カラオケアンプの修理 −FINAL−

おはようございます、Tomです。昨日は、日中日が差し、家のひだまりにいると、暖房なんて要らない様なお天気でした。

さて、カラオケアンプの修理も、いよいよ大詰めです。これまでの本来の問題点2つは、解消しました。あと一点残っているのは、修理途中で音が歪んで来て、最後は高音部しか聞こえないという状況になりました。
LINEのアンプも、マイクアンプもOKになりましたので、次は、プリ+トーンアンプを中心に見てゆきたいと思います。

1.発振器(ファンクションジェネレータ)の準備
 音声の信号を追いかけるには、やはり発振器があると便利です。以前、iphoneのフリーのアプリがあり、とても便利であると思いましたが、フリーなので、ボタンを押下している間しか発振しません。そこで、そのソフトの有料版Oscillatr Proというアプリを購入しました。このアプリの価格は850円と少々高いですが、ファンクジョンジェネレータが850円で購入出来たと思えば非常にお得ですね。

2.プリアンプ周りの信号の出入りを知る
 プリアンプの解析をするためには、その前後の基板(マイクアンプ、スーパーエフェクター)とのつなぎの状況を確認する必要があります。そこで、マイクアンプ基板を取り除き、その後、スーパーエフェクターという基板も取り除き、接続の状況を確認しました。

下記写真が、プリアンプ(トーン回路あり)の基板です。


3.プリアンプ基板を入力から順に確認する。
 いよいよプリアンプ基板の中を一つずつ順を追って確認して行きます。
 ここで使用されているオペアンプはNJM2114で、縦型のシングルインラインのものです。データシートは下記をご覧ください。

http://pdf1.alldatasheet.com/datasheet-pdf/view/7260/NJRC/NJM2114L.html

 1)基板の電源を確認
  まずは、一番大事な電源が来ているかどうかを確認しました。
  結果、±16v、-9が来ており問題ありませんでした。

 2)初段のオペアンプの出力確認
 入力コネクタを通り、まず最初のオペアンプがあります。ここでは、信号がきちんと出ておりました。


 3)TONE回路のオペアンプの出力確認
 次は、トーン回路(BASS、TREBLE)のオペアンプの出力を確認しました。
 結果はここもOKです。トーン回路のボリュームにもガリは有りませんでした。


 4)次はライン出力バッファアンプ
 トーン回路の後は、LINEのレベルを決めるVRがあり、後にバッファのオペアンプがあります。
ボリュームを絞った場合

ボリュームをあげた場合

 
 5)LINEのボリューム
ここは、ライン入力の音量を決めるボリュームです。ここも問題なしです。


 6)増幅回路 
 続いて、2段続いてオペアンプがあり、ここでは増幅をしています。
 ところがこの出力は、スーパーエフェクターの基板に行っていました。
1個目のオペアンプ
 
 

2個目のオペアンプ
 
 

 7)バランス回路へ
   4)回路の前段からマイクアンプ基板の端っこに位置しているバランス回路へいっています。
   ここではバランスのVRのみ通り、またこの基板に戻ってきています。
   ここもOKです。

 8)メインボリューム
  バランス回路からお信号は戻ってきて、最後にメインボリュームを通り、最後の出力となっているようです。

 8)組み立て直して確認
 プリアンプを確認した限りでは、どこも悪くないように思えます。
 スーパーエフェクターの基板とマイクアンプの基板は取り外していたので、これらを接続して、実際にトータルでもう一度確認しましょう。

4.プリアンプの出力は正常でした。
 組み立てて、プリアンプの出力を確認した所、問題なく正常でした。


5.スピーカーで音声を確認
 プリアンプの出力が正常でしたので、もう一度、スピーカーを繋いで確認しました。
 しかし、結果はNGです。
 どうもおかしい・・・・・・・。
 試しに、スピーカー端子にオシロのプローブを当てると、問題なく出力が出ています。
 益々怪しい・・・・・なんだこれは???
 もしかして、スピーカーか?

6.スピーカーを変えて確認
 いつものジャンクスピーカーから、パイオニアのPE1010に変えて音声を確認!
 すると、綺麗に出力されているではありませんか?
 マイクの音声も問題なし、エコーも問題なし。
 なんだ、スピーカーだったの??


7.スピーカーをバラして導通を確認
 ジャンクスピーカーをバラして、フルレンジスピーカーのみにして。抵抗値を確認してみました。このスピーカーの抵抗値は、なんと無限大でした。

恐らく、色々と不具合を検査している時に、マイクの音声から過大な音声が入り、スピーカーが飛んだものと思われます。
幸いツイーターは、コンデンサで低域をカットしていますので、無事だったので、広域の音声しか出てこなかったという訳です。
なーんだ、もっと早く気づけば良かった。でも、それが判らなかったから、このアンプを知り尽くしたのだと、逆に感謝します。

8.アンプを組み直す
結局、歪の原因は、スピーカーが壊れたことでした。そこで、1時間ぐらいほんとに大丈夫か音声を流し続くて確認しました所、問題なしでしたので、最後にアンプを元に戻します。

 1)基板のボリュームをシャーシに固定する。
 

 2)配線を結束バンドで整理する。 

 3)パネルを取り付け、ボリュームツマミを取り付ける 
 
 4)カバーを取り付け完成!

約4日間でカラオケアンプの修理が終了しました。大満足です。
今度のレッスンの時に先生に差し上げようと思います。