ICOM 2mオールモード無線機 IC-275の修理 シーズン2 −その5−

こんばんは、Tomです。今日は4連休明けの月曜日。霜は降りなかったものの、4連休の春の陽気とは一変して、冬が戻ってきた感じです。やはり春はまだですね。

さて、4連休で実施したIC-275の修理は、その5まで来ました。今日はどの様な展開が待っているのでしょうか?

1.計測器の準備
今回の修理の原因は一つ取り除きましたが、これからは、調整も含めてメンテナンスしてゆきます。そこで、Tomが保有していない周波数カウンタをお友達のKamaさんからお借りしてきました。

これとオシロスコープ、そしてリファレンス(比較用)のIC-275があれば、原因を発見出来そうです。

2.Tomの予想と方針

さて、Tomの予想ですが、以前の修理で、基本周波数はきちんと出るようになりました。でも、送受信が出来ないということは、PLLロックが出来ていないという予測を立てました。
そこで、サービスマニュアルのPLL調整を行うことを修理の方針としました。

3.PLLの調整
それでは早速PLL基板の調整を行います。
調整は、サービスマニュアルのPLL調整マニュアル、そして、リファレンスのIC-275の信号と比較しながら作業を進めます。

1)基本周波数の確認

 まずは基本周波数30.720MHzの確認を行います。

 ①リファレンス機

 ②故障機


基本周波数は、どちらも大丈夫ですね。

2)マルチプライヤー出力レベルの確認

 次にマルチプライヤーの出力レベルの確認です。

 これも大丈夫です。

3)DDSのクロック

 続いてDDSのクロック周波数の確認です。

これもきちんと5.24288MHz出ています。

4)LPLロック電圧

いよいよLPLのロック電圧の確認です。

①リファレンス機
144.480MHz:1V

144.4790MHz:2V


② 故障機
144.480:5V

ここでリファレンス機との違いが出ました。どうやらここがおかしいようです。



5)LPLロック電圧の調整

それでは、この部分の回路図を見てみます。

調整は、このトリマーコンデンサで行います。

これを調整します。

調整結果きちんと正常な電圧になりました。

144.480MHz:1V

144.4790MHz:2V

おそらく、ここでPLLロックはきちんとロックされたと思われます。



6)サブループアウトプット電圧

最後にサブループアウトプット電圧を確認します。
だいたい1VP-P出ていればOKです。

①リファレンス機

②故障機

多少電圧が異なりますが、約1Vなので、問題はないでしょう。

4.動作確認

この状態で、パワーユニットとスピーカー、そしてアンテナを繋ぎ動作を確認しました。

1)受信確認

まずは受信確認ですが、きちんと受信が出来るようになりました。



2)送信の確認

次にマイクを接続し、送信も確認しました。送信もきちんと出来るようになりました。

3)SSBの確認

TM-255を受信機にして、SSBの確認も行いました。結果、キチンとマイクの音声の応じて出力も出ていますし、TM-255でも音声を確認出来ました。

やれやれ、これで故障は全て直りました。
めでたしメデタシ!
次回は、最後の仕上げです。
お楽しみに!