Microのターンテーブル DDX-1000の修理 −Final−

おはようございます、Tomです。皆さんは、週末の日曜日いかがお過ごしでしょうか?今日の宮城のお天気は、朝から雨です。でも、昨日は雨の中ゴルフをして疲れたので、今日はちょうどよい骨休めですね。やっと梅雨らしくなりました。

さて、こんな静かな日曜日ですが、Tomは、朝4:30に起きて、5:00からMicroのターンテーブルの修理をしていました。(日中はもったいないので・・・・朝仕事です。)

金曜日の時点で、45回転の調整VRの回路が常時ONしているところまで追い込んだので、後は順次トランジスタを追いかけるだけとなりました。そんな訳で、早く原因が知りたくて寝てられなかったのです。

今日は、最後まで追い込みましたので、その結果をレポートします。

1.前回のおさらい

 金曜日の時点では、下記のコントロールパネルの45回転の経路が常時ONとなっており、そのために33回転モードのフィードバック回路の33回転のフィードバック抵抗と45回転のフィードバック抵抗がパラレル(並列)接続となり、78回転レベルの回転数となっていたのを確認しました。


2.今回の方針

 そこで、今回の最後の追い込みの方針を打ち立てる事にしました。方針は下記の通りです。
 ① まず、TR58の出力を観測し、常時ONであることを確認する。

 ② 次にTR58の動作を確定しているTR55の動作を確認する。

 ③ もしOKであれば、TR58のベースに入っている回路を当たる。

 ④ もし、TR55がNG(常時ON)であれば、その上のTR52の動作を確認する。

 ⑤ TR58のベース周辺の動作が不確定な場合は、TR58のトランジスタをはずしてベース周辺の状況を確認する。

 ⑥ TR58が原因なら、TR57(33回転のTR)と交換実験を行い、トランジスタに原因が付いて回るようであれば、TRの故障と判断する。


 こんな感じかな?
 まあ、ここまで来れば、もう先は見えていますね。


3.TR58の動作を確認する。

  まずは、TR58のトランジスタの動作を確認します。このトランジスタのコレクタを見れば、常時ONになっているはずです。





 結果
 やはり、常時ONの状態でした。


4.TR55の動作を確認する。

 TR58は、常時ONであることを確認しました。それでは次にこのトランジスタを引いている、TR55のコレクタ電圧を確認します。

  

 結果

 このトランジスタは、キチンとON/OFFしています。ON/OFFが判りやすいように時間軸は1S/divにしてみました。

5.TR58のベース周辺を確認する。
 TR55はきちんと動作している事を確認しました。そうすると、TR58が悪いのか、それともそれを引いているベースが何なら原因で常に引いていると思われます。

 まずは、TR58のベースを確認します。
① R70の片側(TR55側)を確認する。

  R70の一方を確認します。これは当然TR55のコレクタの動作と一致しているはずです。



 

結果OKです。

 ② 次にR70の反対側の電圧を測定します。もし、TR55がONした場合、ここの電圧は、5.6K/(15K+5.6K)×18V=13.6Vになるはずです。


 

ところが、TR55がONしても一瞬電圧は下がりますが、17〜8Vを保っています。
これはおかしいですね。


6.TR58をはずして観測する

 TR58をはずして、TR58の影響が無い状態にして、電圧を確認してみます。


結果、TR58のベースの電圧はきちんと13.6V周辺にになりました。
という事は、TR58そのものが怪しいですね。

7.交換実験を行う

 それではTR58とTR57を交換してみて、不具合がトランジスタについて回るかを確認しましょう。

 

結果、この不具合は、トランジスタについて回ることが判りました。


8.トランジスタの検索

 DDX-1000のサービスマニュアルを見ると、このトランジスタは、2SA495というもので、スイッチングに使用しているので、おそらくTomが重宝している2SA1015で代用可能であると思われます。

 ネットで検索したら、やはり2SA1015 で代替えは可能であるようです。

9.トランジスタの交換

 トランジスタを2SA1015に交換し、波形を見てみます。


 結果
  今度は、キチンとON/OFFしている事が確認できました。
 もう動くでしょう。
 


10.動作確認

 さあ、いよいよ動作確認です。以前切断した調整VRのハーネスも元に戻します。


<結果>

 ① 45回転時

 

 

 ② 33回転時

 さあ、いよいよ33回転時の動作です。

きちんと回転していますね。


11.TR57のトランジスタ交換


 折角ですから、TR58だけでなく、TR57も2SA1015に交換してあげましょう。

もう一度動作確認

 


大丈夫ですね。

12.仕上げ

 動作が確認できましたので、組み込みに入ります。

 基板を組み込み、ハーネスをきちんと束ねます。

 これですっきり収納されました。

最後に動作も確認し、これでOKです。



今回の故障の原因は、サーボの基準電圧(リファレンス電圧)をかけている回路のスイッチングトランジスタの不良で常時ONとなっている為に起こった不具合でした。

Tomの『半導体は滅多な事では壊れない』という伝説が崩れた修理でした。
まあ、こんなこともあるんですね。
何はともあれ、修理が成功した事は大満足です。
これで、正常動作品として、ヤフオクに出品出来ますね。
楽しみです。