LINNのプリアンプ KAIRNの修理 −FINAL−

こんばんは、Tomです。今日も一日清々しい日でした。まさに五月晴れの一日でしたね。でも、この天気は明日迄。明後日は雨が降るようです。

さて、いよいよ長かった連休も今日が最後です。さすがに10連休は長いですね。
昨日に引き続き、今日もLINNのKAIRNの修理のレポートを行います。この記事は今日がFINALです。さて、どんな結末が待っているのでしょう。

1.DAコンバータの前段の回路図を書く

1)DAコンバータの回路を追う
昨日の解析ではどうもDAコンバータの/CS(チップセレクト)の信号がきちんと出ていないようでした。この信号がきちんと入らなければ、DAコンバータを選択されませんし、データーもきちんとセットされませんので、ボリュームもきちんとコントロールされる訳がありません。
そこで、DAコンバータの前段の回路がどのようになっているか?また基板を取り外して回路を追いかけます。

2)DAコンバータの前段の回路図完成

DAコンバータの前段の関係の回路図が完成しました。

これがDAコンバータ前段の回路図です。

2./CSの信号を追う

チップセレクタの前段の信号線は、直接UPDの信号をトランジスタで反転しています。
そこで、回路図をベースに信号をきちんと追いかけます。

1)UPDの信号


UPDの信号はきちんと出ています。



2)トランジスタのベースの信号


トランジスタのベースの信号もOKです

3)コレクタの信号

ところが、コレクターの信号は出ていません。

どうやらこのトランジスタがNGの様です。

3.トランジスタの生死を確認する。

そこでトランジスタを取り出して、トランジスタの生死を確認します。

確認結果、ベースーコレクタ間がNGでした。

4.トランジスタの交換

このトランジスタはZTX384というNPNのとトランジスタの様です。

そこで、その代替として2SC1815を投入する事にしました。

しかし、ZTX384は通常の足と配列が異なります。そこで、トランジスタの足に熱収縮チューブをかませて、足を入れ違いします。

これを、基板に装着します。

こんな感じです。

5.動作を確認する

さて、トランジスタを入れ替えたので、その動作を確認します。

UPDの信号

/CSの信号

これで、チップセレクタはきちんと動作しているはずです。

6.いきなり信号確認

Tomはこれでもう大丈夫だと思っていたので、入力に正弦波を入れて、いきなり動作をを確認する事にしました。

1)DAコンバータのVrefの信号

2)LINE OUTの信号

                    
きちんと信号が出るようになりました。これで大丈夫でしょう!

7.音楽信号を入れて動作を確認する。
次に、じっさいに音楽信号を入れ、動作を確認します。

iPhoneから音楽信号を入れ、スピーカーで音を確認します。
OKです。

ボリュームの動作を確認します。

VR58のレベル

VR35のレベル

[
これも動作は大丈夫で。
でも、全体的に音楽の音量が小さいので、レベルが合っているのか?TomのKAIRNをリファレンス機として比較してみました。結果はOKです。

]

7.仕上げ

動作確認が出来たので、最後に組み立てと仕上げの清掃を行います。

1)リアパネルの組み立て

リアパネルの端子のタッピングビスを装着します。


2)フロントパネルのメンテ

フロントパネルは角の部分の塗装がはげていたので、塗装を行います。

3)カバーの洗浄

カバー類を洗浄する

カバー類を洗浄して仕上げます。

4)リアパネルの洗浄
リアパネルも洗浄します。そして、ピン端子も綺麗にして、カバーをかぶせます。

5)完了!
清掃は完了です!

8、動作確認とリモコン洗浄

1)リモコンの動作確認

組み立てと洗浄を行いましたので、動作を確認します。

2)新しい電池の装着
リモコンが途中で効かなくなります。おそらく、リモコンの電池が無くなってしまいました。
リモコンに新しい電池を装着します。

動作を確認。OKです。

3)リモコンの洗浄

折角ですので、リモコンも綺麗に洗浄します。

9.電源ケーブルの洗浄
最後に電源ケーブルも洗浄します。

最後にケーブルを束ねて、完了

10.あとがき

今回の修理は、回路図が無いのと、初めてのLINNのアンプ部の修理と言う事もあり、極めて困難な状況でしたが、基板から回路を追いかけ、きちんと回路図に落とすことをして、何とかクリアできました。
今回は富士山を登頂した気分です。
LINNのKAIRNはとても良いアンプなので、末長くご使用くださいね。