SONY オープンリールデッキ TC-7650の修理 ーその3ー

こんばんは、Tomです。今日の天気は晴れのち曇り、時々雨という内容で、カンカン照りではなく最高気温は32℃でしたが、その分蒸し暑かったです。明日は雨模様です。畑の野菜には、恵みの雨ですね。
さて、今日の話も『SONY オープンリールデッキ TC-7650の修理』で、その3となります。前回はオープンリールの動作確認をおこないヘッド周辺のバラシを行った結果、ピンチローラの軸がグリス固着全く動かず、何度も溶剤やグリスを交互に塗布しましたが、軸を固定している部分が回っている有様でした。そこで今回は軸に付いているアルミの部品を取り除き、そこの固着したグリスを取り除きます。

1.固着したピンチローラ機構
これが固着したピンチローラ機構です。何度も溶剤やグリスを交互に塗布しましたが、全然ビクともしませんでした。

2.軸に付いているアルミの部材をばらす
そこで、この軸についているアルミの部材を取り除く事にしました。
まずは、左側の固着が酷い方から手掛けます。

1)細いマイナスドライバーで抉る
まずは殆ど隙間の無い部分に細いマイナスドライバーを差し込み、何とかこじ開けて少し隙間が出来ました。

2)大きめのマイナスドライバーで部材を抜き取る
続いて、少し大きめのマイナスドライバーを押し込み、何とかアルミの部材を軸から取り除くことが出来ました。

3)右側のアルミ部材をばらす
続いて、右側のアルミ部材を取り除きます。
同様に細いマイナスドライバーで隙間を作ります。

次に少し大きめのマイナスドライバーこじ開けます
ところが、余りにも軸とアルミ部材の固着が酷く、軸は根本から外れてしまいました。これは想定外ですね。

4)軸に付いている余分な機構を取り除く
軸の根元から外れたので、軸に付いているアルミ部材以外の余分な機構を取り除きます。

5)アルミ部材から軸を取り除く
さて、このアルミ部材から軸を取り除かなければなりません。ハンマーで叩いて外す事は可能ですが、傷が付きそうなので、別の方法を考えました。
色々考えた挙句たどり着いたのは、ボール盤です。
以前、ボール盤の上下機構を使用して、圧入する動画を見たことがあります。今回はその逆で、ボール盤の上下機構を使用して軸をアルミ部材から取り除きます。

軸を加えずアルミハウジングを押し出します。

うまく行きました。

今度は、出てきた軸にCRC-556を吹きかけ、もう一度逆からハウジングを押し出します。

最後に折れたドリルの刃を使用して、軸を押し出します。

うまく行きました。

3.軸とアルミ部材の摩擦をなくす。
アルミ部材から軸を取り除く事が出来ましたので、今度は、固着したグリスを溶かし、アルミ部材の内部を研磨します。

1)固着したグリスを溶かす
キャブクリーナーを使用し、アルミ部材の穴と軸に固着したグリスを溶かします。

2)アルミ部材の穴をサンドペーパーで研磨する
穴径よりも小さな精密ドライバーに、1000番台のサンドペーパーを巻き付け、穴を研磨します。

3)ピンチローラ機構の軸をに戻す

4.ヘッドユニットを元に戻す
アルミ部材と軸の摩擦が無くなりましたので、ピンチローラ―機構を組付けます

1)組付ける前にキャプスタン機構のベルトとプーリーを脱脂する

2)ヘッドユニットの組付け

3)グリスアップ
最後に、機構の要所にグルスを塗布します。

これで、ヘッドユニットの組付けが完了しました。


これで、故障の部分の修理が終わりました。
次回は、カバー関連を全て組付けて動作を確認します。
お楽しみに!