LUXMAN プリメインアンプ L-507の修理 ーその6ー

こんばんは、Tomです。今日は昨日と同じように寒い日でした。朝から寒くて、なかなか気温が上がらない状態です。

さて、三連休もあり、この所修理の記事はお休みしておりましたが、今回は修理の記事に戻り、『LUXMAN プリメインアンプ L-507の修理』で、その5をレポートします。前回はプリアンプ基板以外の電解コンデンサの交換が終わりました。そこで今回はいよいよ規模の大きなプリアンプ基板の電解コンデンサの交換の話です。Tomオリジナルの手法を用いて、電解コンデンサの位置を半田面から特定する方法で作業した所、ほぼ100%的中し、楽に電解コンデンサを交換する事が出来ました。

1.プリアンプ基板の電解コンデンサ
これが最後に残ったプリアンプ基板です。

規模も大きく交換する電解コンデンサの数も多いです。

2.交換の為の準備
さて交換を行うのですが、この基板にはかなりのハーネスが直付けされており、基板を取り出す事が出来ません。
まずは、交換を少しでも容易にするための準備を行います。

1)シャーシーの窓バラシ
メンテナンス性を考えてか、このシャーシーにはプリアンプ基板の半田面をのぞける窓があります。まずはこの窓を取り外します。


2)ハーネスの固定解除
次に、GND線の取り外し、そしてハーネスを束ねているバインド線を外します。これで窓から外れているコンデンサの作業性が少しでも楽になると思います。

3.電解コンデンサの半田面からのレイアウト図の作成
いくらシャーシーから半田面をのぞけるようになっても、本体の部品の位置を正確に把握する事はとても難しいので、半田面からの部品レイアウト図を作成します。これがTomオリジナルの方法です。
昔の基板は、ベークの片面スル―ホール無しですし、50年も経過しているので、パターンもはがれやすくなっていますので、部品の足を一発で当てる事は、パターン保護の面にも非常に大事な事です。

1)写真撮影
まずは、部品面、半田面、そして半田面から光を当ててパターンを透かせる写真を撮影します。

①部品面

②半田面

③パターンの透かし写真

2)3つの写真の合体
そして、それらの写真を、Excelなどの広大なスプレッドシートに貼り付けます。
この時、半田面の画像は左右反転させて貼り付けます。

3)半田面に部品レイアウトを配置
そして、部品面の部品の配置や透かしたパターンを見ながら、部品面に部品の簡易形状と部品番号を記入します。

4)半田面の配置図をもう一度反転させて完了!
最後に出来上がった半田面の部品レイアウト図を、今一度左右反転させれば、完了です。

これで、半田面から部品がどの位置にあるかが一発でわかります。
これを行う事で、電解コンデンサの交換作業の70%の作業が終了です。

4.電解コンデンサの交換
それでは、いよいよ電解コンデンサの交換作業を行います。

1)窓枠から外れた電解コンデンサの交換
まずは窓枠から外れた電解コンデンサの交換作業です。
こちらは上記の配置図が作れないので、位置を特定するのが非常に難しいし、部品が窓枠の外にあるので半田付けも大変です。

指にやけどをしながらも、何とか交換しました。

プリアンプ基板の左端の縦の電解コンデンサの交換が終了です。

2)窓枠内の電解コンデンサの交換(上半分)
いよいよ窓枠内の電解コンデンサを交換します。
ここで先程の半田面の部品レイアウト図が大いに活躍します。
まず上半分のコンデンサの交換をしましたが、レイアウト図があるお陰で、100発百中で半田面から部品のリード線を当てることが出来ました。

上半分は、全て耐圧50V以下なので、まだ手持ち部品があるので、そちらを優先に交換します。

3)窓枠内の電解コンデンサの交換(下半分)
続いて下半分の電解コンデンサの交換です。

半田面からの部品レイアウト図があると本当に便利ですね。下半分も100発100中です。

下半分には100V100μFの電解コンデンサが4つほど存在します。部品を発注していましたがなんとか部品到着が間に合いました。

どちらも100V100μFの電解コンデンサですが、50年前と現在では、これだけ大きさが異なります。技術の進歩ですね。

下側の電解コンデンサの交換もスムーズに行う事が出来ました。

5.基板の洗浄
交換が終わりましたので、基板の洗浄を行います。
通常ですと、基板単体で洗浄が出来ますが、今回は本体上で洗浄しなければならないので、溶けたフラックスなどが本体の別の場所に流れないように、ティッシュでガードします。

そして、洗浄液がティッシュの方に流れてゆく様に少し本体を傾けて、洗浄します。



これで、プリアンプの電解コンデンサの交換が終了しました。
今回も感じましたが、前準備として半田面からの部品レイアウト図のお陰で、かなりスムーズに交換作業を行う事が出来ました。すこしの手間をかけるだけで、かなりの成果です。
次回は、電源インレットの交換です。
お楽しみに!