こんばんは、Tomです。今日は朝からほぼ一日雨でした。明日の週末は少し天気が回復しそうですね。やはり週末は天気が良い方が良いですよね。
さて、今日の話題もLINN CD レシーバー『CLASSIK MUSIC』の修理の記事ですが、いよいよFINALとなりました。今回はかなり悩んだ修理でしたが、ついに修理が完了いたしました。故障個所は3ヶ所ありましたが、最後の1つがかなり難しく、これまで考えられる手は全て尽くしましたが、なかなか復活しませんでした。でも、最初に気になっていた箇所の経年劣化の機器の修理の基本に立ち返り修理をおこなった所、ついに修理が完了しました。
1.メイン基板の腐食した箇所の部品を取り除く
修理の最初の時に気になっていたのが、スイッチング電源のファストリカバリーダイオードの部分です。ここは、最初に交換した電解コンデンサの近くにあったのですが、スイッチング電源は、なまじっか動いていましたし、腐食でパターンが明らかに切れていた箇所もありましたし、なんと言ってもチップダイオードやチップ抵抗を外すのが面倒で、後回しにしていました。しかし、考えられる修理はは殆ど行いましたので、ついにここに手を付けることにしました。
さあ、この部分の部品を取り除きます。
1)電解コンデンサとフィルターを取り除く
2)チップダイオードを取り除く
3)半田吸引機で半田を吸い取る
2.耐水ペーパーで研磨する
耐水ペーパーで基板を研磨し、レジストを剥がします。
3.基板のプリントパターンをテスターとマイクロスコープで確認する
1)研磨したプリント基板のパターをマイクロスコープで確認します。
①これまでわかっていた腐食箇所
ここはジャンパーを飛ばしていました。
② 新たに発見した断線箇所
③ スル―ホールが融けた場所
2)テスターで導通を確認する
テスターで導通を確認した所、パターンとスル―ホールに断線の箇所が見つかりました。断線していなくとも首の皮一枚で繋がっていた場所もありました。
4.修復する
さあ、修復です。
1)チップ抵抗の半田付け
まずはチップ抵抗を半田付けします。チップ抵抗は、LK-1の電源の復活の為に購入していた新しいものを使用します。
2)スル―ホールの修復
スル―ホールの断線を修復します。修復には部品のリード線を使用して表裏を半田付けします。
3)チップダイオードの半田付け
チップダイオードを半田付けします。
これも、LK-1の電源を修復するために購入していた、ファストリカバリーチップダイオードです。
4)電解コンデンサとフィルターを元に戻す
取り出した電解コンデンサとフィルターを元に戻します。
5.動作確認
さあ、動作を確認します。
電源ON!
一発でメイン電源がONしました。しかも、何度電源ON/OFFを繰り返しても、きちんと動作する事が確認出来ました。
やりました~!復活です!
6.最後の電解コンデンサ交換
復活したタイミングで、注文していた耐圧100Vの電解コンデンサが到着しました。これをを交換します。
動作確認します。
7.ニスを塗布する
レジスト代わりにニスを塗布します。
8.ホットメルトで要所を固定
ホットメルトで要所を固定します。
1)ジャンパー線の固定
2)電解コンデンサの固定
9.組付け
10.動作確認
音声も確認します。
きちんとCDの音声も確認出来ました。
これで修理完了です。
今回の修理で、きちんと復活出来た事はもちろん、今後の事も考え、電解コンデンサも全て交換しました。
これで、後10年は使用可能になりました。CDピックアップも交換すれば後20年は使用できると思います。
末永くご使用ください。