KENWOOD無線機のマイクの修理

こんばんは、Tomです。今日も朝から暑かったですね。出勤時の外気温はすでに30℃。日中の最高気温は34℃だったようです。会社で良かった〜。

さて、昨日はお友達のSugiさんからKENWOODの無線機のマイクの音がブツブツと途切れるので修理の依頼がありました。

1.症状を確認す
Tomは、この依頼を受ける前に何度かSugiさんと交信をしていますが、このブツブツと途切れる現象は、PTTの線が切れている為だと思いました。
実際にマイクを見てみると、マイクケーブルの根本のスリーブが壊れているので、おそらくここの根元に負荷がかかり、PTTのハーネスが断線したと思われます。

2.バラシ
それでは、さっそくバラシましょう!バラシは、タッピングビス一本ですので簡単です。

ストッパーの取り外し

3.断線の確認
PTTの断線があるかどうかをテスターで確認します。確かにマイクケーブルの根本を曲げると導通がなくまりますね。これは途中で断線している事が分かります。

4.マイクケーブルの被服をはがす
それでは、先ほどの断線していると思われるところまでマイクケーブルの被服をはがします。

5.断線を確認する
PTTのハーネスを引っ張り、断線を確認します。確かにちょっと引っ張ると被服が細くなり断線している所がありました。

しかし、これ以上はマイクケーブルを短くすることが出来ません。

6.Downの信号線を使用する
そこで、Tomは良いことを思いつきました。このマイクは固定で使用するので、周波数アップダウンのスイッチはほとんど使用しません。そこで、PTTのケーブルの代わりに周波数アップダウンのダウンのケーブルを使用することにしました。理由はマイクコネクタのPTTの隣の信号がダウンの信号だからです。

それでは、マイクコネクタをばらします。

7.信号線を入れ替える

コネクタのPTTの信号は2番の位置で黒の信号線です。そして、隣がダウンの信号で青です。これなら簡単に隣に移せそうです。

まず、2番ピンの黒のハーネスを取り外し、その線を切り取ります。

そして、隣の青のダウンの信号を2番ピンに半田付けします。

8.ダウン信号をPTTに変更する
それでは、マイク側のPTTのハーネスを取り外し、ダウンの信号をはんだ付けします。

1)PTTの信号線をマイクロスイッチから取り外す。


2)ダウン信号(青)を取り外し、PTTにはんだ付け

ダウン信号(青)を取り外し、PTTのマイクロスイッチにはんだ付けします。

3)根元にストッパー金具をつける

9.すべての線を短くしてはんだ付けする
全ての信号線を約20mm短くして再度はんだ付けします。

20mm短くなり、スッキリしました。

10.マイクを洗浄

あとは、マイクとケーブルをマジックリンと歯ブラシで洗浄します。

11.マイクの根本を固める
マイクケーブルの修理は終了しましたが、再発防止をしなければなりません。つまり、壊れたマイクケーブルの根本を再生しなければなりません。
そこで、マイクケーブルのスリーブにホットメルトを注入して、樹脂で固めることにしました。

ホットメルトが暖かいうちに、ビニルテープで成型します。

樹脂が固まったら、ビニルテープをはがしてみます。すると部分的に曳けが生じちょっと格好悪いです。

そこで、最後は、またビニルテープを再度巻き付け、少し見栄えが良く見えない。
なので、ビニルテープを再度きちんと巻き、マイクケーブルを綺麗にします。