TEACオープンリールデッキ A-2300Sの修理 ーその1ー

こんばんは、Tomです。今日の天気は晴れていましたが、最低気温は-4℃、そして日中の最高気温は5℃ととても寒い日でした。在宅勤務中も、結構寒くて足温器だけでは耐えられなくなり、途中で少しエアコンを入れて暖房しました。明日も今日と同じ様な気温です。
さて、この所CROWNのアンプの修理が思うように行かなくて、結構落ち込んでいたので、気分転換に違う修理を行いました。それは、TEACのオープンデッキ A-2300Sです。これは仙台のプロミュージシャンの稲垣さんのお弟子さんからの依頼で、その方のお父様が昔使用されていたオープンデッキらしいのですが、経年劣化で電源は入るけど全く動かないという症状らしいです。
今回は、その1です。さて、オープンデッキは動くようになるのでしょうか?

1.依頼品のTEACのオープンデッキ A-2300S
これが依頼されたTEACのオープンデッキ A-2300Sです。このデッキは、1973年製ですからTomが13歳の中1の時の製品です。
当時の定価は99,800円です。

audio-heritage.jp

Tomもこれくらい7号リールのAKAIのオープンを持っていますが、蔵の中で埃だらけですね。

空テープと空リールも同梱されていました。これが無いと動作を確認出来ないので良かったです。

2.動作確認
まずは動作の確認を行います。

1)電源ON
まずは電源を入れてみます。電源は入るという事でしたので、余りドキドキしません。

やはり電源は入るようです。

そして、キャプスタンは回っているので、どうやらキャプスタンベルトは切れていないようです。

3.テープ走行の確認
続いて、テープがきちんと回るかどうかの走行の確認をします。
依頼時の話では、リールが全く回らないという事でした。

1)PLAY
まずはPLAYのボタンを押下してみます。

確かにウンともスンとも言いませんね。

2)早送り、巻き戻し
次に早送り、巻き戻しの動作を確認します。

なんか、走行系がおかしいというより、ボタンが全く反応しない感じですね。

4.Netで情報収集

オープンリールデッキは、ばらし方が特殊なので、Netで情報収集を行います。
そしたら、YouTubeの動画にとても参考になる情報がありました。
それは、このデッキはワイヤードリモコンを接続することが出来、接続しない時には、背面のリモコンのコネクタにショートプラグをはめる仕組みになっている様です。そして、このショートプラグが無い場合、この方はコネクタの1番ピンと11番ピンをショートさせて動くようになったそうです。

www.youtube.com

このデッキのリアパネルを見たら、確かにショートプラグがありません。おそらくそれで動かないのですね。

5.バラシ
1)リアカバーのバラシ
それでは、まずはリモコンコネクタをショートさせるためにリアカバーをばらします。

中が見える様になりました。

2)リモコンコネクタのバラシ


6.リモコンコネクタの結線
コネクタの根元を見ると、きちんと番号が振ってあります。

この1番ピンと11番ピンをハーネスで半田付けしてショートさせます。

7.コネクタの組付け
コネクタを組付けますが、その前にコネクタのビスを取り外した時に、デッキの中で『コロッ』と音がしました。
恐らくナットが落ちたのでしょう。

1)1つ目を発見
1つは基板上にありすぐに見つかりましたが、もう一つが見つかりません。

2)デッキをばらす
それを探すために、更にデッキをばらします。

そしたら、MICコネクタの1つのプラスチックハウジングが経年劣化で壊れているのを発見しました。そうですよね~なにせ50年前のデッキですからね~。

これは後で交換します。

3)さらにばらす
さらにばらして、デッキを逆さまにしたりしたら、やっともう一つのナットが出てきました。

これで安心ですね。

4)コネクタの組付け

8.動作確認
それでは、動作確認を行います。

1)電源ON

2)PLAY
続いてPLAYを押下します。

リールが全く動きません。

3)早送り
続いて早送りです。

これは正常動作です。

4)巻き戻し
巻き戻しも正常動作でした。

STOPもきちんと止まり、ブレーキも掛かっています。

5)PLAYの再確認
もう一度PLAYを押下してみます。

リールが回転しますが、ちょっと速いですね。

しかも不安定です。

良く見ると、キャプスタンは回転していますが、ピンチローラ―がキャプスタン方向に動きません。
これが原因ですね。

ピンチローラ動作も固着でかなり渋いです。

次回は、走行系周りをばらし、メカ系のメンテナンスを行います。
お楽しみに!