LINNのプリアンプKAIRNの修理 シーズン5−その9−

こんにちは、Tomです。昨夜は台風18号が東北を通過してゆきました。Tomの地域ではあまり大きな影響はなかったようです。台風一過で、今日は朝から天気が良いですね。

さて、昨日に引き続きKAIRNの修理の記事をレポートします。昨日の記事では、操作部のコントロール基板がついに復活しました。
そこで、今回は、操作部の仕上げを行います。

1.GNDの強化

今回の修理で再認したのは、KAIRNの操作部のGNDパターンが貧弱であることです。これでは、パターンが腐食しても動かなくなります。そして、デジタルノイズにも良くない。そこで、まずは、このパーツを使ってGNDを強化します。

1)GND強化の小道具

これは、スタッドとユニバーサル基板を小さく切ったものです。


2)暫定ジャンパーの取り外し

まず、修理で配線した暫定のGNDジャンパー線を取り外します。

3)GNDステーションの設置

先ほどのスタッドとユニバーサル基板を基板に取り付けます。取り付け場所は、一番GND根本とフレームGNDに近いGNDのスルーホールです。探したら、バックアップ電池の場所となりました。

4)GNDステーションへのジャンパーの配線

このGNDステーションへ、IC関連や発振回路のGND線を集中させます。

これで、主要なIC関連のGNDは強化されました。

2.電池ボックスの配線

バックアップ電池の配線を行います。

3.動作確認

ここまでの作業で、一旦動作を確認します。組み上げてからNGというのは手戻りになりますからね。

電源ON!
ちゃんと立ち上がり7セグLEDもきちんと表示されますね。

そして、リモコンの動作も確認します。
ちゃんと、ボリュームやセレクタの切り替えもされているようです。

4.回線の固定

さあ、これから仕上げにとりかかります。

まずは配線や、直付けした部品をホットメルトで固定します。

こんな感じになり、ちょっと見てくれは良くないですが、振動には耐えられるようになりますし、絶縁にも効果がありますね。

5.レジスト代わりのニスの塗布
そして、基板の仕上げの最後は、基板へのニスコートです。
腐食した部分をはがすのに、800番の紙やすり(水ペーパー)で磨き、パターンを綺麗にしました。しかしこのままだと、パターンが参加して今いますので、コート処理をしなくてなりません。そこで、レジストをはがした部分にニスを塗布します。このニスはこれで600円もします。

ニスの塗布は、今回行うと次回はいつになるかわからないので、刷毛ではなく、綿棒で塗布します。これなら使い捨てですからね。

これで、基板の腐食にも耐えられると思います。

6.シールドカバーの磨き
組み上げる前に電池の液漏れで酸化しているステンレスのシールドカバーを綺麗にします。

1)シールドカバーの内側
これが、電池付近のシールドカバーの酸化です。やはり漏れた電解液を受け取っている部分なので状態が一番ひどいですね。

2)磨き
ここを800番の水ペーパーで磨きます。

ほらこの通り、結構綺麗になりますね。

3)シールドカバーの外側

シールドカバーの外側で電池の真下になる部分も酸化しています。
ここも綺麗にしますね。

これで、シャーシーとのGNDの接点もしっかりとしますね。

7.電池ボックスの取り付け
バックアップ電池は、今後基板の腐食が起きないように、シールドケースの外側に取り付けます。そして、トップカバーのねじを4本とりはずすだけで、だれでも簡単に電池を交換できるよう、単4のニッケル水素電池を使用する事にしました。
これなら、電気の知識がなくとも交換は可能ですね。

それでは、バックアップ電池をセットするための電池ボックスを取りつけます。
電池ボックスを簡単に取り外せるよう、マジックテープを使用します。

これを先ほど磨いたシールドカバーに貼り付け、もう一方は電池ボックスに貼り付けます。

これで準備完了!

8.組み上げ・仕上げ
さあ、いよいよ組み上げです。

1)組み上げ

これは、バラシの逆ですので、コメントは入れません。

2)電池ボックス取り付け
そして、電池ボックスを取り付けます。

以前修理した時、依頼先に発送したら、電池が落ちていたという事がありましたので、今回は、テープで電池を固定します。これで安心ですね。

3)操作パネルの仕上げ
操作パネルを仕上げます。

9.動作確認
全てを組み上げる前に、操作パネルを仮止めし、動作を確認します。今回は電源とパネルの動作のみ確認します。

スイッチON!
OKです!

これで、操作部の修理は完了です!
次回は、実際に音声を入力して、アンプ全体の動作確認を行います。
お楽しみに!