AMCRON(CROWN)のメインアンプ D-75の修理 -その15-

こんばんは、Tomです。今日は最低気温が1℃でしたが、最高気温は3℃と殆ど気温が上がらない日で、昨日、一昨日と比較し、とても寒い一日でした。在宅勤務をしていても、手がかじかんでしまいました。
さて、今日の話題も『AMCRON(CROWN)のメインアンプ D-75の修理 』です。この修理ももう15回を迎え、いよいよクライマックスになります。クライマックスと言っても良い意味ではなく、全然歪の箇所が見つからず、暗いMAX(クライマックス)あるいはCry MAXと言った感じです。
これまでは歪のある右チャネルの部品を殆ど取り出し、値を確認し、左チャネルの部品と交換実験を行いました。しかしながら残念ながら歪の箇所を見つける事が出来ませんでした。そこで今回はいよいよ最後の手段で、基板のパターンを追いかけます。


1.基板のパターンを追いかける
さあ、最後の手段です。基板のパターンをテスターを用い導通チェックします。

週末の土曜日の午後に2時間くらいかけて、右チャネルのパターンを確認しました。
結果、D-75の回路図の間違いは発見しましたが、パターンには異常はありませんでした。

ガッカリです。疲れました。

2.思い切って冒険する
これまでOPアンプの異常時をアラームする回路だけは、音声に回路に関係ないと思い、触らずにいました。
しかし、OPアンプの出力に接続されているので、ここに手を付ける事にしました。
異常を検知するOPアンプの入力が入るパターンをカッターで切断します。

基板をセットし、スイッチオン!

ところが、異常を示すLEDが」点灯することが心得ていたのですが、クリッピングLEDも点灯し、音声も歪むどころか、か細い音になり、ついに音が出なくなりました。

やっちまったーーーーーーー!
ついに壊してしまいました。一瞬の出来事で、写真を撮ることも出来ませんでした。

3. 切断箇所を修復し、動作の確認
すぐに電源を切り、切断したパターンを元に戻し、もう一度動作を確認したのですが、LEDが光りませんが、右チャネルのスピーカーは音がか細いです。

4.D-45のドライブ基板をセットしてみる
D-45のドライブ基板を交換実験でセットしてみます。

やはり結果は同じでした。
パワー段が壊れたのかもしれません。

5.D-45本体にスピーカーを付けてみる
D-45のドライヴ基板が壊れていないかどうかを確認します。D-45のドライブ基板が壊れてしまっては元も子もありません。
ところが、D-45の本体でも、右のスピーカーがか細い音でした。

もしかすると、スピーカーが壊れたのでは?と思い、スピーカーの抵抗値を確認しました。

左のスピーカーの抵抗値は約4Ωです。

問題の右側のスピーカーの抵抗値は、なんと0Ωでした。スピーカーがショートしています。

このスピーカーがパターンを切って動作確認した時に壊れた様です。

最後にD-45の右チャネルに左のスピーカーを接続し、音声を確認したところ、D-45は大丈夫でした。

6.今後の方向性
D-75Aは故障した可能性もあるので、これ以上追求せず、D-45をベースに、D-75Aのパーツを移植して、ハイブリッドD-45に
して仕上げます。

1)ベースとなるD-45

2)交換するフロントカバー

3)電源スイッチのツマミ

4)トランスの取り付けビス

5)ヒューズBOX


これで、見た目はD-75A、中身はD-45となり、きちんとしたアンプになるでしょう。
残念ながらD-75Aの歪は取れなかったけど、心のつかえは取れました。
今後が楽しみです!