おはようございます、Tomです。昨日は日曜日でしたので、朝1時間ウォーキングしました。ウィークデーは30分、休日は1時間のウォーキングというのがバランス的によさそうですね。まだ続けていますよ〜。
さて、昨日は久し振りに時間が取れる週末でしたので、先日から始めているビデオの修理を行いました。前回までは、基板とハーネスにタグを取り付け、基板を取り出し、マジックリンで洗浄、その後乾燥で終わっていました。
今日から、いよいよ本格的な修理になります。
1.基板をセットアップ
まずは、洗浄した基板を元に戻し、故障の症状が再現するかどうかを確認します。
先日、基板とハーネスにタグを貼り付けたので、とても楽にコネクタを見つけることが出来ます。
基板を車のボンネットの様に、プラスチックの棒でつっかい棒の用にしてセットします。
動作を確認すると、前回と同様の症状となり、再現しました。
2.修理の方針を立てる。
修理の前に、まず修理の方針を立てたいと思います。
まず、このビデオデッキ製造時期は、HiFiの走りの頃のデッキですので、1983年頃のものと推測します。
この時期の製品の故障の原因は、下記の5つが大半を占めます。
① 半田が腐って接触不良となっている。
② 電解コンデンサの液漏れや容量抜け。(この当時の電解コンデンサは特にひどい)
③ 半固定抵抗の接触不良。
④ 上記の②の電解コンデンサ液漏れで基板のパターンが切れる。
④ 上記②が原因で、コンデンサがショートし、半導体が壊れる。
特に多いのは①と②ですね。
上記の内容を元に以下のような方針を立てました。何せ理屈を知らない上に、回路図が無いので、結構大変です。
<方針>
1.まずは、基板をプラスチックの棒の様な物で基板を叩き、接触不良を見る。
2.半固定抵抗の接触不良を見る。
3.基板上の古い半田を除去し、新しい半田注入し、基板と部品のリードによる接触不良をなくす。
4.コンデンサを取り出し、容量をチェックする。
5.半導体(ダイオード、トランジスタ)を取り出し、半導体をチェックする。
これらを、ビデオ出力の方から順に拡大して行きます。
回路図があれば、判りやすいのですが、それも無いので、手探りでの修理となります。
3.接触不良をみる。
1)叩いてみる。
まずは、差し当たり方針1の基板上の接触不良を確認します。
プラスチックの棒(今回は高周波ドライバ)の柄で、基板を軽く叩き、ビデオ画像に変化が無いかを調べます。
2)半固定抵抗の接触不良を確認
次に半固定抵抗に高周波ドライバを指し、押したり、ちょっとだけ回して、接触不良が無いかどうかの確認を行います。
結果、どちらも反応なしです。
4.基板の再半田を行う
基板上の接触不良や半固定抵抗の接触では変化は感じられませんでした、それでは次のステップである、再半田に移ります。
民生機器の基板は、コストダウンのため、片面紙フェノール基板ですので、両面スルーホールとは異なり、接触不良が生じやすいのです。また、当時の半田はあまり品質が良くないし、ジャンパーが多いだけでなく、ジャンパの足から酸化が始まり半田との間に入り込みそれが原因で、接触不良が起きるケースは多々あります。
再半田は、時間が掛かるので、ビデオ出力の周り(人差し指付近)から少しずつエリアを広げて、確認しながら実施します。
1)古い半田の吸い取り
まずは、古い半田を吸い取ります。このとき大事なのは、コンデンサや、抵抗は片側だけを最初に吸い取ります。一度に全部吸い取ると、部品が落ちてしまうからです。
2)新しい半田の注入
次に、新しい半田を注入します。このときも上記1と同じ様に、部品の片側を実施します。
あるエリアの部品の片方の再半田が終わったら、もう片方の再半田を実施します。
3)30分の作業
この地道な作業を続けて約30分過ぎた過ぎた所では。下記の写真の親指と人差し指との間のエリア迄しか進みませんでした。これは基板の1/8くらいのエリアです。まだまだですね。
4)60分経過の作業レベル
小一時間が過ぎました。1時間の作業の結果は下記の写真の領域です。
これはビデオ出力のコネクタがある付近と
一時間も作業して、これだけの面積です。なんと地道な作業でしょうか?
5.動作確認
ビデオ入出力付近の再半田付けで直ったかどうかの結果を得るためには、もう一度デッキ本体に基板をセットし、画像を確認するしか方法はありません。
でも、その前に、基板をエレクトニッククリーナーと歯ブラシで洗浄します。
その後、ルーペで基板のショートなどをチェックします。
基板を本体にセットして確認した結果、下記の通りでまだ直っていませんでした。
まあ、当たり前と言えば当たり前ですが・・・・・。
6.基板が腐食している?
先ほど再半田をしていると、その付近に下記のような基板が変色している箇所がありました。もしかしてこれか?
なんとなく、付近に470μFの大き目のコンデンサがあるので、これが液漏れか何かで基板が腐食したのかもしれません。
7.基板の洗浄と再半田
このエリアは、まだ何もしていないので、汚れなのかなんだかわからないものをエレクトロニッククリーナーと歯ブラシで洗浄します。これでも消えません。不思議ですね。
ここのエリアも再半田します。
8.電解コンデンサを取り出し、容量の確認
全ての電解コンデンサを交換するには非常に手間と時間が掛かるため、腐食している様な汚れが出ている箇所の電解コンデンサ(470μF)を取り出し、容量が抜けているかどうかの確認をします。
1)コンデンサの取り出し
まずは電解コンデンサを取り出します。
2)容量のチェック
次に容量計で容量を確認します。
確認結果、なんと容量抜けどころか、容量は500μF以上もあり交換する必要がありません。
9.動作確認
一応、腐食している様な場所の再半田を行いましたので、もう一度基板を本体に取り付け、確認を行います。
結果、当たり前ですが、まだ直りません。
やはり、回路図が欲しいですね。ネットで探し当てましたが、有料版であり$7.5するので、フリーの回路図が無いか、現在検討中です。
今回はここまで、次回をお楽しみに!