こんばんは、Tomです。今日の天気は曇り時々雨で、最高気温は28℃と比較的過ごしやすい日でした。お陰様で朝夕はお盆前の草刈りが結構捗りました。そろそろお盆なのですが、台風5号が宮城県を直撃しそうですね。ちょっと心配です。
さて、今日の記事は昨日の続きで『QUAD プリアンプ QUAD33の修理』で、今回はいよいよFIANLとなります。前回の記事ではフラットアンプ基板のL側の基板のパターンが切れていたことが原因で、それを修復した所、みごとに復活しました。ただ、基板全ての半田が芋ハンダ状態となっており、このままではまた故障しそうです。そこで、依頼者に相談し、全ての基板の再ハンダを行う事にしました。最後はお決まりの洗浄&仕上げをして修理完了です。これであと10年は問題なく使用できると思います。
1.修理中に発見した芋ハンダ
前回の修理の時、マイクロスコープで基板の配線パターンのチェックをしていた時、芋ハンダを見つけました。
これはどう考えてもメーカーの半田付けではありませんね。依頼者の話では一度どこかのオーディオショップでメンテナンスを受けたという話でしたので、おそらくその時に、再ハンダをしたのではなく、追い半田をしたのでしょうね。半田がブカブカになっていて、リードも腐食しているので、全ての基板において、いつ接点不良が起きてもおかしくない状態でした。そこで、依頼された方に連絡し、これからも長く使い続けるために再ハンダをすることにしました。
2.フラットアンプ基板の再ハンダ
まずはフラットアンプと思われる左右二枚の基板の再ハンダを行います。
1)古い半田の除去
2)部品リードの酸化幕除去
次にカッターのエッジを使用して、部品リードの酸化幕を除去します。
3)最後にフレッシュな半田を注入
そして最後にフレッシュな半田を注入します。使用するハンダは、『アルミット』です。
この一連の作業を、部品の足1本1本ずつ行います。非常に地味な作業ですね。でも、これを行わないと綺麗な音が出ないのです。
4)最後に基板の半田面を洗浄します。
3.別の基板の再ハンダ
4.MCヘッドアンプ基板の再ハンダ
5.イコライザ―アンプ基板の再ハンダ
6.ベース基板の再ハンダ
最後はボトムにあるベース基板の再ハンダを行います。
右側半分終了!
あと半分あります。
これでQUAD33のすべての基板の再ハンダが終了しました。
地味な作業の繰り返しですが、毎日1時間ほど行い、合計5時間ほど行いました。
7.組付け&動作確認
さあ、基板をセットし、動作確認を行います。
1)基板の組付け
2)動作確認
次に動作確認を行います。
全てのファンクションの動作を確認しました。OKです!
8.洗浄
再ハンダ後の動作確認も無事パスしましたので、いよいよ筐体の洗浄を行います。
1)TOPカバー
2)フロントパネル
3)リアパネル
これで筐体の洗浄は終了です。
9.筐体の組付け&動作確認
最後に筐体を組付け、動作確認を行います。
とてもクリアな音ですね。
まるで私も保有しているLINNのpreampKAIRNと似ています。さすがヨーロピアンサウンドですね。
これでQUAD33の修理は終了です。
今回は全ての基板の再ハンダを行いましたので、あと10年は大丈夫だと思います。
良いアンプです。末永くご使用ください。