LINNプリアンプ KAIRNの修理 シーズン7 -その2-

こんばんは、Tomです。今日も昨日に引き続き、冷たい雨の日でした。昨日よりは雨は少なかったのですが、気温はやはり同じくらい寒かったです。これはオホーツク高気圧が原因の様です。でも、明日から徐々に寒波は徐々に北上しますので暖かくなってくると思います。
さて、昨日から始まったLINNのプリアンプ、KAIRNの修理の話です。
昨日は、故障の現象の確認とバラシを行いました。今日は、まず、修理の方針を打ち立て、修理を始めます。

1.修理のシナリオ
まずは、修理をするうえでシナリオを作成します。今回のシナリオは、下記のとおりです。

1)自分のKAIRNのコントロールパネル、本体と、故障のコントロールパネル、本体をそれぞれ交換実験を行い、故障はコントロールパネルなのかメイン基板なのかを切り分ける。
2)コントロール基板の場合、基板の腐食が原因だと思うので、それを修理する。
3)メイン基板の場合、ブロック図を作成し、コントロール信号でMONO切り替え信号がきちんと出ているか確認する。
4)ステレオ音声入力に片チャンの信号のみを入力し、出力信号がMONOになる回路を探す。

この様な手順で故障個所を確認することが出来ると思います。

2.TomのKAIRNのバラシ
さあ、リファレンスとなるTomのKAIRNをバラします。

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3.交換実験
それでは、Tomの正常品と交換実験を行います。

1)Tomのコントロールパネル+NGメイン基板
まずは、コントロールパネルをTomの正常品に交換します。

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<結果> NGです。
2)NGコントロールパネル+Tomのメイン基板
続いて、Tomのメイン基板にNGのコントロールパネルを取り付けます。

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結果:きちんとステレオ再生できました。
ついでにMONOスイッチを押下して、MONO/STEREOの切り替えが出来ているかどうかを確認します。

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結果:きちんと音声が切り替わることを確認しました。
これで、NGの故障個所はメイン基板であることが確定しました。

4.コントロール基板の出力を確認
コントール基板からメイン基板に接続される信号は10本です。コントロール基板からメイン基板にどのような信号が出ているかをオシロスコープで確認します。
なぜ確認するかというと、Pin数から考えて、シリアル信号が出力されていると思いますが、MONO信号だけ独立しているどうかを確認するためです。

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結果、下記の信号が確認出来ました。

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これらは、MONOスイッチだけではなく、VOLUME、信号セレクト、バランスなどすべての信号で出ていました。
という事は、すべてシリアル通信でメイン基板に接続されているようです。

今日の結果は大きな進歩です。
故障の原因は、メイン基板である。
そして、コントロール信号はシリアル信号で通信している。その信号はきちんと出ています。
次回は、基板のブロック図を作り、シリアルパラレル変換の箇所できちんとMONOの切り替え信号が出ているかどうかを確認します。
お楽しみに!