LINNのプリアンプKAIRNの修理 シーズン5−その8−

こんにちは、Tomです。大型の台風18号が九州に上陸したようです。この三連休、Tomが住んでいる宮城県は、昨日大きな影響がなく、ゴルフを楽しみました。しかし、今日からは雨が降っています。月曜日が心配ですね。

さて、今日はお休みなので、夜ではなく日中にプログをアップします。記事の内容は、先週から実施しているLINNのプリアンプKAIRNです。電源は修復しましたが、依然としてCPUのクロックが発信しませんでした。さて、今回はどの様な展開が待っているのでしょうか?

1.クロック発振用のコンデンサをGet!
前回は、手持ちのコンデンサを取り付けてみましたが、発振せず。
推奨のコンデンサの容量が10〜20pFに対し、手持ちのコンデンサの容量は28pF。このレベルなら発信すると思いましたが、ダメでした。
そこで、お友達のKamadaさんから、15pFと22pFのコンデンサを頂きました。
Kamadaさん、ありがとう!

2.頂いたコンデンサを装着
1)22pFを装着
まずは、22pFのコンデンサを半田付けしました。

しかし、結果はNGです。
推奨の容量に対し、2pFしか離れていないのにNGとは・・・・。
そんなに微妙ではないなずなんですが・・・・・・。
なんだか、これが原因ではないようが気がしてきた。
でも、15pFのコンデンサが残っていますので、これを装着してダメだったらほかの原因を検討します。

2)15pFを装着

最後の15pFをはんだ付けして動作を確認しました。

やっぱり、ダメです。

3.別の原因を想定する。

やはり、原因はコンデンサではなかったようです。
CPUには電源がキチンを来ている。
コンデンサも既定の容量。
もしかして、GNDのパターンが腐食して切れていて浮いているんじゃない?

1)コンデンサのGND側をテスターで導通チェック

そこで、コンデンサのGND側の導通をチェックしました。

なんと、GNDの接触がわるく26Ωもありました。

4.GND線をジャンパー

そこで、GND線を別にジャンパーします。
しかし、それにしても、このKAIRNのコントロール基板のGND線は貧弱で、且つ一点アースになっています。アンプ部のアナログ回路ならまだしも、ロジック部はどんどんGNDで固めた方がノイズが少なく安定するのに、GNDのベタパターンすらありません。

なので、近くのスルーホールからジャンパーしようとしたら、なんと腐食でパターンの成分が変わり、半田が乗りません。

そこで、電解コンデンサのGND側からとりあえずGND線をジャンパすることにしました。

5.動作確認

これで、本当に動くでしょう!
スイッチON!

あれ?
まだ動きませんね。

1)発振回路を確認

まだ発信しないのか??と思い、水晶発振にプローブを当てました。

発振回路は、何とか発振を始めたようです。やったー!

しかし、クロックは発振したものの、基板は動作していません。

2)CPU周りの信号を確認

そこで、CPUがきちんと動作しているのか?CPUのアドレス線を確認することに。
CPUはフラットパッケージで、プローブを当てにくいので、ディスクリート部品であるROMのアドレス線を確認しました。(写真はVccを当てていますが、写真がなかったので再利用です。)

すると、アドレスの信号はこんな感じで5Vに達していません。これじゃ動作できないよね。

電源はキチンと来ているのに・・・・おかしい!
まあ、おかしいから動かないのですが・・・・。
もしかして、ROMのGNDも浮いているのでは?
コンデンサのGNDが浮いていたので、当然考えられます。ベタが少ないので・・・・・。

3)ROMのGNDの信号を確認

そこで、ROMのGND信号を確認しました。

おっとこれは・・・・・・。
GNDも信号に振られて上下しているではありませんか?

明らかにGNDが浮いています。
これまで発信していなかったので、電源確認時、GND信号線をみても気づきませんでした。

4)GNDの導通を確認

そこで、ROMのGNDの導通を確認しました。

なんと、導通がありません。
完全にパターン切れですね。
原因はこれですね。

6.ICのGND端子へGNDをへジャンパーする。

原因が分かったので、あとはGND線のジャンパー作業です。
ジャンパーは2本目ですがこれが大変です。本当にGND線を引いてくる場所が少ないですね。
そこで、基板の裏から表にジャンパーします。
まあ、見てくれは後で修正しましょう。とりあえず動作確認が先です。

7.動作確認

いよいよ本当の動作確認です。

スイッチON!

おお〜っつ!
操作パネルの7セグLEDが文字を表示しました。

直った〜!
嬉しい!
今回の修理は、原因の究明が難しかったですね〜。
なにせ、普通の回路とは異なり、あちこち腐食しているので、通常の回路が正しいかどうかだけでは判断できません。
でも、直ったのでとても嬉しいです!
達成感ありですね。

後は、仕上げに取り掛かります。
お楽しみに〜!