MICROのレコードプレイヤーの修理 -その4-

こんばんは、Tomです。今日は台風10号が韓国に上陸しました。台風10号は思ったほど大きなものではありませんでしたが、九州地方の皆様お見舞い申し上げます。
さて、今日の記事もMICROのレコードプレイヤー SOLID-5の修理の記事です。
これまで、配線、基板の半田の接点不良、電解コンデンサの容量抜けなど、思い当たる部分はすべて白でした。
そこで、今回は基本に立ち返り、ネットで情報を探しから始まります。

1.ネットで情報探し
1)回路図探し
ネットでSOLID-5のサービスマニュアルか回路図を再度探しました。残念ながらSOLID-5のサービスマニュアルはありませんでしたが、MICROの他のレコードプレイヤーのサービスマニュアルを見つけ、回路図をゲットしました。

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回路は異なりますが、回転スイッチに来ている茶、だいだい、黄色のハーネスの意味が解りました。
茶はコモン、だいだい33回転、黄色は45回転のハーネスとなります。やっと解りました。

2)SOLID-5の持つ不具合発見
おそらく、改造した理由は、何か不具合があったのだと思い、『SOLID-5の不具合』というキーワードを入れて探しました。
すると下記のブログを発見!

hypermoto.exblog.jp

3)改造の理由
上記の2つの情報から、下記の内容を想定しました。

① SOLID-5の切り替えスイッチのマイクロスイッチは接点不良を起こす。
② その接点不良を避けるために直接ボリューム、コモン(茶)と33回転(だいだい)をバイパスしていた。
③ その為、切り替えスイッチをオフしても回転していた。

これで決まり!

2.接点不良をリレーで解消計画
上記のブログでも判りますように、回転スイッチユニット部を取り外すのは大変です。従ってマイクロスイッチを取り出すことが出来ません。なので、回転スイッチの切り替えでリレーを駆動して、回転信号を切り替えます。
ちょうどリレーが2つあったので、これで33回転と45回転を切り替える事が出来そうです。

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1)リレー基板の製作
リレーを基板に半田付けして、逆起電圧のダイオードも半田付けしました。

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2)ハーネスの通し
フラットケーブル5本をターンテーブルの穴に通します。

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3)改造されたハーネスをすべて除去
改造されたハーネスを全て除去します。

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4)マイクロスイッチの導通を見る
すべて裸にした後、マイクロスイッチの接点を確認します。
すると、2つのマイクロスイッチのうちの一つの接点が40Ω~200Ωの抵抗値になりました。

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これでは、リレーを駆動させるにも抵抗が大きすぎ、たとえリレーを駆動するにも不安定すぎます。そこで、33回転/45回転の二つをリレーで処理するのは諦めました。
そこで術式を33回転一本にすることにして、依頼者の許可も頂きました。

3.33回転だけの配線
術式を変更して33回転の切り替えをリレーを駆動するための配線を行いました。

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でも、よく考えたら、33回転一本にしたら、回転ON/OFFするだけで良いので、問題ないマイクロスイッチで十分でリレーも不要になります。なので、配線もシンプルになりました。

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4.動作確認
動作確認を行います。

電源ON

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回転スイッチがOFFなので、回転しません。

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そしてレバーを33回転に倒すと、きちんと回転します。

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5.調整ボリュームの接点不良の解消
回転の調整を行うボリュームと半固定抵抗の接点不良をエレクトロニックスプレーで解消します。

1)調整ボリュームの接点不良解消
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2)半固定抵抗の接点不良解消
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これで、接点不良はほぼなくなりますね。

6.組付け
これで修理は終わり、組付けます。

1)コントロール基板の組付け
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2)電源ケーブルの固定
外付け電源のケーブルをホットメルトで固定します。

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3)カバーの組付け
最後にカバーを組付けて終了です。

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これで修理は終わりです。
次回は、仕上げを行います。
お楽しみに!