ケンウッドのハンディー機 TH-F28の修理 −その3ー

こんばんは、Tomです。今日はとても暖かい日でした。朝から7℃と、もう春かと思わせるような気温でした。Tomの花粉センサーも今日は少し反応し始めました。

さて、今日の話題は、先日から始まったケンウッドのハンディー機 TH-F28の修理です。前回は、基板をすべてバラバラにしました。今回は、そこからの始まりです。

その後、いつもコメントを頂いている、もうひとりのTomさんからTH-F28は、サービスマニュアルがあるという情報を頂きました。そうでした、いつもは真っ先にサービスマニュアルや回路図を探すのですが、今回はハンディー機だし、結構新しそうでしたので、おそらく無いだろうと勝手に思って、調べていませんでした。うかつでしたね。ネットで調べるとサービスマニュアルがすぐに見つかりました。回路図があるのと無いのとではぜんぜん違うんですよね。


1.調査のシナリオを立てる。
 さて、回路図があるので、それを元にシナリオを立てます。

 ① LM386の出力を見る
 ② 復調ICの出力を見る。
 ③ アナログスイッチの前後を見る
 ④ ボリュームの前後を見る。
 ⑤ LM386の入力を見る。

2.LM386の出力を見る
 まずはLM386の出力を見ます。
 スケルチはOFFしていますので、ホワイトノイズのようなザーッという信号が見えるはずなのですが、信号は直流で、3.6Vレベル。これでは、音声は出ません。

3.まずは、信号線を引き出す。
 ここから先は、様々な箇所にプローブを当てるので、その前に信号線を引き出すための線を半田付けします。
 
 基板はチップ部品で密集していますので、引き出し線はTomが保有している中で一番細い電線です。

これを復調ICやボリュームなどに半田付けします。

4.復調ICの出力をみる

 1)まず、復調ICの出力を確認します。
 まずは、スケルチオフの状態で復調ICの出力を見ました。結果、きちんとホワイトノイズの波形が出ていました。

 2)PTTをONしてみる。
 次にPTTをONすると、波形は無音状態を示す直流となりました。いい感じです。

 3)音声を入れてみる
 PTTをONにしたまま『アーッ』と発生してみます。するときちんと音声が復調され、波形が現れました。これで、復調ICの出力は問題ありません。

5.フィルター回路の後の信号を見る
 次はフィルター回路の後の信号を確認します。

 結果、出力は小さくなったものの、ホワイトのノイズがやわらかくなった波形が確認できました。コンデンサーでDCもなくなり、GND基準にAC分のみになりました。

 1)スケルチオフのホワイトノイズ

 2)PTTスイッチONの状態

 3)音声を入れる

6.アナログスイッチの後の波形
 アナログスイッチの後の波形も、フィルター回路と同じ波形でしたので、スイッチも問題ありませんね。

7.VRの後の信号
VRの後の信号、つまりLM386の入力信号です。これも問題ありませんね。

ここまで来ると、LM386が問題であるというところまで絞り込めました。

8.いや、待てよ!
その前に気になった事がありました。確かにLM386の出力もおかしいのですが、ちなみに電源を見たところ、2.5Vレベルでした。

回路図には6.5Vと書いてありますので、電源もおかしいのです。次回はICを注文して、電源も確認しましょう!