アイコムのIC-275の修理 −その2−

こんばんは、Tomです。昨夜から久しぶりに雨が降りました。そして今朝も少し小雨がぱらついていましたが、日中はまた晴天になり、とても良い天気になり、とても嬉しいですね。

さて、今日の話題は、先日行ったアイコムの2mオールモード機IC-275の修理の続きです。先般は、FINALがNGであることが分かりましたが、FINALが手元にないため、ばらした状態で置いていました。

1.FINAL(パワーモジュール)を譲ってい頂く。
 とにかく、替えのFINALがないと修理は先に進みません。そこで、会社の先輩であり、ローカルのお友達のSonoさんに電話をして、三菱のFINALユニットM57713をお持ちかどうか尋ねてみました。すると回答は、M57713はないけど、M57715(FM)とM57727(FM/SSB:30W)は保有しているとの事。
 そこで、早速会社の帰りにSonoさんのご自宅に訪問し、FINALユニットを受け取ってきました。
Sonoさんは、FINALの他にFINALの特性表も用意して下っていました。ありがたい!
Sonoさんありがとうございました。

2.修理の方針を立てる
 FINALモジュールが手に入りましたので、これで安心して修理に取り掛かれます。しかし、とても貴重なFINALモジュールなので、出来るだけ無駄にしない様下記のような方針を立てました。

 1)まず、故障したFINALユニットを取り出し、中を開けてFINALユニットを観察する。
 2)FINALユニットに目視で異常があればそれを修理。異常がなければ、再半田を行い、
   接点不良を排除する。
 3)上記3)で直らない場合、そこではじめてFINALモジュールを交換する。

3.FINALユニットを取り出し分解する。
 それではさっそくFINALモジュールを取り出します。

 1)シールドカバーを外す
 まずはFINALモジュールの上についているシールドカバーを取り外します。
 

 2)FINALモジュールの足の半田を取り除きfinalモジュールを取り出す。 

 

 3)FINALモジュールのシリコングリスを取り除く
 FINALモジュールを取り出したら、FINALモジュールのシリコングリスを取り除きます。

 4)FINALモジュールのカバーをバラす
 さあ、いよいよFINALモジュールのカバーをばらします。
 カバーは、風呂場のメジを埋める為のシリコーンシーリング材でシーリングされています。そこで、このシーリング材を精密ドライバーなどで取り除きます。                         


 
ついに、FINALモジュールのカバーが取り除くことが出来ました。

3.FINALモジュールを観察する
 それでは、拡大鏡を使ってFINALユニットの状況を観察します。

観察してみると、セラミック基板は割れていませんでした。

4.FINAモジュールの再半田を行う
 外観は大丈夫なので、FINALモジュールのチップ部品を再半田します。
再半田するときには、後ろのヒートシンクを、別の半田ごてで温めて、ハンダ付けします。こうしないと、ヒートシンクに熱が奪われて半田ごてが基板にくっついてしまいます。

再半田が完了しました。


5.動作確認
FINALもジュールの再半田をしましたので、動作を確認します。

まずは、先ほど再半田したFINALモジュールを基板に取り付けます。

次に無線機に電源を入れて、送信してみます。

モニタの無線機では、OKなのですが、本体のパワーメータはピクリとも動きません。

結果、出力はNGでした。これは、FINALモジュール前段のドライバー迄は動いていますが、肝心のFINALが動いていないという状況ですね。

これで、FINALモジュールが本当にNGであるという事が分かりました。
次回は、FINALモジュールを交換します。
お楽しみに・・・。、