YAMAHA カセットデッキ K-1d の修理 ーその6ー

こんばんは、Tomです。今日の天気は、午前9時までは曇り、でもその後はカラッと晴れ上がり、最高気温は33℃迄上がったようです。まだまだ夏は続きます。そういえば、ニュースの長期予報では、今年、残暑は11月迄続くそうです。
さて、今日の記事は『YAMAHA カセットデッキ K-1d の修理』に戻ります。前回は、故障個所だった、Rチャンネルの録音がでいなかったのが、見事復活しました。でも、いざ録音してみると、ワウフラッターの様な揺らぎが出てしまいます。キャプスタンモーターのベルトを交換してもダメでした。
そこで、今回は、ワウフラッターの様な揺らぎの原因を探ります。

1.電気的な接触不良をなくす
音の揺らぎなので、電気的には問題はないと思いますが、まずは経年劣化による電気的な接触不良をなくして行きます。

1)dbxボードのバラシ
洗浄の対象はメインボードですので、その上にあるDBXのボードを取り外します。

2)基板上の接点不良個所の点検
まず、基板と基板上の部品の間で、半田クラックなどで接点不良になっていないかどうかを確認します。
確認は清掃用の歯ブラシの柄を使用し、基板を叩きます。これで接点不良があった場合、音のムラがでるのですぐに判ります。

そして、基板上の半固定抵抗も叩いてみます。ここの接点不良も可能性はありますね。

3)基板上の接点を洗浄
基板上にある部品の中で、経年劣化で接点不良になりやすい半固定抵抗や、スイッチの接点をエレクトロニックスプレーで洗浄します。

電気的な接点不良を解消しても音の揺らぎは解消されませんでした。

2.カセットメカのバラシ
次にカセットメカをばらし、リワインド機構にアクセス出来るようにします。

これでリワインド機構にアプローチ出来るようになりました。

3.リワインド機構の滑り解消
キャプスタンベルトは交換したので、問題ないと思います。そうなると次に疑わしいのは、リワインド機構です。
そこで、リワインド機構が滑らないように、メンテナンスします。

1)プーリーのゴムの表面を磨く
まずはプーリーのゴムを600番のサンドペーパーで研磨し、滑り解消します。

2)リワインドプーリーの表面を洗浄

リワインドプーリーのブレーキパッドもヘタっている様です。

3)リワインドモーターの軸を洗浄する。

4.動作確認
それでは、組付けて動作を確認します。

今回は、テープの巻始めと、中間、そして巻き終わりで音の揺らぎを確認します。

1)テープの巻始め
テープの巻始めは、やはり音の揺らぎがあり、解消できていません。

2)テープの中間
テープの中間は、音の揺らぎが無くなりました。

3)テープの種版
テープの終盤は、また揺らぎが発生しました。



どうやら、テープの音のワウフラッターの様な音の揺らぎは、テープの走行負荷によるものか、モーターのトルク不足によるものと判断します。
次回は、モーター駆動回路を疑います。
お楽しみに!