TDA7293デュアルアンプの製作 −その10−

おはようございます、Tomです。昨日から今日にかけては、各地で木枯らしが吹きましたね。本当に寒くなってきました。まあ、明日から11月ですので当たり前ですが、今年は冬が早い様な気がします。

さて、TDA7293を使用して製作しているパワーアンプも、今回10回を迎えました。前回はバラック状態で音出しも終え、比較的順調な流れです。しかし、想定通りスイッチングノイズが乗っていますのでこれを何とかしなければなりません。今回は入力部にフィルターを入れてゆきます。

1.アンプユニットのバラシ
入力部にローパスフィルターを入れるためには、アンプユニットひっくり返す必要があります。その為に、簡単にアンプユニットが取り出せるように工夫をしていました。

1)GMD端子の取り外し

2)電源コネクタの取り外し

これで簡単にアンプ基板を取り外す事が出来ます。意外と考えてるでしょ?

2.アンプにフィルター回路を入れ込む。

次に2つのアンプの入力部にローパスフィルターを入れてゆきます。

1)パターンカット

フィルターを入れるために、カッターでパターンをカットします。

キチンとパターンがカットできているかどうかをテスターでチェックします。

2)フィルター回路の部品

フィルター回路に入れるのは、1kΩの抵抗と、5600pFのフィルムコンデンサです。現在Tomが毎日聴いているアンプのフィルターは5800pFがジャストフィットしていましたが、これは4700pFと1100pFの組み合わせなので、出来るだけコンデンサは一個にしたくてそれに近いコンデンサをチョイスしました。

3)フィルター回路の取り付け
基板にフィルター回路を挿入します。

部品点数が2個なので、空中配線しても綺麗に納まります。

3.ヒートシンクのGND強化

調整の為、ヒートシンクはまだきちんとGNDに落ちていません。そこで、GNDを強化しノイズを少なくすることにしました。

ヒートシンクに穴を開け、ハーネスを取り付けてGNDに落とします。

4.効果確認
それでは、フィルターとGND強化の効果を確認します。

1)Before


2)After


だいぶ良くなりましたが、まだ波形はざらついていますね。やはり5900pFまで上げないとダメなのかな?あんまりやると音が訛るので、あまりやりたくないですね。

5.コンデンサの追加
フィルター回路を入れてみましたが、まだ足りないようです。コンデンサを追加し、時定数を上げます。それから、ヒートシンクのGNDと電源のGNDの強化を行います。

1)コンデンサの追加
現在の560pFに220pFのコンデンサを追加してみます。これで5820pFになるわけです。

2)ヒートシンクのGND強化
ヒートシンクの反対側もGNDに落とします。ヒートシンクが大きなアンテナにならないようにね。

3)電源のGND強化
電源のシャーシのGNDを強化します。以前は前後一本ずつのビスで固定していましたが、今回は後ろ側をさらに一本ずつ追加し、且つ菊座をいれてがっちりかませました。

7.再び動作確認
再び動作確認を行います。

波形は以前よりだいぶ良くなりました。

オシロのレンジを大きくして見ると多少ギザギザ感が有りますが何とかなりそうです。
それにしても、今回の電源はなかなかノイズが多いですね。さらにGND強化を行いましょう。

これで、入力フィルターはほぼ決まりました。
あとは、実際にKAIRNに取り付けて、もう一度フィルターの調整と、入力のアップリングコンデンサの調整を行います。
お楽しみに!