冬のアンプ製作 −その11−

こんばんは、Tomです。今日は、晴れていたので、家の中ではポカポカ陽気でしたが、一歩外に出ると、風が強く結構寒かったですね〜。でも、今年は雪があまり降らないので助かっています。

さて、冬のアンプ製作も−その11−となり、いよいよ大詰めになってきました。今日は、調整作業に入ります。

調整のステップは、下記の方針で実施します。

 1.調整の為のダミー抵抗を作る(スピーカーの代わり)
 2.ダミー抵抗を予備軍のパワートランジスタに接続し、アイドル電流とDCバランスを片
   チャンネルずつ調整する。
 3.音声がきちんと増幅できるかどうか、スピーカをつないで確認する。
 4.本命のパワートランジスタに入れ替え、アイドル電流とDCバランスを調整する。

それでは行ってみましょう!

1.調整の為のダミー抵抗を作る(スピーカーの代わり)
 まずは、いきなりスピーカーを取り付け、飛ばしてしまうと困るので、20Ωのダミー抵抗を作ります。

 1)200Ω(1/4W)の抵抗を10本用意する。

 2)これを10本パラに束ね、ハンダ付けする。
 

 3)ハーネスを取り付けダミー抵抗ツールにする。
 

 4)スピーカーラインの中間コネクタと同じものを取り付け完成!

これで、調整の準備は完了です!

 2.ダミー抵抗を予備軍のパワートランジスタに接続し、アイドル電流とDCバランスを方チャンネルずつ調整する。

 まずは、電源電圧を±24Vに調整します。

ダミー抵抗を接続し、NPNトランジスタのコレクタのラインをはずして、ここに1個目のテスターこのコレクタ電流を100〜150mAになるようにアイドル電流ボリュームを調整します。今回は100mAにしてみました。

もうひとつは、スピーカー出力端子の両端電圧を測り、DCバランスが0Vになるように調整します。

アイドル電流値は、時間と共に上がってゆきますので、上がったら100mAに戻します。
これを約30分くらい行い、サチるまで行います。

約30分後、アイドル電流値 100mA、DCバランス0Vで調整が完了しました。
これで、方チャンネルはOKです。


 
そして、もう方チャンネルも調整して、調整は終了。
但し、少し気になる事が・・・・・。数年前にも同じようなアンプを製作しましたが、その時には、DCバランスのボリュームは丁度中間に位に位置していましたが、今回は、どちらの基板もボリュームを絞った位置がぎりぎりで、片方は、それでも調整出来なくて、8mVほどバランスが崩れています。どうしてかな?

3.音声がきちんと増幅できるかどうか、スピーカをつないで確認する。

 調整は終了したので、これで音が出るはずです。
 壊れてもいいスピーカーを接続して、方チャンネルずつ音声を確認します。

1)入力に、仮のピンケーブルをハンダ付けする。 

2)iPhoneのトーンジェネレータで音を出して、キチンと増幅しているかを確認します。
 このアプリ、便利です。

4.本命のパワートランジスタに入れ替える。

 さて、予備軍のトランジスタでの動作を確認したので、いよいよ本命のトランジスタを装着します。
 本命のトランジスタは、これ! 2SA627/2SD188のプンプリメンタリです。これはクリスキットのP-35Ⅱに使用しているものと同じもので、以前ヤフオクで落札しました。

 ちゃんと、特性も合わせて使用します。

これまでの予備軍のトランジスタを取り外します。

そして、本命のトランジスタ(2SA627/2SD188)を取り付けます。

これで完了です。

5.アイドル電流とゼロバランスを調整する。・・・・ところが!
 さあいよいよアイドル電流とゼロバランスを調整します。今回のアイドル電流は120mAにしました。

 Rチャンネルは、なんとかOKです。

しかし、ここで問題が発生!
 Lチャンネルは、先ほど同様、ボリュームの調整範囲を超えており、9.4mVでゼロバランスが取れません。やはりバランスが取れないので解析することにしました。
 

6.作動のトランジスタを入れ替えてみる。

 バランスを取っているのは、下記の写真のトランジスタを貼り合わせたものです。もしこれの特性がずれていたら、確かにバランスしません。

そこで、このトランジスタの前後を反転してみます。

しかし、結果的には、同じ症状でした。考えてみれば、このトランジスタは、かなり特性を合わせ、且つ貼り合わせて、温度特性まで一緒にしているのだから、入れ替えたって同じですね。

7.電源電圧を上げてみた
 なんかどうもしっくりきません。ボリュームが調整出来る様、前段の抵抗値も変更しようかとも思いましたが、以前製作した時は大丈夫だったから、何かが違うのです。
回路図を見ていると、ふとVccの電圧が違う事に気が付きました。オリジナルはトランスを使用しており、±30Vです。これに対し、今回のスイッチング電源は±24Vです。この調整ボリュームの源はVccですので、おそらく、この電圧の違いが調整範囲の変化なんでしょう。そこで、スイッチング電源の電圧を24VからMAXの28Vまで上げてみました。

すると、やはり思惑通り、調整範囲は確保出来、問題解決!

これでアンプは完了です。
後は組み立ててOKですね!