SONY TC-5350SDの修理 ーその5ー

こんばんは、Tomです。今日の天気予報は曇りのち雨という予報でしたが、実際は晴れのち曇り、そしてちょっとだけ遠くで雷雨がありパラパラと雨が降りました。天気は刻一刻と変化しますね。
さて、今日の記事は、昨日の続きで5月の連休に実施した『SONY TC-5350SDの修理』で、今回はその5となります。前回は片チャンネルの電界コンデンサを全て交換しましたが、全く改善の兆しが見えない状態でした。
ネットで調べると、この『ブーン』という物凄いノイズの原因は、経年劣化でNPNトラジスタの足が真っ黒に酸化し、接触不良のみならず、トランジスタ本体迄劣化させてしまうという内容がありました。確かに基板と部品との接触不良は前々回の再ハンダの際に、部品のリード線を全て磨き新しい半田を注入しておりますので、再ハンダによる接触不良は解消されているはずです。そこで今回は、メイン基板上に乗っているトランジスタを全て交換します。

1.再ハンダ&電解コンデンサを交換したメイン基板
これがこれまで再ハンダを行い、Lチャンネルのみ電解コンデンサを交換したものです。
残念ながら『ブーン』というノイズは全く取れませんでした。

2.トランジスタの交換
それでは片チャンネルのトランジスタを交換します。交換するトランジスタはNPNの万能選手『2SC1815』です。

1)1個目のトランジスタ
1個目のトランジスタは、なんとFET(電界効果トランジスタ)の『2SK43』でした。現在、のFETの替えとなるものがございませんので、戻します。

2)2個目以上のNPNトランジスタ
2個目以上のPNトランジスタを交換します。
トランジスタの足は真っ黒に酸化しております。そこで、これらのトランジスタは、2SK1815に交換します。
(写真は代表的なトランジスタのみ掲載)

新しいトランジスタ(2SC1815)に交換します。

片チャンネルで合計15個くらいのトランジスタを交換しました。

3.片チャンネルの動作確認
片チャンネルのトランジスタの交換あ終了しましたので、基板の動作を確認します。

結果、片チャンネルの『ブーン』という爆音ノイズは収まりました。
これは大正解です。回路図を保有していない修理としては、抜群の成果です。

4.もう方チャンネルのトランジスタの交換
片チャンネルのトランジスタの交換でブーンというノイズが除去できましたので、今度はもう方チャンネルのトランジスタの交換をおこないます。

メイン基板上のFET以外のNPNトランジスタは全て足が真っ黒になっています。
これで、直ると良いと思います。

5.動作確認
それでは動作を確認します。

左右の爆音のノイズが無くなりました。やったー!
でも、なんだか再生音が変です。
何かというと、再生音の真ん中のボーカルが聴こえず、エコーのだけになっています。

6.メイン基板上のサブ基板の方チャンネルのトランジスタを交換する
メイン基板を良く見ると、メイン基板のサブ基板にもトランジスタが3個付いていました。これを交換します。

これで、メイン基板のFETを除くすべてのトランジスタの交換が終了しました。

7.動作確認
動作確認を行います。



結果、1970年代に流行ったボイスチェンジャーの様に、センターのボーカルが消えた音声は変わらずですね。
でも、爆音の『ブーン』というノイズが無くなり、メイン基板の動作が安定してきているのは、回路図が無い中での修理としては大きな一歩です。
センターのボーカルが聴こえないというのは、おそらく左右の位相が反転しているせいだと思います。
なんとか回路図を手に入れて、修理を追い込みたいと思います。
次回をお楽しみに!