TEACオープンリールデッキ A-2300Sの修理 ーその2ー

こんばんは、Tomです。今日の天気も昨日に引き続き、晴れて気持ちが良い日でしたが、最高気温は5℃ととても寒い日でした。夜になるとされに寒いですね。
さて、今日の話は昨日から始まった『TEACオープンリールデッキ A-2300Sの修理』の話で、今日はその2となります。
全く動かなかったデッキですが、リモコン端子の1番ピンと11番ピンをショートするとこで、何とか動き始めました。しかし、早送り、巻き戻しはOKなのですが、再生時にピンチローラーが動きませんでした。今日はばらしてピンチローラの動作を正常にします。

1.ピンチローラが動かない
再生時、ピンチローラーが電磁クラッチでシフトしキャプスタンに接触するはずなのですが、それが全く動きません。

手でピンチローラを動かしてみると、なんと、すごく重いです。
これは、経年劣化でグリスが固着しているためだと思います。

2.ばらし
それでは、ピンチローラのメカ機構にアクセスできるまでばらします。
これまでの経験では、フロントのアルミパネルを取り出さないとメカ機構にアクセスできないので、フロントのアルミパネルを外せるようになるまで、ばらします。

1)ヘッドカバーのばらし
まずは、ヘッドカバーが邪魔しているので、これをばらします。

ヘッドが見えてきました。ヘッドは経年劣化でさびていますね。

これは後で対処します。

2)フロントパネルのばらし
続いてアルミパネルの上に覆いかぶさっているフロントパネルをばらします。

続いてボリュームつまみを取り外します。これは六角レンチでつまみの固定ビスを緩めます。

ところがマイクの入力ぼボリュームのつまみがとても固くなかなか抜けません。そしたら、あーれー!軸ごと抜けてきました。

そんなぁ~。

LINE入力と、OUTPUTはきちんと抜けました。

3)ピンチローラーばらし
ピンチローラーをばらします。

4)リール部の保持部材のばらし

5)テープガイドローラーのばらし

これでアルミパネルはだいぶぐらつくかと思いましたが、全くビクともしません。

6)サイドウッドパネルのばらし

サイドウッドパネルをばらしの時に気が付いたのですが、4本のビスがすべて曲がっています。
おそらく、地震か何かで倒れた時のショックで曲がったのでしょう。

これは後で新しいビスに変更します。

ここまでやっても、アルミパネルはとれる気配がありませんので方針を変えることにしました。

3.ピンチローラのグリスを溶かす
サイドウッドパネルを取り外すと、ピンチローラの駆動部が見えるようになりましたので、脇からピンチローラのメカ機構に潤滑剤を塗布しました。

そして、ピンチローラがスムーズに動くまで、何度も動かしました。

4.テープガイドをスムーズにする
ヘッドの左右にあるテープガイドの軸もだいぶ重いので、潤滑剤を塗布し、スムーズにしました。

5.テープガイドの錆取り
続いて、テープガイドの錆取りです。
経年劣化で細部さびているので、ピカールで磨き上げました。

6.キャプスタンの錆取り
キャプスタンも結構さびているので、ピカールで磨きました。

磨いた後はパーツクリーナで仕上げます。

7.ヘッドの錆取り
ヘッドもかなり錆びています。ヘッドの清掃はアルコールなのですが、アルコールでは錆はとれませんので、致し方なくピカールで磨きました。

その後は、パーツクリーナーで洗浄し、最後にアルコールで仕上げました。

8.ピンチローラーの脱脂
そして、ゴム素材であるピンチローラーも脱脂してきれいにしました。

9.動作確認
さあ、ヘッド回りのメンテナンスが終了しましたので、操作パネルを設置して、さっそく動作確認を行います。

1)操作パネルの設置

2)再生モードの確認
まずは再生モードの確認です。
プレイボタンを押下すると・・・・カシャンと音がして、ピンチローラーがキャプスタンに接触
再生が始まりました。

おおーっ!なんだかうれしいですね。
左右のバランスが悪いので、OUTPUTボリュームをMAXにします。

2)スピード切り替え
メンテナンス前はスピード切り替えボタンも固着していて重かったのですが、潤滑剤でスムーズになりました。
スピードを切り替えてみます。

すると、きちんとスピードが切り替わりました。

再生が出来るようになりました。
次回は、音楽ソースを入れ、録音を実施してみます。
なんだか楽しみですね。