おはようございます、Tomです。今朝の外気温は、なんとピッタリ±0.0℃です。朝の外気温を測定し始めてから初めての事ですね。室温も12℃あり、比較的暖かです。
さて、先週、元上司でいつも大変お世話になっている、MuraさんからPCが壊れたので見て欲しいというメールを頂きました。Tomは快諾しPCを送ってもらいました。
それがこれです。
これは、DELLのデスクトップPC INSPIRON-620sというモデルです。Muraさんからの状況の内容では、PCが立ち上がらなくなったとの事でした。
1.症状の確認
まず、故障の症状を確認します。Muraさんからは本体のみを送って頂きましたので、Tom保有のディスプレイやキーボード、マウスを接続して、動作確認を行います。
電源ON!
あれれ??
うんともすんとも言いません。唯一電源スイッチが点滅しているだけです。
ファンも回転しないし、もちろんBIOSも走りません。
これは、ちょっと深刻かも・・・・。
2.修理の方針作成
それでは、これから修理をしてゆく上での方針を作成します。
状況から判断して、どこかのユニットが行かれて電源が落ちているか、電源そのものがおかしい感じがしますので、それを切り分ける作業をしてゆきます。
<修理の方針>
1)メインボートに接続されているそれぞれのユニット、部品を外して行き、正常に立ち上がるかどうかを確認する。
① HDD
② DVD
③ USB I/F
④ FAN
ここまでで、故障の原因がメインボードの周辺か、メインボード内なのかが判る。
2)メインボード上の部品を外す。 ① メモリ
② バックアップ電池
③ CPU FAN
これでメインボード単体から電源までがおかしい事が判る。
3)電源供給部の電圧を測定する。
4)電源供給部の抵抗値を測る。
電源のラインがおかしいのかショートしているのかが判る。
5)電源単体で動作させる。
6)電源単体のDC出力を測定する。
これで電源そのものがおかしいかどうかが判る。
以上で方針が決定です。
3.バラシ
それでは、早速バラシ開始。
基板上の1つのLEDのみ点灯しています。
4.ユニットをはずして点検
それでは、方針1)に従って、メインボードに接続されている、ユニットを外してゆきます。
2)DVD:OK
4)本体FAN:OK
メインボードに繋がっていユニットは問題なさそうです。
5.メインボード上の部品を外して確認
次にメインボードに付いている部品類を外して行き立ち上がりを確認します。
2)バックアップ電池:OK
3)CPU FAN:OK
6.電源供給部の電圧、抵抗の測定
これまでのところでメインボード単体か電源がおかしいことが分かりました。続いて電源供給部の電圧を図ります。
1)電源コネクタのピンアサイン
ATX電源のピンアサインはこれです。
2)電圧測定結果
① +3.3V:0V(NG)
② +5V:OV(NG)
③ +12V:0V(NG)
④ PS ON:5V
やはり殆どの電源が供給されていません。
3)抵抗を測定する。
電源コネクタ部の抵抗値を測定、メインボードがショートしていないかどうかを確認します。
全ての電源系統のショートは確認できませんでした。
7.電源単体で動作させ、電圧を測定する。
メインボードのショートは確認できませんでしたので、PSU(電源)単体で動作をさせ、動作を確認します。
1)電源ONのショートピンをコネクタに取り付ける
ATX電源は、PCの全面パネルのスイッチがONになり、初めて電源が動き出すので、そのスイッチ代わりになるショートピンをコネクタに取り付けます。Y型圧着端子がちょうどよいです。
これで、PS ONの端子とCOM端子をショートさせます。
DELLのPSUにはパイロットランプがあり、電源が正常に動いているかどうかが判ります。
①ショートピンなしの場合
ショートピンなしで電源を入れると、きちんと緑のLEDが点灯します。(電源コネクタの下の小さなLEDです。)
②ショートピンあり
次にショートピンありで電源を単体でONさせてみます。
すると、LEDが消灯し、PSUが異常であることが判ります。
3)電源単体の電源電圧を測定する
最後にダメ押しで、電源単体で起動させて、電源端子の電圧を測定します。
やはり、メインとなる、全ての電源がNGでした。
これで、PSU単体がNGであり、メインボードやその他の回路でなくて良かったです。
一番最悪なのは、メインボードの積層セラミックコンデンサがショートしている事です。
後はPSUの交換で済みそうです。
良かったです。
今日はここまで。
次回をお楽しみに〜!