ワーゲン空冷ビートルのカーラジオの修理 ーその4ー

こんばんは、Tomです。今日は一日中天気が悪く、寒い日でした。でも、明日から週末にかけては、お天気が続くようです。楽しみですね。
さて、今日の話は『ワーゲン空冷ビートルのカーラジオの修理』に戻り、今日はその4となります。
先日、このラジオの修理に行き詰まり、ラジオに詳しい、お友達のKamaさんに見てもらう事にしましたが、やはり、Kamaさんもあまり修理したがらず、これを使ってみたら?とKamaさんが保有していたフォルクスワーゲンについていたラジオを貸してくれました。一応動作は確認したとの事で、これがきちんと整備できれば現在修理しているラジオの代わりに依頼者に譲ってもいいと言ってくれたのです。助かりますね。今日は、その話です。

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1.電源とスピーカーのハーネスの環境づくり
それでは、早速Kamaさんのラジオが使用できるように、環境を整えます。
Kamaさん曰く、このラジオは、これまで修理してきたラジオと同じコネクタが付いているのですが、配線は全く違うらしいです。わざわざ、本体と紙に電源とスピーカーの説明書きをしてくれていました。

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2.電源とスピーカーのハーネス製作
1)電源とスピーカのコネクタ
このコネクタを良く見ると、無線機などの電源に使用しているコネクタではありませんか?これなら、電源の2Pもスピーカーの3Pも保有しています。

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2)ハーネスの製作
それではハーネスを製作します。

①電源ハーネス

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②スピーカーハーネス
スピーカーは3Pのコネクタになります。

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③車の本体側への処理
さて問題は、車の本体側は、配線が全く異なるという事です。
そこで、車本体側に接続するコネクタは、バラにしました。これなら自由自在です。

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3.動作確認
さて、実際に動作を確認します。
今回は、kamaさんが事前に動作を確認しているという言葉を信じ、いきなりスピーカーに接続します。

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スイッチON!
サーッと音が聞こえてきました。でも、ラジオの音声が低いのと、途中でバリバリという音がしたり、音が大きくなったり小さくなったりします。これでは、そのまま使用できませんね。

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4.バラシ
仕方ないので、こちらも修理する必要がありますね。一応Kamaさんにお断りを入れ、本体をばらすことにしました。

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この富士通テンのカーラジオは、少し年代が新しくなり、チューナーIC、パワーアンプICを使用しており、かなりコンパクトになっていますね。

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5.再ハンダ
それでは、まず、基板をばらさなくとも出来る再ハンダを行います。
古い片面基板にはとても有効なので、ちょっと期待したいと思います。
今回は、きちんとフルハンダを除去し、新しい半田を注入します。

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そして、この写真の様に、半田とリードに接触不良がありそうな箇所は、古い半田を除去した後、やすりでリードを研磨し、その後新しい半田を注入し、接触不良を解消します。

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この地道な作業を、一つ一つ実施しました。

6.洗浄
半田付け終了後、パーツクリーナーと歯ブラシで基板を洗浄します。

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これを行う事で、基板が綺麗になるだけでなく、半田カスで変な場所でショートするようなことも無くなります。

7. 動作確認
それでは動作を確認します。
スイッチON!

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おお~っ!
基板の部品と配線パターンの接触不良が解消し、今までにないくらい、綺麗に放送を受信し、その音声を聞き取ることが出来ました。バリバリという音や、音声が大きくなったり、小さくなったりもしません。

ところが、5分ほど聴いていると、またバリバリッというような音がしたり、音声が大小に変化する様になりました。
ダメです。まだ直りませんね。
次回は、基板を外さなくとも交換できる電解コンデンサの交換を行います。
次回をお楽しみに!