SONY カセットデッキ TC-4300SDの修理 ーその1ー

こんばんは、Tomです。今日も昨日に引き続き晴天でしたが、割と寒く最高気温は9℃迄しか上がりませんでした。明日はお彼岸ですが雨と雪が降るようです。お墓参りも大変ですね。
さて、今日の記事は修理の話に戻ります。FB(フェイスブック)の読者のSuzuさんから1975年製のSONYカセットデッキTC-4300SDの修理の依頼がありました。そういえば、この所1970年代のテープデッキの修理の依頼が多いですね。
このデッキの不具合は、再生はするのですが、ワウフラッターが大きい事だそうです。
今回はその1で動作確認とバラシ、そしてキャプスタンベルトの交換を行います。さて、結果は如何に?

1.修理依頼を頂いたカセットデッキ
これが、Suzuさんから修理依頼を頂きました、カセットデッキです。このデッキは1975年製 SONYのTC-4300SDというカセットデッキで、横型から縦型に変わった時のデッキです。当時の価格で72,800円でした。ので、なかなか良いデッキだと思います。

audio-heritage.jp

今でも音が良いデッキである事で人気があるようです。

2.動作確認
この不具合は、再生はするがテープの走行が不安定で、ワウフラッターが大きいという事でした。
それでは早速動作を確認します。

1)電源投入
まずは電源を入れてみます。

問題ない様です。

2)テープを入れ再生
次に実際にカセットテープを入れて再生してみます。Tomはカセットデッキ&テープは何年も前に処分してしまったので、基本カセットテープは保有していません。でも、昨年カセットデッキの修理をした時に動作確認の為に頂いた演歌のカセットテープを持っていましたので、これを使用します。

動作確認は最小限のシステムで行います。今回は修理用のヘッドフォン(YAMAHA HP-2)で再生音を確認します。

再生してみると、ワウフラッタが大きいですね。これでは使い物になりませんね。

もしかすると、キャプスタンベルトが伸び切っているのかもしれません。

3.バラシ
それでは、バラします。

中を見ると、1975年製にしてはスッキリしています。

キャプスタンベルトを確認すると、やはりだいぶ伸びていますね。まずはベルトの交換が必要ですね。

キャプスタンベルトを取り外すために、さらにばらします。

ここまでくればキャプスタン部にアクセス出来るようになります。

4.キャプスタンベルトの交換
キャプスタンベルトを交換します。

1)キャプスタンプーリーのブラケットを外す。

2)交換用のキャプスタンベルト
Tomは、以前からベルトのセットを保有しています。これまで使用したのはCDトレイのベルトがほとんどでしたので、カセットデッキのキャプスタンベルトは残っていそうです。

この中から、同じサイズのベルトを探します。
丁度良さそうなのがありました。

取り出したキャプスタンベルトと重ねると、現行品は伸びているのでそれよりも一回り小さいベルトなのでちょうど良いですね。従来装着されていたベルトは、長時間使用していなかったので、伸びているだけでなく、モータープーリー径で変形しています。もしかするとこれがワウフラッタの原因になっているのかもしれません。

3)新しいベルトの装着
それでは新しいベルトを装着します。

モーターのプーリーから、この隙間を通してキャプスタンプーリーにベルトを渡す必要があります。

そこで糸ハンダをベルトに取り付け隙間に通してやることにしました。

これでスムーズにベルトの装着が出来ました。

後はブラケットを元に戻して完了です。

5.動作確認
それでは動作確認を行います。
これで直ると良いのですが。PLAY!



結果、ワウフラッターは余り変わりませんでした。
残念です。
次回は回転数を安定させるサーボ基板のメンテナンスを行います。
お楽しみに!