HF帯無線機 IC-731の修理

こんにちは、Tomです。今日も気持ち良く晴れましたね。今朝は4:50に起きて、5:00〜8:00迄家の周りの草刈りを行いました。朝から3時間も草刈りをしたので、グッタリです。

朝ご飯を食べて、ゴルフを見ていたら、ローカルのSugiさんがいらっしゃいました。先日小国峠で取ってきた『わらび』と『ぜんまい』のおすそ分けです。Tomは山菜が大好きなので、とてもうれしかったですね〜。
そのついでに、IC-731の修理を依頼されました。Tomは、山菜を頂いたお礼に無線機の修理を快く受けました。もらった無線機なので、いつでも良いよ〜、急がないから・・・という事でした。

Tomは、全米オープンのゴルフとワールドカップを観終わった後、昼ご飯を食べて、いよいよ修理に取り掛かることにしました。

これが、貰ったという、IC-731です。どうも保管状態がとても悪いですね。

1.症状を見る
 
  まずは、症状を確認します。Sugiさんからお聞きしている故障の内容は、VFOのダイヤルを上に右に回しても、左に回しても、周波数がアップし、たまにダウンだけになる。そして、たまにロックする。ということでした。
実際に確認してみると・・・・
 1)右に回しても、左に回しても周波数が上昇することもあれば、たまにダウンだけになる。回している割には周波数の数字の上がり方が低い。

 2)VFOのダイヤルを、速く回すと周波数がロックしてしまう。


 Tomの想像では、片方のエンコーダーが壊れていてCW/CCWが上手く読めないという事だと思いました。

2.バラシ&清掃
 さあ、症状も確認したので、今度はバラシです。しかし、なんと汚い無線機なんでしょう。SWやツマミ類は粉を吹いています。

 


そこで、まずは、外側を清掃してからバラシをする事にしました。

 1)ケースの清掃
 


 2)ケースのバラシ
 

 3)中身が見えてきました。

 4)ケースの裏側の清掃

 5)ヒートシンクの清掃

3.バラシ第二弾

 次は、エンコーダーに辿りつくためのバラシを行います。

 1)パネルユニットのバラシ

 2)パネルユニットが外れた
 パネルユニットは外れましたが、なんだかハーネスが短く、且つ、パネル側のハーネスはコネクタではなく、ハンダで直付けです。
 そんなわけで、もう少しばらさないと、パネルを引き出せない状況です。
 

 3)さらにバラス・・・・しかし

  さらにバラスことにしました。この無線機は、プリ段とパワー段に分離することが出来るようになっていますね。

 しかし、バラしても、一向にVFOのエンコーダーに辿りつけません。もしかして、このパネルのエンコーダーは、前からアクセスするのでは?

4.パネルを前からバラす。

 一旦ばらしたプリ段とパワー段を元に戻し、今度は前からアクセスる事にしました。

 1)つまみ類の写真を撮る
 
 前からアクセスするという事は、つまみ類をすべてはずす必要があります。そこで、つまみ類を間違えないように、完成品の状態を写真に撮っておきます。

 2)つまみ類を取り外す

  次につまみ類を取り外します。この無線機のプッシュスイッチ類ははずさなくとも良いようです。

VFOつまみは、六角レンチで・・・。


 3)フロントパネルを取り外す。

 フロントパネルは、上下それぞれ2個のビスをはずせばOKです。

5.エンコーダーを取り外す

 フロントカバーを取りはずすと、エンコーダーが見えてきました。

 1)エンコーダーユニットを取り外す

 まずは、これを取り外しましょう。

 エンコーダーに基板が付いていますね。
 おそらく、これにフォトインタラプタが付いていのでしょう。
 

 2)エンコーダーの基板を取り外す

 中の部品構成を確認するために、まずはフォトインタラプタ基板を取り外します。

 

 3)なんとディスクリートのフォトインタラプタだった

  中を見てみたら、なんと赤外線の発光ダイオードとフォトダイオードのディスクリード部品で構成されていて、最後にトランジスタで増幅しているものでした。

 このユニットのどちらが故障しているはずです。

6.波形を確認する

 1)片方のモジュールの波形見る。

  まずは、基板を元に戻し、トランジスタのコレクタにオシロのプローブを当て、エンコーダー出力を確認します。
  

こちらはきちんと出ているようですね。

 2)もう一方のモジュールの波形を確認する。

ビンゴ!、こちらのモジュールの出力がありません。

7.対策

 まず、Tomのこれまでの様々な修理の経験から行くと、普通に使っていれば、半導体が壊れるという事はまずありません。なので、基板に何か付着しているか、それとも、ハンダが腐って接触不良になっているかだと思います。それでもなければ、部品を疑います。

 1)基板を清掃する
 まずは、基板を清掃します。基板に何か導電性の物が付着してレアショートの様な状態があるかもしれないからです。
 エレクトロニックスプレーと歯ブラシで基板を清掃しましょう。

 

 確認結果、これでは変わりがありません。

 2)再はんだ付けを行う
 次に、基板の再はんだ付けを行います。
 70年代〜80年代の基板はDIP部品がほとんどで、片面基板がほとんどなので、経年劣化ではんだが腐ると、接触不良となるケースが良くあります。
 

 ハンダ付けした後に、波形を確認したら、おお〜!波形が出ました。予想通りです。

 
8.動作を確認する

 さあ、動作を確認しましょう!

 1)7.1MHz
  
  7.1MHzを中心に上下にふってみます。

 2)VFOエンコーダーを右に回す
  VFOのエンコーダーを右に回して周波数をアップさせ見ます。
  きちんとアップしますね。
  

 3)VFOつまみを左に回す
  次はVFOつまみを左に回し周波数をダウンさせます。
  これも小気味よくダウンしてゆきます。

  しかも、ダイヤルを速く回してもロックせず、キチンとアップダウンします。
  これでOKです。
 
9.清掃と組み立て

 エンコーダーはきちんと動作しました。これから、組み立てをしますが、せっかくですから、ピカピカにしてあげましょう。

 1)パネルシャシーの清掃

  パネルのシャーシーも汚れているので清掃します。
  見えないことろも綺麗にね。
  

 2)つまみ類もピカピカに

  取り外したつまみは、マジックリンと歯ブラシでピカピカにします。
  

 3)プッシュスイッチの頭も全て清掃
  プッシュスイッチの頭も、取り外してピカピカにします。
  

 4)パネルも洗浄
  フロントパネルもマジックリンと歯ブラシで、裏表ピカピカに!
 


 5)スイッチの頭を取り付ける

  スイッチの頭を取り付けます。先ほど写真に撮った画像を見ながら、間違いのないように取り付けます。

 

 6)フロンパネルを取り付け、つまみを取り付ける

 フロントパネルを取り付け、つまみを取り付ければパネル部は組み立て完了!
 どうですか?ピカピカでしょう?

 7)外装カバーの取り付け

 先ほどマジックリンで洗浄して乾かしていた外装カバーは、最後にアーマオールを塗布してピカピカにしてから、取り付けます。

 

 8)おまけに足を付けてあげた
 この無線機には、ゴム足が付いていないので、簡易の足を付けてあげました。


 これで完了です!


終了は、午後の3時でした。(約2時間の工程でした。)

一番時間がかかったのは、修理ではなく、つまみ類とスイッチの頭をマジックリンと歯ブラシで洗浄したことですね。(笑)

なかなか充実した、お休みでしたね。ストレス解消になりました。
さあ、夕方で涼しくなったので、ゴルフの練習でもしようかな?
それでは・・・。