おはようございます、Tomです。日増しに暖かくなってきて、東北にも春がおとづれて来ています。庭の梅の木がやっと開花しました。今年は、梅と桜が一緒に咲く感じですね。
さて、今日の話は、先般液晶ディスプレイの修理を施したIC756と言う無線機のその後の話です。
この無線機、本体はなんでもないのですが、表示パネルのがNGというだけでは、あまりにももったいない。しかも、何とか周波数表示は見えるようになりましたが、これ以上の液晶ディスプレイの修理は無理である状況なので何とか別の方法はないものなのか?と考えておりました。
1.PCとインターネットによる無線機の遠隔操作
そう言えば、最近インターネットの発達により遠く離れた場所から、無線機をコントロールする遠隔操作が流行り始めている様です。
田舎に住んで知る私たちには、あまりピンとこない事で、個人的には、途中にインターネットを挟んで会話するんだったら、もう無線で会話せずに、スカイプで話せば?等と思うのですが、都会のマンションに住んでいらっしゃる方には、アンテナを立てれないという状況は非常に深刻な様です。
その方たちは、田舎の実家に大きなアンテナを立て、無線機とPCをそこに置き、都会のマンションからPCとインターネットを使用して無線機をコントロールするという解決策は非常に朗報であるという事なのでしょう。
2.PCのインターフェース
PCを使用して、無線機をコントロールする方法は、かなり昔からあって、私が開局した約20年前には既に存在していました。その当時、PCはMS-DOS、インターフェースはRS-232Cで行う方法でした。当時は、面白そうだとは思いましたが、インターネットも発達していなかったので、『なんでわざわざPCから無線機をコントロールしなくてはならないの?』と感じるくらい、使用用途が不明だったのです。
3.インターフェースケーブルの借用
そのようなわけで、Tomはそのインターフェースケーブルを持っていませんでした。そこで、持っていそうなローカルさんや会社の方に聞きまくりました。そしたら、お友達のSonoさんが持っていらっしゃることが分かり、先般借用してまいりました。これがPCとのI/Fです。一本のケーブルは、USBからRS-232Cに変換するケーブル、そして、CDはそれをドライブするドライバ。そしてもう一本は、RS-232Cから無線機のアクセサリ端子(DINコネクタ)に接続する変換ケーブルです。
4.ICOMの無線機に接続・・・・・・・あれ?
このケーブルは、KENWOODの無線機に使用されていたということですが、ICOMも確かDINコネクタだったと思います。そこで、リアパネルのコネクタを確認したら、あれ?同じDINコネクタでも、KENOWOODは6P DIN、ICOMは8P DINの様です。これでは、接続が出来ません。
いろいろと調べてみると、インターフェースは各社異なるし、一社の中でも無線機間で異なることが判りました。
http://nksg.net/usbif4cw/rigio.html#k_fsk1
なんで業界でインターフェースを統一しないんだろう?と痛感しました。PCの世界では考えられないですね。やはりIBMのDOS/V規格はエライ!
仕方ないので、まずは自分の無線機(KENWOOD:TS-850)で確認することにしました。
5.ケーブルのドライバのインストール
USBをRS232Cに変換するケーブルには、ドライバが必要ですので、まずはドライバをインストールします。
6.PC リモートソフトのダウンロードとインストール
次に、PCから無線機をコントロールするためのリモートソフト(Ham Radio Deluxe:フリー)を下記のサイトからダウンロードして、インストールします。リモートソフトは、ICOMなどで専用ソフトが89000円で販売されていますが、このHam Radio Deluxeはフリーなので、非常に助かります。
<ダウンロードサイト>
http://www.hrdsoftwarellc.com/
7.TS-850へケーブルを接続
I/FケーブルをPCのUSB端子と無線機の6P DIN端子へ接続します。
8.Ham Radio Deluxeを立ち上げコネクトする。
さあ、準備は整いましたので、Ham Radio Deluxeを立ち上げて見ましょう。
1)RS-232Cのディテクト
ソフトが立ち上がると、最初RS-232Cの通信速度のディテクト画面が現れます。ここでAutoディテクトにしてみるといいでしょう。古い無線機なので、通信速度は最低の4800bpsでしかつながりませんでした。これでも十分です。
2)Ham Radio Deluxeの画面が立ち上がる
通信が成立すると、下記のようなHam Radio Deluxeの画面が現れます。
9.動作確認
動作を確認してみましょう。
PC側の周波数やスイッチをいじると、きちんと無線機側で切り替わるようです。
また、無線機側を操作すると、PC側の表示も多少タイムラグはありますが、きちんと同期することも確認できました。これはなかなかいけますね。
これで、PCによるリモートの確認が出来ました。今後は、RS-232C→ICOMのケーブルを製作して、ICOMで確認すればOKです。