こんばんは、Tomです。今日は関東で大雪が予想されましたが、それほど雪は積もらなかったので、良かったですね。でも今週の木曜日からまた大荒れになるそうです。
さて、今日の記事も昨日に引き続き『テクニクス ビンテージCDプレイヤー SL-P1200の修理』で、本日はいよいよFINALとなります。昨日の記事では、スピンドルモーターも回転し、きちんとCD動作を確認しました。
でも、今回の修理のミッションは、『不安定な箇所をなくす事』ですので、最後に不安定箇所を徹底的に排除します。
1.メイン基板を取り出す
昨日は、この状態で動作が確認出来、電源ONからTOCリード、そしてCD動作までを100回確認しました。そしてCD1枚分の動作も5回確認しましたので、ほぼ安定している状況です。
」
しかし、メイン基板を取り外しTomが気になっている不安定箇所を全て排除します。
2.改造したセラミックコンデンサを積層セラミックコンデンサに交換する。
まずは、メーカーで改造されたと思われる、0.1μFのセラミックコンデンサを、積層セラミックコンデンサに交換します。
1)改造されているセラミックコンデンサ
これが、メーカーが改造された0.1μFのセラミックコンデンサです。大きいですね。
恐らく電波障害のテストでFCC Bの規格が通らなかったのだと思います。
2)交換用の積層セラミックコンデンサ
そしてこれが今回交換する積層セラミックコンデンサです。
Tomはちょうど0.1μFの積層セラミックコンデンサの在庫が無かったので、0.22μFを取り付けます。
かなり小さくなりましたね。
3)交換
0.1μFのセラミックコンデンサを取り外し、積層セラミックコンデンサに交換します。
かなりすっきりしました。
3.電解コンデンサの交換
電解コンデンサは生ものです。なので、経年劣化で容量も少なくなります。特に温度が高い場所にある電解コンデンサや、スイッチングが多い場所、そして、1980年代の電解コンデンサは、コストダウンの為、中国製に変わった時期で、液漏れも発生します。なので、電解コンデンサの容量の確認を行い、新しい電解コンデンサに交換します。
沢山の電解コンデンサを交換しましたが、その中でも容量が落ちている電解コンデンサを貼り付けまs。
その中でも、代表的な電解コンデンサの容量抜けをご紹介します。いずれも誤差範囲内ですが、確実にするため交換を行います。
半田付けする前にリードを磨く
容量が低かった電解コンデンサ
4.アクロバティックな配線
ノーマルのコンデンサを全て交換しました。(BP品の交換は手持ちの部品がないので止めました。)
次に改造などでアクロバティックな半田付けしている電解コンデンサを交換します。
5.三端子レギュレータ基板の電解コンデンサ交換
これで電解コンデンサの交換が終了です。
交換した電解コンデンサはこんなになりました。
6.基板の洗浄と劣化した半田の確認
コンデンサを交換したので、基板を洗浄します。
そして、マイクロスコープで、交換した場所の確認と、経年で半田が劣化した場所を探し、再ハンダします。
7.メーカーで改造されたハーネスを固定する
メーカーでかいぞうされたハーネスが動かないように、ホットメルトで固定します。
これで、ふらふらしてハーネスが剥がれることがありません。
8.メイン基板の組付け動作確認
さあ、いよいよメイン基板を、本体に組付け動作を確認します。
1)メイン基板組付け
2)動作確認
安定化の為の改善が、改悪にならないか心配です。ドキドキしますね。
電源ON!
OKです!
TOCリードが完了です。
CDも動作しました。
9.全体組付けと動作確認
マシン全体の組付けを動作確認を行います。
1)組付け
① マグネットキャッチ組付け
② カバーオープン スイッチのショート除去
③ CDユニットの取り付け
④ メインボードの取り付け
⑤ FL表示基板と操作基板の取り付け
⑥ 電源スイッチの取り付け
⑦ 仮組完了
2)動作確認
仮組で動作を確認します。
OKです。
10.ハーネス固定と本組
それでは、いよいよハーネスを固定して本組します。
1)ハーネス固定
2)本組と動作確認
本組して動作を確認します。
OKです。
11.仕上げ
最後に仕上げを行います。
1)音声の確認とガリ取り
ヘッドフォンで音声を確認します。
これでOKです。
2)仕上げ
最後に仕上げを行います。
これで、SL-P1200の修理一斉が終了しました。
途中、沢山のアクシデントがありましたが、諦めずに挑戦した結果、不具合は解消しました。
そして、今回のミッションである『不安定な動作を解消する』という件に関しても、十分に達成できたと思います。
これで、後10年間は安定して動作すると思います。
達成感ありです!