ケンウッド ハンディ無線機『TH-F28』の修理 −その2−

こんばんは、Tomです。今朝、今日はちょっと寒いな〜と思い、寝室のカーテンを開けたら、何とバンバン雪が降っているではありませんか?昨日の雨が雪に変わったのですね。でも、ほとんど積もる気配が無かったので良かったです。


さて、今日の話題は、先日お友達のNanさんから預かった、ケンウッドのハンディー無線機の修理です。ちょうど1ヶ月くらい前に預かったのですが、忙しかったのと、修理の波がマイナス方向に向いていたので、あまり深入りはせず、途中でやめて蓋をしてしまいました。

ところが、最近修理のサイクルがプラス目に出ているので、先週末思い切ってトライをしました。


1.早速前回のまでのバラシ
 まずは、前回バラしたところまで、バラシます。

 1)裏豚のネジをはずす 
  

  これで2つに割れました。
  

 2)フレキシブルケーブルをはずす
 

 3)電源ユニット部をバラす 

 4)ここで、前回までのバラシ終了。
 ここまでのバラスと前回までのところまで来ました。前回止めたのは、この奥のネジがドライバーではずせないことが判ったからです。
 

2.さらにバラす。
 さて、今回は最後までバラす事に挑戦します。
 その鍵を握るのは、ボリュームや、BNCコネクタを固定している部分を取り外す事です。

 1)ボリュームのナットを外す
ハンディー機のボリュームを止めている丸型のナットを、先の細いラジオペンチを使って取り除きます。

 2)BNCコネクターのナットを外す 

 3)基板を外す
 さらに一番上の基板を取り外します。

すると、ファイナルユニットが見えてきました。

このシールドケースの蓋のビスを外します。

ファイナルユニット基板を取り外すと、すべての臓物をケースからはがし取ることが出来ました。これで修理は前に進んできました。

3.外部電源を接続する
 基板はバラバラなので、バッテリーは接続することが出来ません。
 そこで、外部電源を供給します。まずはコネクタを接続し、基板のGNDとの導通を確認して、コネクタの極性を確認します。

 コネクタにDC12Vを接続し、動作を確認します。これで、基板を引きだした状態での動作は可能となりました。これが出来ると、修理は大きく捗ります。

4.スピーカーラインを遡る
 今回の故障は、スピーカーから音が出ないという故障です。イヤーフォンコネクタからラインを引き出しても音が出ませんでした。これは接触不良なんていう簡単な問題ではありません。おそらく、それを駆動しているアンプなのだと思っています。
そこで、イヤーフォンのコネクタのラインからアンプ迄遡ります。回路図がないので、この細かいパターンを追いかけるしかないのです。

 1)コネクタのパターンを見つける 

 

 2)パターンは、フレキシブルケーブルを経由して別基板へ 

 3)アンプの場所を追いかける
 別基板のパターンを追いかけます。途中、両面の裏側にパターンが走るのでスルーホールに撚り線の一本を通し、裏側のバターンの場所を見つけます。

 いよいよアンプICにたどり付きました。
 このアンプは、LM386というアンプで、8PINのフラットICでまるでOPアンプの様です。
でも、調べてみると、このアンプは利得が20倍〜200倍という特性です、直接スピーカーを駆動できるそうです。

これがLM386のデータシートです。
http://www.suzushoweb.com/pdf_file/484531e742ba4.pdf#search='LM386'

5.LM386の周辺を再ハンダする
 まずは、LM386とその周辺の部品に半田不良があるかもしれませんので、再ハンダを行います。
 

 結果、再ハンダでは、回復できませんでした。

6.LM386の電源と出力を見る。
 次に、オシロスコープで、LM386の電源と出力を観察します。

 このアンプの電源は5Vかかっていて問題は無いと思いました。
 次に、スケルチをオフしたり、受信をした時のアンプの出力を観察した所、中途半端な電圧でした。

 ちょっと怪しいですが、Tomは半導体はそんなに簡単に故障しないと思っていますので
一応、入力信号も確認しましたが、ちょっと何とも言えません。

7.LM386Mをネットで探し注文
 LM386Mをネットで購入できるかを検索しました。DIP品は沢山あるのですが、フラットICはなかなか手に入りません。やっと大阪のデジットというパーツショップで、フラットパッケージを見つけましたので、すぐに注文しました。

http://blog.digit-parts.com/archives/51556224.html

この修理は、このICが来るまで、一時中断です。
お楽しみに!