LINNプリアンプ KAIRNの修理 シーズン11 ーその3ー

こんばんは、Tomです。今日は暑かったですね~。10月なのに外気温は30℃とまるで真夏の気温でした。この暑さ、明日も続くようです。
さて、今日の記事は、忙しい週末の活動の合間を縫って実施した、LINNプリアンプ KAIRNの修理 シーズン11 ーその3ーの話です。前回は、紙やすりで腐食したプリント基板のパターンを研磨し、パターンの切れた箇所を発見。その場所にジャンバーをはわせました。加えて、3.3Vを発生させる三端子レギュレータの360Ωのチップ抵抗が腐食で壊れたのでディスクリート部品で360Ωの抵抗を作り、無事3.3V の電源を復活させました。今回はその続きです。

1.原点に返って電源電圧を確認
まずは、原点に返って電源電圧を確認します。

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1)+15V
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2)-15V
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3)+5V
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メイン基板のDC電源はOKです。

2.フロントパネル基板の電圧確認
次にフロントパネルの基板の電源電圧を確認します。

1)5V
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2)3.3V
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電解コンデンサを取り除いているので、多少ノイズ混じりですが一応大丈夫です。

3.LEDが点灯しない問題を解決
基板にはきちんと5Vが来ています。でも、LEDも点灯しないは、5V からLED迄の経路に問題があります。

テスターで調べると、この1KΩのチップ抵抗がオープンになっているようです。

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ここに手持ちの1kΩのディスクリート抵抗を半田付します。

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LEDが復活しました。

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4.CPUとTTLICの電源電源を確認する。
CPU周りと、ロジックICの電源を確認します。

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全て電源はOKでした。

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5.フロントパネル基板にニスを塗布する
フロントパネル基板のジャンパー処理が完了し、LEDも点灯し、ICの電源も確認出来ましたので、基板のパターンを保護するためのニスを塗布します。

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6.PCU周りの動作を確認する。
電源電圧が確認出来ましたが、7セグのLED表示がされません。そこで、次はCPUのクロックの確認です。

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何とクロックが発信していません。
そこで、クロックの両端にあるチップコンデンサに再ハンダを行い、接点不良を解消しました。
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結果、クロックが無事発振しました。

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7.CPU周りとロジックICの動作確認
クロックが発振したので、CPUとその周辺の動作を確認します。

1)CPU周り
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2)その他のICの確認
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3)異常を発見
各種ICの動作を確認している時に、C-MOS4066(アナログスイッチ)のICに触れた時、ICの発熱を確認しました。
指で触ってみると、熱くて触っていられません。
そこで、体温計で温度を測ってみる事に。

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体温計なので、測定領域外でした。

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このアナログスイッチは完全に死んでいます。

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ネットで探して部品を発注しました。
次回をお楽しみに!