパネルが取れてきました。

2.パネルのシャーシーの部品の取り除き 
  今度は、フロントシャーシーについているボリュームとヘッドフォンコネクタを取り除きます

 1)ボリュームのナットの取り外し
  基板直付のボリュームのナットをシャーシーから取り除きます。

 2)ヘッドフォンコネクタの取り除き
  次にヘッドフォンコネクタもシャーシーから取り除きます。

3.パネル裏の基板の取り外し
 これまでの準備作業は、すべて液晶基板の上にあるパネル裏基板を取り外すためのもの。いよいよ、パネル裏基板の取り外しにかかります。

 1)基板の取り付けネジ除去

 2)基板のリボンケール除去

 3)Sメータの端子ハンダ付け除去
 Sメータは、基板に直付されていますので、このハンダを取り除きます。

 4)基板が取り外せました。

5.液晶ドライブ基板のハーネスの接点復活
 前回の修理でドラブ基板へのリボンケーブルの接点復活で、状況が改善されましたので、今回は、そのリボンケーブルの反対側(液晶ドライブ基板側)の接点を磨きます。おそらくTomが出来るのは此処までです。

1)リボンケーブルを外す
 液晶ドライブ基板のリボンケーブルを外します。

2)リボンケーブルの接点を磨く
 リボンケーブルの接点をエレクトロニッククリーナーで磨きます。
 

6.仮組みして確認する
 Tomとしては、表示の筋は液晶のドライブ基板と液晶本体の接点が悪いのだと思っていますが、この液晶はグラフィックですので非常に精密に出来ており、これ以上手をかけるともっと見えなくなってしまうおそれがあります。そこで、此処までのところで仮組みをして、確認します。仮組みをすると言っても、これまでの工程をまた元に戻るので、結構面倒です。

 結果、やはり予想取り、これ以上の改善は難しいことが判りました。


7.全体を総組立する 
 仮組みで状況が改善されないことが分かりましたので、これ以上は無理をせず、すべてを組み上げました。そして、最後の動作確認です。最初の修理の所で状況は止まっていますが、修理前は周波数表示が見えなかったのが、現在は見えるようになっているので、何とか使用には耐えるでしょう

8.あとがき
 ネットでも調べてみましたが、IC756のユーザーはみんなこの液晶の故障に苦しんでいるようです。メーカーとしては製造打ち切り後7年を経過しているのでサービス部品を打ち切り、既に在庫もない状態の様です。最悪、オランダ製の液晶を輸入する方法もあるようですが、どうでしょうか?
 この無線機は、PCのシリアルポートからコントロール出来るアクセサリー端子が出ているので、これでPCからコントロールする方法を考えたほうが懸命であると思います。もう少し、代替手段を考えてみたいと思います。