KENWOOD デュアルバンドモービル機 TM-732の修理 ーその1ー

こんばんは、Tomです。今日も昨日に引き続き、午前中はとても天気が良く、午後は少し曇りましたが、それでも日が暮れるまでそこそこの天気でした。明日も明後日も、このようにスッキリした天気の様です。今週末が行楽のチャンスです!
さて、今日の記事は、修理の記事です。今日の記事は先週末にディップメーターの修理と同じタイミングでKENWOODのモービル無線機の修理の依頼がありました。
まずはディップメータの方が先なので、ディップメータから修理していました。ディップメーターが一段落しそうなので、今度は無線機の修理です。今回からシリーズで3回ほどレポートします。

1.依頼があった無線機
これが依頼があった無線機です。これはKENWOODのデュアルバンド’(144MHz/430MHz)のモービル機で、TM-732Dという無線機です。

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2.動作確認
さて、動作を確認します。

1)電源ON!
まずは電源をONして状況を確認します。
通電状態は大丈夫の様です。

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2)出力の確認
次に無線機にSWRメータとダミーロード’(疑似負荷)を接続します。

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3)144MHzの出力の確認
まずは2メータ(144MHz)の出力を確認します。
144MHzはきちんと50w弱出ています。
ただ、パワーを低くした時に、少し発振しているようです。

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4)430MHzの出力の確認
次に430MHzの出力の確認です。
430MHzの方は、TPPを押下すると、押した週間少しパワーが出る様ですが、一瞬で落ちてしまいます。
これが問題ですね。

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3.バラシ
不具合が判りましたので、早速バラシに取り掛かります。

1)TOPカバーのバラシ
まずはTOPカバーのバラシです。

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こちら側はどうやら問題ではない、144MHz側の様です。

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2)ボトムカバーのバラシ
次にボトムカバーのバラシです。

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こちら側が430MHzですね。

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蓋を開けてみると、パワーモジュールではなく、発振器のユニットが黒く変色しているようです。

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3)パワーモジュールのカバーのバラシ。
次にパワーモジュールのカバーをバラシします。

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ファイナルユニットが見えてきました。

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4.依頼者から送られてきたファイナルユニット
これが、依頼者から送られてきた、ファイナルユニットです。出力が出ないので、ダメ元でこのファイナルユニットを交換して、もしダメだったら、430MHzは諦めて、2m(144MHz)のみ使用するという事です。

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1)特性値を調べる
でもこのファイナルユニット、型番は同じなのですが、サフィックスがオリジナルがMR、送付されてきたのがMと、若干異なりますので、ネットでスペックを確認します。今はすぐにネットで調べることが出来て、便利です。

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特性値を調べてみると、ほとんど一致しているので問題なさそうです。

3)なんと足が逆だった
特性値は問題ないのですが、icを良く見たら、なんと取り付けの足の順番が全くさかさまの物だったのです。
恐らくMRのRはリバースのRなのでしょう!なんという事か・・・・・。

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これは大変ですね。

5.ファイナルユニットの交換
それでは、ファイナルユニットの交換を行う手術を行います。何故手術というかというと、簡単に交換できないからです。

1)ファイナルユニットを取り出します。
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これは問題なくサクット取り出しました。

2)ファイナルユニットの取り付け
次に全く足の順番が異なるファイナルユニットを取り付けます。10W 位のユニットならハーネスも細くて良いのですが、
このファイナルは50Wなので、取り付けのハーネスも少し太めにします。それが厄介なんです。

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① まずは、すべての足を上へ折り曲げます。
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② それぞれの足に太めのハーネスを半田付けします。

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③ 熱収縮チューブを挿し、半田ごてで収縮させる。
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④ ハーネスを半田付けする
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⑤ ファイナルユニットの足の根元を絶縁する。
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⑥ シリコングリスを塗布する
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⑦ ユニットを固定する
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⑧ 最後に真ん中の足を半田付けする
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⑨取り付け完了
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でも、ハーネスが太くてボリュームがあるのでカバーは取り付けられませんね。

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仕方ないです。
今回はここ迄です。
次回は、配線のチェックを行い、OKなら動作を確認します。
お楽しみに。