TM-201の修理 ―Final―

おはようございます、Tomです。昨日の朝は、さえない梅雨空でしたが、日中は真夏のように暑い日でした。今年の梅雨はちょっといつもの年と異なりますね。今朝は、相変わらずの梅雨空です。この梅雨が明けるのは、毎年7月25日以降ですので、それまでじっと我慢です。

さて、先日『魔法の歯ブラシ』で、復活したTM-201ですが、不具合が再現出来ず、原因が特定できないので、依頼元のNanさんに『暫く使ってみて様子を見てください。』といってお返ししてきました。
そしたら、昨日の朝、Nanさんより『また動かなくなったよ〜。』という連絡を頂きましたので、会社の帰りにNanさんの家に寄り、無線機を預かってきました。

早速バラして、コネクタ類の接触を確認しました。基板上のコネクタ類を確認しても、全く無反応でしたので、これはコントロールパネルのハーネスとの関連を調べる必要があると思い、操作パネルのバラシをする事に・・・さて結果はどうなりますかね〜。

1.操作パネルユニットをバラす
 1)パネルユニットのネジを外す
 

 2)VFOダイヤルを外す
  六角レンチを使用してVFOダイヤルのツマミを外します。

 3)VFOのエンコーダーの取り外し 
  VFOのエンコーダーのナットとボリューム、スケルチのナットを外します。

 4)マイクコネクタのナットの取り外し
  マイクコネクタのナットを取り外します。

 5)基板のビスを取り外す
  最後に基板を止めている木ネジ3本を取り外すと基板とパネルが分離しました。

2.コネクタ類の接触を良くする
 パネルが外れましたので、パネルからメイン基板に接続されるハーネスを一つ一つ取り外し、エレクトロニッククリーナーで接点を綺麗にする作業を繰り返しました。

 1)パネルから出ているハーネスを確認する。

 2)コネクタの接点を洗浄する。

 しかし、結果NGです。
3.再度『魔法の歯ブラシ』登場!
 操作パネルからのハーネスに問題はなさそうです。さて、困った。そうです!困った時は、『魔法の歯ブラシ』の登場です!
 歯ブラシを使って、基板上の部品をまんべんなく叩きます。すると、突然表示が復活しました。『今叩いたのは・・・・これだ!』
 そうです、下記の黒い支柱の様な物を叩いた時に復活したのでした。

 4.再現実験

 確かにこのポッチが原因なのか?今度は指で押してみました。
 押している間は、これまでの不具合と同じ現象です。(音はするけど、表示がNG)
  

 黒い支柱から指を離すと、表示が出来るようになります。
 

 そうです、これはCPUのリセットスイッチだったんです。このスイッチが渋くなって、リセットスイッチが入りっぱなしになっていたのですね。だから、一昨日歯ブラシで叩いた時に突然復活して、その後再現しなかったんでしょう。その後、カバーを付けたので、カバーを押下したかなんかで、またリセットスイッチが入りっぱなしになったのでしょう。非常に珍しい現象ですね。

5.パネルの清掃
 せっかくパネルをバラしたので、マジックリンと歯ブラシでパネルを洗浄します。でも年代物なので、あまり綺麗にはなりませんでした。

6.パネルを組立、再度確認
 後は、組立を行い、動作の確認です。

 1)パネルを組み立てる
  1で実施したパネルのバラシを逆に行いパネルを組み立ます。KENWOODはパネルユニットの作りがしっかりしていて、小さなスイッチのヘッダー一つ一つにストッパーが付いており、パネルからこぼれ落ちない様に出来ています。その点YAESUの作りは雑で、それらのヘッダーがポロポロと落ちてくるので、パネルを組み立てるがとても大変でした。さすがKENWOODです。
 電源ONをいれると、きちんと周波数を表示しました。VFOダイヤルを回すと周波数もきちんとうアップ/ダウンします。

 2)送信テスト
  PTTスイッチを押下して送信を確認。きちんと10W近くまで出ています。OKです。

7.ケーシング・・・・・その前に・・・。
 最後はケーシングですが、その前にカバーがリセットスイッチを押下しないよう、カバーがスイッチに接触しないようにアール加工します。(要するに曲げているだけ。)

8.完成!
これで完成です。今回の修理も、『魔法の歯ブラシ』が大活躍しました。もう手放せませんね。