こんばんは、Tomです。今日は一日雨降りでした。でも、Tomは共同作業とその慰労会で、一日を過ごしました。労働で汗を流し、美味しいお酒を頂きました。
さて、今日の話題は、先日から続いているビクターのレシーバーの修理です。チューナー部の修理が終了してから、メインアンプの修理に移っていますが、メインアンプの故障はなかなか手怖いのです。
今日は、その続きをご紹介します。
まずは、今回のメインアンプの修理の方針を振り返りましょう。
1) ゼロバランスを取ってみる。
2) Lチャンネルの基板すべてを再半田する。
3) 電解コンデンサの容量を測る。
4) トランジスター、ダイオードを取り出し足を磨く
5) 電解コンデンサを交換する。
6) 前段のトランジスタを交換する。
前回は、この中の1)〜3)迄を実施しました。でも、全然改善の兆しがありません。
そこで、今回は4)からはじめます。途中、読者の『もう一人のTom』さんからのアドバイスも交えて、修理を実施しました。
1.トランジスタ、ダイオードを取り出し足を磨く
再半田、電解コンデンサの容量を測りましたので、いよいよ半導体の接点不良の解消です。トランジスタとダイオードを取り出しカッターの歯と、ヤスリで足を磨き、再度取り付けます。
メインアンプのパワートランジスタの前段のトランジスタをすべて取り出し、足を磨きます。チューナー同様、足は真っ黒です。
でも、結果は期待はずれで、ゼロバランスもバリバリというノイズも解消できていません。ちょっと残念です。
2.パターンを追いかける
ここまで来ると、接触不良の解消だけでは直りません。そこで、パワーアンプのパターンを目で追いかけて、回路を確認します。すると、クリスキットの回路図と同じような構成であることが判りました。
やはりプッシュプルの基本回路なのですね。
ただ、もう一人のTomさんから教えていただいた様に、ゼロバランスのボリュームは無く、ボリュームは、アイドル電流の調整だけの様です。
3.温度補償のダイオードを変えてみる。
もう一人のTomさんからご指摘があった温度補償ダイオードを取り出します。
このダイオードは、サンケンのSAー03と言う温度補償ダイオードです。この中に3個のダイオードが入っています。
4.温度補償ダイオードを作る
Tomは、温度補償ダイオードを保有していないので、NPNトランジスタを3個使って温度補償ダイオードを作ります。2SC1815の三本足のうちコレクタを切り落とし、ベースとエミッタをシリーズに繋げて、温度補償ダイオードを作ります。
これは、クリスキットのアンプを作るときに覚えました。
出来ました。
左が温度補償ダイオード、右がTomが作ったダイオードです。
5.動作を確認する。
それでは早速自作した温度補償ダイオードを基板に取り付けます。パターンの穴ピッチは広めに取ってあったので、取り付けも簡単でした。出来るだけヒートシンクの近くに取り付けます。
しかしながら、結果は、NGでした。だんだん壁が高くなってきました。
6.電解コンデンサを交換する。
さて、方針に戻り、5)の電解コンデンサを交換することにしました。電解コンデンサは既に容量を確認していて、問題は無いことを確認していますが、経年劣化で一番の問題があるのが、電解コンデンサですので、ダメもとで交換しておきます。
交換後、容量と電圧、そして極性を隣の基板と比較確認して、マジックでチェックします。
しかし、結果は予測通りNGでした。
7.トランジスタを交換してみる。
いよいよ、本能寺。トランジスタの交換です。トランジスタと言っても、パワートランジスタと、その前段のトランジスタは交換しません。
どちらかと言うと、ゼロバランスや共通で使用されているトランジスタを交換することに。
それがこれです。
8.結果
いよいよ結果を確認します。これまで、何度パワーアンプモジュールを取り出し、取り付けたことか・・・でも、Tomは諦めません。諦めたら終わってしまいますから。
このトランジスタを代替の2SC1815で代用します。万能ですね。
小信号トランジスタは、2SC1815と2SA1015で代用が出来ると思います。でもこの万能トランジスタは、チップトランジスタにより製造中止になったんです。残念です。
さて、結果ですが、このトランジスタを交換したら、ゼロバランスが、+2Vからマイナス0.5Vに変化しました。なんか、希望が出てきました。
でも、バリバリという雑音は、無くなっていませんし、ゼロバランスが0Vになっていないのが気になります。
ゼロバランスは少し変化しましたが、まだまだ解決になっていません。あと一歩なのですが、まだ解決に至っていませんね。もう少しです。