ONKYO Integra M-506RS −その11

こんばんは、Tomです。今日も一日曇り空でパッとしない天気でした。でも、午後には少しお天気になり、蒸し暑くなりました。早くカラッとした天気になって欲しいものです。

さて、Onkyoパワーアンプの修理も、10回目を超して−その11−を迎えてしまいました。
前回はメーターアンプの故障個所がわかり部品を発注したので、今日はそれを取り付けて確認します。

1.ツェナーダイオードの交換
それでは早速ツェナーダイオードを交換します。
これが、交換用の22Vのツェナーダイオードです。

これを交換します。

2.仮組み立て
そして、基板を元に戻し、パネルを仮組します。なぜ仮組か?それは、これで完全に直るかどうかわからないからです。


1)基板の固定

2)アンプメーターの電源ハーネスの接続

3)電源スイッチを絶縁テープで保護
電源スイッチは取り付けると大変なので、絶縁テープを巻いて、フリーにします。

4)パネルユニットの仮組
パネルユニットはビス2本のみ取り付けます。GNDがつながっていればOKです。
電源スイッチもシャーシーの脇から出しています。

3.電源を入れ−22Vの電源ラインを確認
それでは電源を入れ、−22V がきちんと出ているかを確認します。

1)電源ON

2)オシロスコープでOPアンプの電源を確認する
①プラス電源:こちらはきちんと+22V出ています。

②マイナス電源:

こちらは-7Vくらいしか出ていません。
どうしてなんだろう?

3)部品の確認
本当に22Vのツェナーダイオードなのでしょうか?
マイクロスコープで確認します。

確認結果、F4748と書いてあります。

これはフェアチャイルドの22Vのツェナーダイオードである事が確認できました。
やっぱり部品は大丈夫ですね。

4.一応動作確認
これでも一応は動作するかもしれません。

1)メーターに配線
まずは、メーターに配線をして、動作するかどうかを確認します。

2)オフセット調整
マイナス電源が本当でないので、当然オフセット調整が必要です。

これでオフセット調整が出来ました。

3)音声信号を入れて動作確認
iPhoneから音声データーを入れて、メーターの動作を確認します。なかなかいい感じです。

5.ほかの原因を探す
なんとなくは動きましたが、なんかすっきりしません。
そこで、-22Vを得られない原因を探します。
下記の回路図から考えると、トランジスタの脇にあるダイオードが怪しいです。

これを調査しましょう!

6.ダイオードの生死確認
このダイオードを取り出しました。

テスターで生死を確認します。

すると、正逆両方とも導通がありますので、これはNGです。

7.ダイオードの交換
回路図を見ると、このダイオードは1S2076Aという1Aの小信号ダイオードです。

手持ちのダイオードがありますので、これに交換します。

8.電源の確認
さあ、なんだか面白くなってきました。
また仮組して動作確認です。

まずは+22Vの確認。これは当然OKです。

そして、いよいよ̠ー22Vの確認です。

結果、−21Vですが、回路図でもー21VとなっているのでOKです。

9.動作の確認
さあ、いよいよ動作確認です。

1)電源ON
さて、電源を入れます。電源ON!

予想通り、オフセットはプラス側に振れています。

2)オフセット調整
半固定抵抗でオフセット調整を行います。

3)左右のバランス調整
入力ボリュームを全開にして、iPhoneのオシレータアプリから1KHzの信号を入れ、左右のバランスを行います。以前左側のレベルを弄ってしまっているので、右側を基準にして、左側を調整します。

最後に、もう一度音声を入れて動作を確認します。

成功です!
これで完全に直りました。
後は、メイン基板の電解コンデンサを交換して、パワートランジスタのシリコングリスを塗りなおすメンテナンスで終了です。
お楽しみに!