LINNプリアンプ 『KAIRN』の修理 −その5(FINAL)−

こんばんは、Tomです。今日は連休明けの初日です。今日は、朝霧が濃かったのですが、日中は汗ばむくらい天気の良い日でした。今週の宮城県は、比較的安定していますね。

今日の記事は、昨日ご紹介しました様に、KAIRNの修理の最終記事です。もしかすると、もう20年間は壊れる事がないかもしれませんので、本当のFIANLとなるかもしれません。なーんてね。

さて、昨日の記事では、ついにKAIRNのメイン基板の再半田までやってしまいました。
そうなると、後はGNDの強化と電源のノイズ処理ですね。今日はその記事になります。

1.GNDの強化
Tomの電気回路における座右の銘は、『GNDは一番大事。GNDを怠ると足元を掬われる』です。
何と言っても基準となるGNDが一番大切なんです。なので、まずはGNDの強化を行います。

1)電源の入り口のGND強化
まずは、100Vの電源のインレットからすぐにGNDがシャーシーに落ちるところから対策します。

このネジを外し、そこに、菊座をいれてサンドイッチにします。

これで、電源の入り繰りのGNDは完璧です。

2)GND端子から基板へのハーネスを増やす。
次に、リアパネルのGND端子から基板に落ちるハーネスの本数を増やし、フロントパネルのシャーシーとのGNDを強化します。



①ハーネスを作る

基板のGND端子から2股になるケーブルを製作します。

② 1本のハーネスをリアパネルに接続する
2本のハーネスのうち1本を従来通りリアパネルに取り付けます。この時も先ほどと同じように菊座サンドを行います。


③ もう一本をフロントパネルのカバーに設置
そして、もう一本はフロントパネルユニットのシールドカバーに取り付けます。この時も菊座をサンドイッチにして取り付けます。

2.電源のノイズフィルター
KAIRN Proでは従来のトランスの電源からスイッチング電源に変わっています。このスイッチング電源にすることで、音が良くなっているそうです。
Tomのアンプもこれにならって2台スイッチング電源で製作しました。
でも、スイッチング電源はやはりスイッチングするのでノイズは付き物です。基板を取り外す為に何度もスイッチング電源の取り外しをしていたら、電源の出力線が長い事に気付きました。

若しかして、これはここにコアを噛ませる為の余分な長さなのでは?と思いました。
そこで、折角ですので手持ちの大きなコアに1ターン巻いてみたら、なんとピッタリの長さでした。

3.フロントパネルのGND強化
フロントパネルを取り付けますが、その取り付けネジにも菊座を取り入れました。

4.組み立てがほぼ完了!

これで、Topカバーを除くすべての組み立てが終了しました。

これに、Topカバーを取り付けますが、Topカバーの4本のビスの内2本には菊座を取り付けました。もうこれでGNDは完璧でしょう!

5.動作確認

基板の再ハンダの目視確認は実施していますが、電源を入れるのは今回が初めてです。
スイッチオン!
大丈夫の様です。

その次は、耳で確認してOKであるかどうかを確認します。
確認には、最小構成で行います。それにはTomが製作したヘッドフォンアンプが最適です。

6.カバーを清掃して終了

後は、カバーにツヤ出しのマジックリンを塗布することで、ピカピカのKAIRNが登場します。

外観は、他のLINNのKAIRNと同じ感じですが、中身はGNDが強化され、且つノイズ対策が施されたものです。
これで、あと20年はノーメンテで使用可能だと思います。思い切ってオーバーホールして良かったです。