SONY カセットデッキ TC-4300SDの修理 ーその8ー

こんばんは、Tomです。今日も朝から一日中お天気でした、少し風はありましたが、最高気温は17℃迄上がりました。今日は出勤日でしたが、会社の枝垂れ桜は、結構進みとても綺麗に咲いていました。でも、ソメイヨシノはまだ咲き始めですね。

さて、今日の話は、『SONY カセットデッキ TC-4300SDの修理』の話に戻ります。先日、いよいよもってモーターをばらしたのですが、組付け時に失敗をして、ブラシを壊してしまいました。でも、依頼された方にそれを話したら、もう一台壊れているTC-4300SDがあるので、それを送りますと言って頂いたので、お言葉に甘えさせていただきました。これまで手をかけていたものと、今回の送って頂いたものを合わせて、うまく復活すると良いのですが、ワウフラの道のりは険しいですね。

1.送って頂いたドナーのTC-4300SD
昨日、依頼された方から送って頂いたドナーのTC-4300SDが届きました。

でも、これもワウフラッターがある上に、再生していると途中で息継ぎの様にダラーんとモーターの回転が遅くなるそうです。これはこれで、また別の問題を抱えているようです。

2.動作確認
それでは、早速動作を確認してみます。

1)電源の確認
まずは電源を入れてみます。

電源は入るようです。

2)ドアオープン
次にドアをオープンします。これは大丈夫ですね。

3)再生の確認
次に再生の確認をしますが、まだこのデッキの状況が掴めないので、いきなりテストテープを入れてグシャグシャになると困るので、頂いたなけ無しの1本のテープを入れて再生します。

最初は再生したのですが、数秒で音楽が止まってしまいました。どうやらテープを巻き上げていないようです。
Tomは直ぐにストップを押下して、テープを取り出しました。

テープが巻き取られないまま、こんなに出てしまいました。

これは、キャプスタンは回転していますが、巻き取りのプーリーが回転してませんね。

3.バラシ
早速ばらします。

4.走行の確認
カセットを装着せずに、PLAYを押下し走行をして、背面のプーリーの回転を確認します。

無負荷なのでプーリーは回転していましたが、ベルトは伸び切っていますね。

指で押してもぶよぶよです。

5.ベルトの交換
そこで、先日まで修理していたデッキからベルトを外して、交換することにしました。

1)NGベルトの取り外し

2)プーリーの確認とクリーニング
ベルトを取り外した状態で、プーリーの状態を確認します。

プーリーはあまり変形が無く、これまでの中では一番まともですね。
でも、このプーリーは、3台とも部品が違うので、よっぽど苦労したのでしょう。今回のプーリーが最終形態の様です。

でも、汚れていますので、アルコールを湿らせた綿棒で、クリーニング&脱脂を行います。

モーターのプーリーもクリーニング&脱脂を行います。

そして、カウンターのプーリーもクリーニング&脱脂を行います。

3)OKベルトの装着
これまで修理していたデッキから取り外したベルトを装着します。

6.動作確認
さあ、動作を確認します。

だいぶ良くはなりましたが、まだ、ワウフラがありますね。

7.キャプスタンとピンチローラ―のクリーニング
今度は表に周り、キャプスタンと、ピンチローラ―の確認とクリーングを行います。

1)キャプスタン
キャプスタンには、軽劣化によるごみの固着がありましたので、これを取り除きます。

2)ピンチローラ

ピンチローラ―を手で触ると、ピンチローラ―も凸凹していますね。おそらく経年劣化でピンチローラ―が変形したり、カスが付着したり、ひびが入っているものと思われます。

8.ピンチローラに印を付けてワウフラの確認
ピンチローラの影響がワウフラに繋がっているかを確認するために、ピンチローラのサイドに白マジックで印を付け、音を聴いてみます。

なんとなく、ピンチローラ―の回転に同期しているような気がします。

この確認をしている時に、突然モーターのため息が・・・・・。

9.回転部にシリコン油を注油
回転するギアの周りにシリコン油を注油し、回転にかかる負荷を押さえます。

10.速度調整用のVRの洗浄
そして、速度調整用のボリュームの接点にパーツクリーナ吹きかけ、洗浄します。
その後、VRを左右に回してて、接点不良を押さえます。

この状態で、約24時間走行させてみます。

これで少し息継ぎが直ればよいのですが・・・・。
息継ぎする時に、メーターのランプの明るさが低下するので、下記の3つが考えられます。
① 電源の電圧が低下してモーターの回転が落ちる。またメーターのランプも暗くなる。
② モーターのローターにブラシの粉が蓄積しショートする事で、電流が流れ電圧が落ちる。
③ 突然何らかの理由で、モーターに負荷がかかり、電流が多く流れ、電圧が低下する。
また、ワウフラッターにかんしては、今回はプーリーがまともなのに発生しているので、ピンチローラ―の経年劣化による変形が疑われます。
次回から、この線で攻めてみたいと思います。
とにかく24時間メカを回転させ、動作をスムーズにしてからの話ですね。
次回をお楽しみに!