LINNプリアンプ KAIRNの修理 シーズン7 -その3-

こんばんは、Tomです。今日も霧雨と曇り空の寒い日でした。この天気は明日迄続くようです。なんだかつまらないですね。明後日は何とか晴れる様です。

さて、今日の記事も『LINNプリアンプ KAIRNの修理 シーズン7』 -その3- です。さてどこまで進むか楽しみです。

1.ブロック図を作成する
さて、前回の確認で、コントロール基板からは、シリアルデータでMONO/STEREOの信号がメイン基板に入力されていることは確認出来ました。
これから、信号を追いかけて行くために、これまでのKAIRNの修理で得た情報、そして、メイン基板上にあるICのデーターシートを基に、メイン基板のブロック図を作成しました。細かいコントロール信号は省略していますが、どこを攻めるべきかの予測は付きますね。

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① コントロール基板からのシリアル信号は、7セグLEDコントローラである、SAA1064でシリアルーパラレル変換を行います。

②SAA1064のコントロール信号は、アナログスイッチであるDG309の切り替え信号になります。これで、インプット信号のセレクトを行い

③今度はPCF8574という8ビットI/Oエクスパンダーで、示談のDAコンバータにボリュームのレベルとバランスを行うために8ビットのパラレルデータを注入します。

④LINNは面白いことを考えます。アナログスイッチでセレクトされた入力信号をDAコンバータのVrefに入力し、ボリュームのレベルは、8ビットのI/Oエクスパンダーのデータでレベルを調整していると思います。もちろん、左右のレベル信号もここで行っていると思われます。

⑤DAコンバータから出てきた音声信号は最後にOPアンプで、バッファリングされます。Tomが気になるのは、ここで、SAA1064から出た信号を受け、MONOとSTEREOの切り替えを行っています。
という事で、MONO/STEREO信号はPCF8574から出ているかを確認し、もしきちんと出ていても、MONO/STEREOの切り替えがNGなら、DAコンバータの後を攻めることにします。

ついでに、Tomが以前基板のパターンを追いかけて作成したDAコンバータの後の回路も参考情報として掲載します。

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2.PCF8574のMONO/STEREO切り替え信号を探す
ブロック図から攻めのシナリオが出来ましたので、MONOスイッチをON/OFFしながらPCF8574で切り替え信号出ているPINを探します。

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調べたら、PCF8574の9番ピンがMONO/STEREOの切り替え信号であることがわかりました。
でも、出力信号は他の端子は+15V出ているのに対し、9番ピンは、3Vしか出ていません。これが原因ですね。
写真は撮ることが出来ませんでした。

3.突然出力が戻った
プローブで出力を見ているうちに、突然出力の電圧が15V に変化しました。

1)STEREO
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2)MONO
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もしかすると直っているかもしれません。

4.片チャンのみ音声信号を入力して出力を確認する
モノラルになるという事は、片チャンネルの入力でもLR両方から音声が出力されるわけです。もし、直っていれば、STEREOの時は入力されていない方の信号はセロ、そしてMONOの時は、音声信号が出てくることになります。これを確認します。

1)MONOモード

Rチャンネルに音声信号を入力し、Lチャンネルの出力を見てみます。

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MONOモードなので、入力が無くてもRチャンネルの信号が出力されます。

2)STEREOモード
今度はSTEREOモードに切り替えます。予測としては、Lチャンネルの信号をゼロになるはずです。

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結果、予想通りLチャンネルは音声が出ませんでした。

これで、直っている事が確認出来ました。
でも、突然直ったのはなぜでしょうか?
IC内部の話なので、原因を追いかけることが出来ません。
長年使用してなかったのでIC内部の接触不良だったのが、プローブを当てることで、目覚めたのでしょうか?
でも、目覚めたので良かったです。
後は、コントール基板の、バックアップ電池の液漏れ関連を直せば完了ですね。
お楽しみに!