ティアックのオープンリールデッキの修理 −その2−

こんばんは、Tomです。今日は日中結構暖かい日でした。少し暖かさが戻ってきたみたいです。その結果、夕方は花粉センサーが反応。もうすぐ憂鬱な季節ですね。

さて、昨日からレポートしている、ティアックのオープンリールのデッキの修理ですが、本日はその2となります。昨日までのところでは、回転速度が変だと思ったら、ピンチローラがキャプスタンにあたっていないことが判りました。さて、本日どんな展開が待っているのでしょうか?

キャプスタンは大丈夫でしたが、ピンチローラーの動作がNGであることが判りました。そこで次はピンチローラーの機構に届くまでばらして行きます。
まずは、リールを外しましょう。

1.メイン基板をばらす
前回はメイン基板を取り除かないで、キャプスタンモーターをばらしましたが、今回は本格的にばらさなければならないため、メイン基板をばらします。

まずは、基板のブラケットを取り外します。

次に、各種コネクタを取り外します。こんなにコネクタがあって、覚えていられるかな〜?心配です。

基板の裏側のコネクタも外します。

これでやっと基板が外れました。これで、キャプスタンやピンチローラへのアクセスが容易になります。

2.キャプスタンモーターユニットをばらす
次に、前回と同じようにキャプスタンモーターユニットをばらします。

でも裏側からは、ピンチローラーの機構にアクセスできないようです。

3.ヘッドユニットのカバーをばらす
そこで、表からアクセスすることにします。まずは、ヘッドユニットのカバーをばらします。

ここまでばらしましたが、まだピンチローラの動作機構にすべてアクセスできませんね。
どうやら、このフロントパネルを取り除かないと裸にならないようです。

4.フロントパネルをばらす
さあ、いよいよフロントパネルをばらして行きます。

リールフォルダーを取り外す。

リールフォルダーの下のパネルのねじを取り外す

周辺のパネルのねじを外す

ヘッドユニット周辺のねじを外す

これでフロントパネルがばらせて、ピンチローラ上下駆動機構にアクセスできるようになりました。でも、ヘッドユニットは別途固定されていたわけではなく、パネルに固定されていたいため、本当に元通りになるか、ちょっと心配です。

5.ピンチローラ駆動はガチガチに固まっていた
これで、ピンチローラーユニットすべてにアクセスすることが出来ました。しかし、長年の経年劣化でピンチローラーの機構のグリスはガチガチに固まっていて、かなりの力を入れても動きません。

6.潤滑剤をとにかく吹き付ける
とにかく、ピンチローラーの上下機構のありとあらゆる接点に潤滑剤を吹き付けます。

潤滑剤を吹き付けたら、手で少しずつ動かします。けっこ重いです。

あちこちの機構に潤滑剤を吹き付け、両手で機構を動かすの繰り返しを行うこと30分。やっと
ピンチローラの上下がスムーズに動くようになりました。これならソレノイドでもきちんと動きますね。

7.フロントパネルを洗浄する
機構がスムーズに動くようになりましたので、あとは組み立ててゆきますが、その前にフロントパネルを洗浄します。

8.フロントパネルを組み付ける

9.ヘッド、キャプスタン、ピンチローラーを脱脂する
先ほど、様々な場所に潤滑剤を吹き付けたので、ヘッド、キャプスタン、ピンチローラーの脱脂を行います。

ヘッドとピンチローラの清掃

ピンチローラの清掃

10.ピンチローラーの動きの確認
ピンチローラの上下がスムーズに動くかどうかを、再度確認します。

大丈夫です。

11.基板の組み立て
機構はすべてOKなので、あとは基板を組み立てればOKです。

ネクター、ちゃんと覚えているかな〜?と思いましたが、何とかすべてとりつきました。

12.動作確認
これで、すべて組み立てが終了しました。テープをセットして・・・

電源をONし、プレイモードにして動作を確認します。
 

結果、きちんとピンチローラーは、持ち上がり、キャプスタンに接触して、正常な速度で回転しています。

成功ですね。
明日は、最終の確認と仕上げを行います。